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「推し」という感情

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アイドルを中心とした「推し活」についての内容を含む記事です。
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アイドルを「信仰」する

アイドルを「信仰」する

 アイドルに対して信仰心を持ち始めたのはいつ頃からだろうか。アイドルは元来、「偶像」であり「崇拝するもの」であるという持論は、度々私のnoteの中で登場するが、それをはっきりと自覚したのがいつ頃かは私も良くわかっていない。

 私は現在18歳だが、幼い頃空前のアイドルブームがあったのを覚えている。それを牽引していたのがいわゆる「会いに行けるアイドル」で、そんな世界がどんどん濃密になっていくにつれて

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アイドル・インディビデュアリティ

 アイドルに個性を求めるか、否か。「アイドル」と言えば基本的にグループが連想されるようになった現代。世間はアイドルにどこまで「個」を許容し、どこまで彼ら彼女らに色を許すのだろうか。

 「お笑い担当だからバラエティに呼ばれる」「ビジュアル担当だからファッション誌に掲載される」多くのアイドルグループで耳にする、「担当」という言葉。ファンの間やメンバーの言動から定着していくものもあれば、運営が最初から

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アイドルの君よどうか、壊れないで。(Hey!Say!JUMP LIVE TOUR「PULL UP!」を通して)

アイドルの君よどうか、壊れないで。(Hey!Say!JUMP LIVE TOUR「PULL UP!」を通して)

 1年ぶりのライブだった。東京の公演になかなか当たらず初めての遠征に踏み出した私は、慣れない環境での一泊にかなりの気力を使った。

 ライブ前の、アイドルオタクたちが集まる空間、特に若い女の子がキャッキャとはしゃいだり、大金を片手にチケットを売り捌いてる姿を見ると吐き気がする。開場前はどうしても苦手でホテルに戻りたい気分だった。

 開場し、チケットを発券すると、カウントダウンコンサートに引き続き

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いいえ、彼は推しではありません。

いいえ、彼は推しではありません。

 時は2024年1月7日深夜。大好きなアイドルのコンサートを明日に控え、初上陸した大阪の初めてきたホテルのベットで呼吸を整えている。

 鬱病になってから「順応」が苦手になった。新しい環境になると少しも落ち着かず、眠れない、話せない、アルバイトを始めてそんな日々が続いていた。やけに外の音が聞こえる大阪のホテルで、明日のことや、今までのことや、大好きなアイドルのことについて思考したいのに、動悸と荒い

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青は多分君が好きな色じゃないけど、

青は多分君が好きな色じゃないけど、

君の色だからずっと私は好きでいる。

君はアイドル、私はファン。

君の好きなものなんて雑誌やテレビのちっぽけな知識しか知らない。

もちろん君が「担当」している色が、

君の1番好きな色とは限らなくて。

でも君の色といえば青色だから、

気づけば青色ばかり身につけている。

ライブで君が1番纏っているのも青色だから、

きっと1番見つけようとするのも青色だ

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オタクにSNSは難しい

オタクにSNSは難しい

 楽しい時も、悲しい時も、いつもそのフィールドはSNSにあった。

 2004年、平成16年生まれである私は、当然生まれた時から携帯電話があり、小学校に上がる前にはスマートフォンが普及して、高学年になる時には多くの人間がSNSを使っている世の中だった。無論、私も高校生になるとSNSを多用し、たくさんの失敗をしてきた。

 今でこそこうやって、若者のSNSの使い方や、自分のSNSとの関わり方を俯瞰で

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君色に染まるために髪を染めた

君色に染まるために髪を染めた

 初めて好きになったアイドルは、青色担当だった。当時小学生だった私はメンバーカラーなんていう概念がわからず、「青色を担当するの…?どういうこと…?」なんて思っていたのだが、しばらくするとその「メンバーカラー」という概念にどっぷり浸かることになる。
 メンバーカラーは、そのアイドルのもうひとつの化身みたいなものだと思っている。1番手っ取り早く、かつ激しく主張しすぎないで、「この人が好きです」と周りに

