涙の果て

両親や兄に対して、素直に頭を下げられない、
そうしたら負けてしまうような感覚が、
最初ありました。

過去の体験談の放送を聞かせていただいて、
自分の中に
「いたらない自分を認めてしまったらどんなに楽だろう、
全身全霊で泣きながら謝れたらどんなに幸せだろう」
と、憧れている心があることに気がつきました。

形だけでもやってみようと思い、
面接の時、放送の人のように
「この場を借りて謝らせてください」
と深々と頭を下げてみました。

すると、堰を切ったように言葉が出てきました。

その後は涙、涙です。

お母さん、あざを持って生まれた私をしっかりと抱いてお乳をくださってありがとうございます。
自分の望むような愛し方をしてくれなかったと言ってずっと責めてきました。
ごめんなさい。

お父さん、今まで「私の欲しいのは愛情で、お金なんかじゃない」と、内心を責めていました。
本当は自分にできなかったことを娘に存分味わわせてあげたいと思っていたのですね。
ごめんなさい。

お兄ちゃん、「何もしてくれなかった冷たい人」という色眼鏡でずっと見てきて、避けたり無視し続けてきました。
ごめんなさい。

気持ちの良い涙でした。

「嘘と盗み」を調べていた日に雪が降りました。

自分の罪を夢中で話していて、
ふと気がつくと、
面接の方が涙を流しながら合掌してくださっていました。

その後廊下に出て雪明かりの庭をしばらく眺めました。
自分の今までが清められたような思いでした。

この空間と時間を支えてくださった
先生、奥様、面接者の方々、お台所の方々、
本当に本当にありがとうございました。

 (神奈川県 32歳女性 アルコール依存症治療中)

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