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異世界ファンタジー系社会学小説?!(エイプリルフール小話)
ご覧くださりありがとうございます。
昨年、エイプリルフール用に執筆したSSになります。
お楽しみいただけましたら幸いです。
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【エイプリルフール特別SS 「異世界ファンタジー系社会学小説?!」】
かつて、「忘れられた学問」を用いて世界の理ことわりを発見した偉大なる学者が存在した。その学者の名は、マックス・ウェーバー。彼は「合理化」を基軸に歴史を読み解き、隠された世界の理―
ありがとうございました
『愛と秩序の四時間目 ―小学六年生への社会学講義―』にお付き合いくださったみなさま、ありがとうございました。少しでもお楽しみいただけたなら、こんなに嬉しいことはありません。
じつは、『愛と秩序の四時間目〜』には出発点となる小説があります。『「僕」と「孤独」の境界線 ―社会学カフェへようこそ―』という作品なのですが、こちらは現在、カクヨムにて連載中です。
クラスメイトから「ぼっち」と蔑まれ孤立し
最終話 「未来と勇気の放課後」 『愛と秩序の四時間目〜』参考文献一覧
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「おはよう!笠原!なぁなぁ、あの件、考えてくれたか?」
午前八時十分。朝の会を控えた六年二組の教室である。
寝不足の頭に少々響く声の主は、眞家さんだ。
「あの件…というのは?」
昨日の今日なのだから見当はついているが、念のため訊ね返す。
「なんだよ~!昨日給食の時に誘っただろ?社会学部の件だよ!」
そう言って眞家さんは昨日の苦労話――久野先生をつかまえて新しいクラブ活動の意
第5話 「未来と勇気の放課後」
「異議あり、です!」
力強い声に顔を上げると、真っ直ぐ右の手を挙手した佑希君が、熱のこもった眼差しで私をじっと見つめていた。顔はわずかに上気しているようで、赤くなっている。その迫力に呑まれて、私は思わず「は、はい…佑希…君?」とうかがうように答えると、佑希君は勢いよくガタッと椅子から立ち上がり、
「未来ちゃんに出来損ないってなんだよそれ!いくら未来ちゃんのおばあさんでも許せないよ!見る目なさ
第3話 「未来と勇気の放課後」
お母さまからの返信を確認し、スマホのチャットアプリを終了する。
学校を出た私は、塾がある方向とは正反対の図書館に来ていた。
いつもなら、学校が終わるとそのまま塾の自習室に直行して授業が始まるまで黙々と勉強に打ち込むのだけれど、今日はどうしてもそういう気分になれなかった。
「社会学部」に入部するかどうかは別として、いつまた「社会学」の話題が出るとも限らない。
そのときに、今日と同じく建設的
第十一話 『愛と秩序の四時間目 小学六年生への社会学講義』
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「パーソンズは秩序問題を相互行為の観点から考え直したの。この時、パーソンズは何に注目したのか?それは、相互行為の中に潜む…つまり、対人関係やコミュニケーションの中に潜む『ダブル・コンティンジェンシー』と呼ばれる状況に注目したの」
愛は「ダブル・コンティンジェンシー(二重の条件依存性)」と黒板に書いて、翔吾らの方に向き直った。
「パーソンズが提起した『ダブル・コンティンジェンシー』は、二
『愛と秩序の四時間目〜』第七話、訂正のお知らせ
ご覧くださりありがとうございます。
本来、第七話に挿入されるべきはずであった板書の内容が抜け落ちていたのですが、このたび訂正いたしましたので、お知らせさせていただきます。
第七話のリンクは以下になります。よろしければご一読ください。
https://note.com/mirusocio11/n/n1073402d68c1
第八話 『愛と秩序の四時間目 小学六年生への社会学講義』
かつての愛は学校で習うこと、教科書から学ぶものはすべて「正しい」と思っていた。疑問など挟む余地もなく、すべて受け入れてきた。そういう素直さは美点であり、ほとんどの場面 ――たとえば人間関係を構築する場面―― において歓迎されるだろう。
愛は、「本当にそうなのか?」「なぜ」という疑問を抱くことが、自分で考えるチャンスの入り口だということを、学生時代に偶然出合った「社会学カフェ」で知った。