思いつき短編:世直したい隊
どうも~、こーんばーんわっ!
不意に声をかけられた。
振り返るとそこには全身黒尽くめの二十歳だろうか、若者がそこに立っていた。
私はその時は金曜日というのもあって、同僚とはしご酒をしていたのでかなり酔っ払っていて千鳥足になりながらも自宅へ向かっていた。
そこにたまたま最近話題になっている電動キックボードがあり、それを借りて帰ることにした。
その時に例の若者に声をかけられる。
お兄さん、かなり酔ってますね〜!飲み会でもしてたんですか?
私はあからさまに不機嫌な顔をしてそうだけど、それがどうしたと言った。
いやぁ〜、その電動キックボードに乗るんすか?
お前には関係無いだろう
んー、まぁ確かに。
私は構わず料金を支払い、エンジンをかけてさっさと立ち去ろうとする。
はぁ〜、警告はしたんだけどなぁ。
ぼそっと何かを言った瞬間、喉の辺りに激痛が走り、道路に倒れた。
咳が止まらず、なかなか生きができない。
そこに場違いな明るい声で話す。
は~い、お兄さん今、酔っ払ってるのに電動のキックボード乗ったね。
残念だぁ、手荒なことしたくなかったのにぃ。
私は激昂し、若者を罵倒する。
あ〜そうだ、自己紹介忘れてました。
ボク、国家公認の世直したい隊の者で〜す。
はっ?私は怒りを通り越して混乱した。
説明すると、今って巷で世間一般的に許されないことってあるじゃないですかぁ。
例えば、あおり運転とかお兄さんみたいに酔っ払って非常に迷惑な行為だったり、色んな事あるじゃないですか。
それを俺らが罰するんです。
ちゃんと世直し手帳もありますよ?ほら、これ。
警察手帳のようにちゃんと身分証明するものがあった。
だが酔っていて認識できない。
感情だけが昂ぶってコントロールできない状態であった私は若者に喧嘩をしかける。
やめてくださいよぉ〜、これ以上他人に迷惑かけちゃだめですって。
構わず殴りかかるがあっさり避けられ私の拳は空を舞う。
そんな私を見て若者がハァ~、とため息をついたかと思うと、私はいつの間にかアスファルトの冷たい地面に顔を押し付けられていた。
お兄さんのような自己責任感の低い奴は本当に困るんですよ、汚物そのものです。
一体どこにそんな力があったのか、見た目とは違ってかなりの力がある。
さぁ~て、お兄さんの個人情報やらプライベートやらを取らせてもらいますよ~。
私をどうする気だ!!
ん?あぁ、別にどっかへ拉致して痛めつける気はないですよ。
あくまで僕たちは世直しなのでそこまでは…。
まぁ、これから痛い目みるのはかわりないんですけどね~。
少し間が空けて、若者は話し出した。
僕は幼い頃に目の前で家族を一瞬にして亡くしたんですよ~。
ちゃんと横断歩道で青信号になってから渡っていたんです。
そしたら横から信号無視して黒のワゴン車が突っ込んできて僕意外、吹っ飛んでました。
父さん、母さん、姉ちゃん、弟が僕から遠い天国へ旅立ったんです。
加害者の運転手は相当の酒を飲んでいたようです。
まるでお兄さんみたいに。
それ〜、どんな大人でも運転しちゃあダメなの知ってますよね~。
なのに、やっちゃってるんですよ。
まるでお兄さんみたいに。
まっ、僕たちは世直しのために殺すとかはできないから安心してくださいね!
私は、何も話せなかった。
お兄さんの情報はこれまた、国家公認のダークウェブへ売らせてもらいますね。
覚悟決めてくださいね。
そう言って私の上から立ち上がり、暗闇へと姿を消した。
私は足並み急いで帰宅した。
後日、私の事がネットで広まり、炎上した。
お陰で会社は解雇され、自宅には貼り紙やら落書きやらで埋め尽くされた。
毎日、無言電話や変な電話でひっきりなしに鳴る。
私の人生は底の底まで落ちてしまった。
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