彩田青(Ao Saita)

2004年生まれ19歳。 物書きの修行中。酒場が大好き。 ご連絡はXのDMもしくはお問…

彩田青(Ao Saita)

2004年生まれ19歳。 物書きの修行中。酒場が大好き。 ご連絡はXのDMもしくはお問い合わせ先までお願いします。

マガジン

  • 散文・詩

    不安定な精神状態の時や、心が強く揺れ動いた時に書いた言葉のかけらを集めたマガジンです。

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    実際にあった出来事を自分なりに咀嚼して書いたエッセイです。

  • 「推し」という感情

    アイドルを中心とした「推し活」についての内容を含む記事です。

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固定された記事

とにかく書かせてください〜お仕事依頼募集のご案内〜

 こんにちは!彩田青です。この度、さらなる自身の文章技術向上のため、お仕事依頼を募集させていただきます。実績や細かな条件を下記に書かせていただきますので、何卒ご…

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キミアトラクション

7月31日、私は銀行に行かなかった。 Hey!Say!JUMPのファンクラブを、退会したのである。 去年ごろから決めていたことだった。 約9年間、私の担当でいてくれた伊野尾慧とい…

恋人

 ここ最近ちゃんとしたエッセイが書けないでいたので、気合いを入れてパソコンを開いたら、充電がなくなっていた。慌てて充電器に差し込んでこの記事を書いている。  私…

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実はつい最近恋人ができました。彼を守るために、自分を守りたいし、悪いことはしたくないと思います。

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「自己中」だと言われることが増えたけど、今までの「他者奉仕」は見てなかったくせに、と思います。自分のことをするようになったら急にそんなことを言うんですね。自己中だなあ。

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最近のことを書くつもりだったんだけど、ハッピーインターネット創設に邪魔すぎたので、何も話していないのと同じとする。

 辛いととりあえずパソコンを立ち上げるのは私の癖になっている。惰性でしたメイクもアクセサリーも全て邪魔くさくなった。今日はよく行くバーのスタッフが誕生日を迎えて…

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創作大賞あげました!是非たくさん読んでほしいです!今月でnote丸2年!

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深夜にパスタを茹でる

「0655」というNHKの朝番組を知っているだろうか。私は小学生の頃、この番組が大好きで、毎朝の早起きのモチベーションにしていた。  この番組にはオープニングソングとエ…

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「壊して?」

 最近人間関係の中の恋人という存在の違和感に耐えられなくなっている。基本1人行動が好きだし、邪魔されたくないし、ああだこうだ言われたくないし言いたくないから、ど…

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F町の地下にて♯2

 昨日も踏んだ地下への階段を今日も踏む。2週間前に会ったばかりの彼のことが忘れられなくて、淡い期待を持って扉を開けると、彼は煙草を吸いながら軽く会釈をした。  …

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F町の地下にて ♯1

 AM3:00、F町の薬局の地下。スナックやバーが立ち並ぶ、ひっそりと、しかしながら艶やかに眠らない場所。通称、『地下』。地下にいる人々は酒を酌み交わしながら非日常に…

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1

アイドル・インディビデュアリティ

 アイドルに個性を求めるか、否か。「アイドル」と言えば基本的にグループが連想されるようになった現代。世間はアイドルにどこまで「個」を許容し、どこまで彼ら彼女らに…

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大丈夫、

わからない、という単語がしっくりくる感情に、今1人包まれている。 人間が好きだ。人間が好きだから今の学部にいるし、今のバイトをしているし、飲み屋に行くのが趣味だ…

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どろり、

街中で君と眼が合って、ごろりと揺れた視界に映ったのは、君じゃなくてあの日飲んだ清涼飲料水のラベルだった。 すれ違い続ける世界、裏切られ続ける世界、眠らない世界、…

 家の外の音が、エアコンの音が、心臓の鼓動さえも遠のいていく。その代わり耳に響くのは、Xが名前を呼ぶ声である。Xは透明な腕で僕を抱きしめ、「ここにいたのか」と笑顔…

1

おぼえて

 下北沢駅の前、路上で屯するバンドマンたちは、終電を逃すか否かという、答えの決まったお決まりのクエスチョンを肴に、缶チューハイで酒盛りをしている。卒業シーズンの…

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とにかく書かせてください〜お仕事依頼募集のご案内〜

とにかく書かせてください〜お仕事依頼募集のご案内〜

 こんにちは!彩田青です。この度、さらなる自身の文章技術向上のため、お仕事依頼を募集させていただきます。実績や細かな条件を下記に書かせていただきますので、何卒ご参考の上、お仕事お待ちしております。

自己紹介

 改めまして彩田青です。「さいたあお」と読みます。勿論本名ではなく、文章を書くときの名前です。

基本情報
2004年生まれの女子大生。
幼い頃から文章を書くことが好きで、中学3年の頃から

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キミアトラクション

キミアトラクション

7月31日、私は銀行に行かなかった。

Hey!Say!JUMPのファンクラブを、退会したのである。
去年ごろから決めていたことだった。
約9年間、私の担当でいてくれた伊野尾慧というアイドルとの生活を、少しだけ懐古したい。

初めて貴方を観たのは、テレビの前。アイドルなんて疑似恋愛だとほざいていた当時の私は、キラキラの笑顔を振りまいてウィンクする彼に、心がギュッとなる初めての感覚に囚われた。
「私

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恋人

恋人

 ここ最近ちゃんとしたエッセイが書けないでいたので、気合いを入れてパソコンを開いたら、充電がなくなっていた。慌てて充電器に差し込んでこの記事を書いている。

 私が文章をパタリと書かなくなったのは、一週間前にできた恋人の存在が大きい。元々、愛なんて愚かだと思っていて、好きな人と好きな時に遊べればそれでいいや派の人間だった私は、こんなにあっさり恋人ができるなんて思ってもいなかった。
 恋人になった経

