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社会心理学者のつぶやき

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ふと考えたことを思いつくままにまとめていきたいと思います。 思考の萌芽です。これから発展させていくための基礎です。 少しは思考の参考になるかも?
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#エッセイ

間に入る

間に入る

喧嘩の仲裁とか第三者の紹介とか,色んなタイミングで誰かと誰かの間に入ることがある。人と人の間だけでなく,人とモノとの間もある。たとえば,料理の仕方に口出しするとかも,料理人と食材あるいは調理法との間に入っている。

この「間に入る」(仲裁する)というのは難しい。片方に肩入れをすれば,それは「間」ではなく,2対1の構図になってしまう。だからといって,どちらとも距離を取れば,間に「入れない」。また,仲

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恋人との連絡頻度で悩むあなたへ(2)

恋人との連絡頻度で悩むあなたへ(2)

 少し前に書いた記事が結構なPVを稼いでいました(恋人との連絡頻度で悩むあなたへ)。

 せっかくですので,その第2弾を公開いたします。予めお伝えしておくと,第2弾は抽象的な話になっています。それを,より具体的な話に落とし込んだ第3弾はいずれ書く予定です。

 では,以下,本文です(ブログの再掲)。

 先日,「恋人との連絡頻度で悩むあなたへ」を公開しました。

「恋人から連絡がこなくて不安」

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過去と転職

過去と転職

(ブログの再掲)

 マコトとアオの話。

 マコトが仕事を辞めた。いろいろな理由があるみたいだけど、決定的な理由はハラスメントらしい。

 辞めようと決意したマコトは転職活動を始めた。仕事のツテを頼って始めた転職活動は、それまでのマコトの功績もあってトントン拍子に決まったようだ。おかげでマコトは失業期間なく、次の仕事へとスムーズに転職できた。

 アオも仕事を辞めた。理由は「きちんとした職に就く

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安心と不安の自作自演:ラベルについて(2)

安心と不安の自作自演:ラベルについて(2)

『Unscientific Psychology』(Newman & Holzman, 1996)を分担で読む読書会が先日ありました。

同書は心理学に対する批判の書で,刺激に富む面白い本なのですが,その中で「ラベル(カテゴリ)」の話が出てきます。

前回「診断名がつくこと:ラベルについて(1)」も「ラベルがつくことで当事者は安心する」という話があり,それについて考えてみました。たとえば,「自分は

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恋人との連絡頻度で悩むあなたへ

恋人との連絡頻度で悩むあなたへ

異性の恋人(以下,恋人)からどれくらいの頻度で連絡がきたら嬉しいですか?毎日ですか?週に3〜4日ですか?あるいは月に1回ですか?

一緒に住んでいて毎日連絡がきたら「帰ったら会えるのに」と思うかもしれませんし,「いつも連絡が取れて嬉しい」と思うかもしれません。

遠距離なのに月1回の連絡しかなかったら「私たち本当に付き合っているのかな」と思うかもしれませんし,「信頼してくれてありがとう」と思うかも

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オール・ユー・ニード・イズ・キルのラストについて考えてみた

オール・ユー・ニード・イズ・キルのラストについて考えてみた

(ブログの再掲です)

先日,映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』をamazonプライムでレンタル(¥100)して観ました。

日本のライトノベルが原作のハリウッド映画。作品情報は以下の通りです。

日本原作
トム・クルーズ主演
戦う、死ぬ、目覚める―。
何回死んでも、彼女を守って、世界を救え!

<最強の敵から世界を救うのは─死んだ数だけ、強くなる男>
遂に日本の小説が、超大作として映画化

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近所のスーパーが潰れた

近所のスーパーが潰れた

先日,近所のスーパー「ミヤモト」が潰れた。不謹慎ながら,よく潰れないなあと思っていたら,いつの間にか潰れていた。潰れた日当日の朝に気づいた。

たまたま朝,ミヤモトの近くのパン屋さんに寄った際に,ミヤモト入口に張り紙がしてあることに気づいた。何だろうと思って張り紙を見てみたら潰れるお知らせだった。破産手続き開始申立てのお詫びという張り紙だった。パン屋さんに寄らなければ気づくのはもっと後になったと思

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診断名がつくこと:ラベルについて(1)

診断名がつくこと:ラベルについて(1)

先日,読書会に参加していました。『Unscientific Psychology』(Newman & Holzman, 1996)を分担で読んで,議論して,という形式の読書会です。

いくつか議論のトピックはあったのですが,そのうちの1つのトピックが今も気になっています。

そのトピックとは「ラベルを付ける意味」です。以前から少し考えていたこともあり,せっかくの機会なので,考えをとりあえずまとめる

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3割と7割

3割と7割

沖縄の貧困率は約3割である。心理学者なら調査結果にr = .30(相関係数)あれば,無視することはないと思うし,弱いかもしれないけれど相関があるとして解釈する方が多いと思う。

でも,私も含めて,貧困について取り扱ってる心理学者が3割いるのかは正直微妙なところだと思うし,貧困によって生じる結果(学力低下、モチベーション低下など)には興味があっても,貧困への関心は相対的に低いように思う。心理学者は心

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