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推し、自撮りが上手くなる

推し、自撮りが上手くなる

 ジャニーズがSNSに進出し始めて早数年。私の推しである伊野尾慧さんが所属するHey!Say!JUMPさんはSNSを始めた時めちゃくちゃ若手組、というわけではなかった。だから、ブログなどにあげる写真をはじめとして、メンバー全員SNSを始める前は自撮りが少し下手だった。気がする。少し見切れていたり、ぶれていたり。とにかくインカメラで撮るのに慣れてないんだろうな〜という感覚があった。外側のカメラで撮ら

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オタクをして気づく「寂しさ」

オタクをして気づく「寂しさ」

 寂しさに震えながら眠る日が続いている。なんだか誰とも繋がりがなくて、落ち着かない。ただただ寂しくて、ただただ切なくて、恋もしていないのに誰かに振られてしまったような、心にぽっかり穴が空いてしまったような気持ちだ。

 オタクになってから、誰かと繋がる幸せを覚えて、その分、寂しさの味を知った気がする。

 初めて「推し」ができた小学5年生の時、私はCDやグッズに囲まれながら、「好きな人が周りにいる

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将来の夢ができました

将来の夢ができました

 もうすぐ受験も本番。私は特にやりたいことが有耶無耶なまま、受験勉強をしていました。将来のことを考えるだけで、「まだ学生でいたい」と泣きそうになって、勉強を投げ出してしまって、本当に無駄な時間を過ごしていました。
 しかし最近、志望学部をガラッと変えました。ここにきてです。理由は1つ。やりたいことができたから。将来の夢ができたからです。

 私の父は研究者で、私は幼い頃から「物事ひとつをじっくり考

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初めて君と年を越した。

初めて君と年を越した。

 2022年12月31日、大好きなあなたと年を越した。「年越し」という世界の時空を単位づけている1つの切れ目を、あなたと飛び越えたことがすごく感慨深い。

 きっかけは何気なく申し込んだジャニーズカウントダウン。まさか当たるなんて思っていなかった。せっかく行くのだから、思いっきり可愛い私であなたと年を越したいと思った私は、美容院でヘアセットをして、あなたのメンバーカラーが少し透けて見えるようなメイ

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カラオケで君の曲、歌えないんだよね

カラオケで君の曲、歌えないんだよね

 友人とカラオケに行った。彼女の好きなアイドルがあるカラオケ店とコラボしていたため、コラボドリンクとその特典目当てで行くことにしたのだ。フリータイム。3時間ほどの時間があった。

 あまりにも頼んだドリンクが来るまで時間がかかっていたので、最近練習している曲を入れて歌っていたが、1番練習をしている箇所で店員が来た。カラオケあるあるだよね。とりあえず歌うのをやめてドリンクを飲んだ。サイン入りのカード

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「推す」ことの一貫性と多様性〜推し活専門店 「オシアド原宿」に行って考えたこと〜

「推す」ことの一貫性と多様性〜推し活専門店 「オシアド原宿」に行って考えたこと〜

 今日は、私と同じようにジャニーズが好きな友人とお出かけをした。渋谷〜原宿間を行ったり来たりしていた中で、お茶したいね、という話になり前々から気になっていた「推し活専門店 オシアド原宿」に行ってきた。そこに行って、いくつか考えたことがあるので忘れないうちに書いていこうと思う。最初に言っておくが、お店の批判やコンセプトの否定、悪口や嫌な口コミなどを書くことが目的ではない。これは我々の「推す」という感

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あなたがアイドルでいてくれるから

あなたがアイドルでいてくれるから

 世界で1番好きな人のライブに行ってきた。場所は有明アリーナ。席は2階スタンド後方。決していい席とは言えなかったが、メンバー1人1人、もちろん私の大好きな彼の表情もしっかりわかるくらいには近い場所にいた。ライブを見終えて、少し感情が安定したので、文字に残す。先に言っておくが、これはセトリや演出を記録しておくものではない。私にとんでもなく渦巻いた感情をまとめておく場だ。

 彼を好きになって7年、ラ

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