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実はつい最近恋人ができました。彼を守るために、自分を守りたいし、悪いことはしたくないと思います。

「自己中」だと言われることが増えたけど、今までの「他者奉仕」は見てなかったくせに、と思います。自分のことをするようになったら急にそんなことを言うんですね。自己中だなあ。

最近のことを書くつもりだったんだけど、ハッピーインターネット創設に邪魔すぎたので、何も話していないのと同じとする。

 辛いととりあえずパソコンを立ち上げるのは私の癖になっている。惰性でしたメイクもアクセサリーも全て邪魔くさくなった。今日はよく行くバーのスタッフが誕生日を迎えてから初めての出勤だから、前々から楽しみにしていたのに、なんだか心が一ミリも踊らない。その人のことは割と好きだった。顔だってめちゃくちゃ好みだし、性格も面白いし、好きになろうと思えばなれるけど、こんな日に限って花火を持つ一年前好きだった人の横

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創作大賞あげました!是非たくさん読んでほしいです!今月でnote丸2年!

深夜にパスタを茹でる

深夜にパスタを茹でる

「0655」というNHKの朝番組を知っているだろうか。私は小学生の頃、この番組が大好きで、毎朝の早起きのモチベーションにしていた。
 この番組にはオープニングソングとエンディングソングがあり、エンディングソングは毎回変わる。私は『アルデンテ』という曲が1番好きで、今でも口ずさめるほどだ。この曲はパスタの茹で時間を歌にしたもので、欧米風の女性2人が民族的なダンスを踊っているのをバックに、優しい男性の

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「壊して?」

 最近人間関係の中の恋人という存在の違和感に耐えられなくなっている。基本1人行動が好きだし、邪魔されたくないし、ああだこうだ言われたくないし言いたくないから、どんなにいい感じになった人とも恋人にはなれなかった。
 自分の心の奥深いところにある芝生の霜柱を、誰かがサクリと踏んだ音が聞こえた時、とてつもない警戒心と恐怖が生まれる。と、同時に快感を覚えてしまうのだからもっと怖くなる。

 「可愛い」「好

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F町の地下にて♯2

F町の地下にて♯2

 昨日も踏んだ地下への階段を今日も踏む。2週間前に会ったばかりの彼のことが忘れられなくて、淡い期待を持って扉を開けると、彼は煙草を吸いながら軽く会釈をした。

 彼の端正な顔立ちがこちらを向いて、心臓がどくりと動いた。

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F町の地下にて ♯1

F町の地下にて ♯1

 AM3:00、F町の薬局の地下。スナックやバーが立ち並ぶ、ひっそりと、しかしながら艶やかに眠らない場所。通称、『地下』。地下にいる人々は酒を酌み交わしながら非日常に浸っている。
 このエッセイは、19歳という若さでその地下に足を踏み入れ、今では頻繁に通っている彩田の日記である。

 彼がホストだと聞いた時、驚きはしなかった。安心できる笑いかたと話し方、心地よい間の取り方、あざとい、という言葉がぴ

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アイドル・インディビデュアリティ

 アイドルに個性を求めるか、否か。「アイドル」と言えば基本的にグループが連想されるようになった現代。世間はアイドルにどこまで「個」を許容し、どこまで彼ら彼女らに色を許すのだろうか。

 「お笑い担当だからバラエティに呼ばれる」「ビジュアル担当だからファッション誌に掲載される」多くのアイドルグループで耳にする、「担当」という言葉。ファンの間やメンバーの言動から定着していくものもあれば、運営が最初から

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大丈夫、

わからない、という単語がしっくりくる感情に、今1人包まれている。

人間が好きだ。人間が好きだから今の学部にいるし、今のバイトをしているし、飲み屋に行くのが趣味だ。コミュニケーションは、私の唯一の武器だと思っていたのに、それを踏んづけられてしまった。お前は人に甘えている、コミュニケーションをもっと学べと、言われてしまった。武器を失った今、夕方5時以降、食欲でしか外に出られない、4年前と同じ生活に逆

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どろり、

街中で君と眼が合って、ごろりと揺れた視界に映ったのは、君じゃなくてあの日飲んだ清涼飲料水のラベルだった。

すれ違い続ける世界、裏切られ続ける世界、眠らない世界、本当が何かがわからなくなったまま、騙し騙し日常を続けられていることに半分安堵し、もう半分で強く反発している。

醜いものに対する醜い攻撃、愚愛に対する羨望も、全部ひっくるめて人間の醜悪と呼んで、ミルクにでも溶かして飲み干そう。そうすれば少

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 家の外の音が、エアコンの音が、心臓の鼓動さえも遠のいていく。その代わり耳に響くのは、Xが名前を呼ぶ声である。Xは透明な腕で僕を抱きしめ、「ここにいたのか」と笑顔を見せた。その瞬間に僕は安堵し、Xの名前を口にしようと息を吸ったところから記憶がない。

 ふと見渡すと、そこには誰の姿もなく、ただ抱きしめられていた感覚だけ残っていた。誰だっけ、あの時僕と一緒にこの静かな夜を過ごしてくれるはずだった人間

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おぼえて

 下北沢駅の前、路上で屯するバンドマンたちは、終電を逃すか否かという、答えの決まったお決まりのクエスチョンを肴に、缶チューハイで酒盛りをしている。卒業シーズンの三月も今日で終わるというのに、少しも緊張感のない街だ。閉店時間が過ぎたスーパーマーケット、やたらと細いコンビニを横目に路地を曲がると、1人の女がフェンスに寄りかかってしゃがみ込んでいた。嫌なことでもあったのだろうか、目は虚ろで、かろうじて缶

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