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キミアトラクション
7月31日、私は銀行に行かなかった。
Hey!Say!JUMPのファンクラブを、退会したのである。
去年ごろから決めていたことだった。
約9年間、私の担当でいてくれた伊野尾慧というアイドルとの生活を、少しだけ懐古したい。
初めて貴方を観たのは、テレビの前。アイドルなんて疑似恋愛だとほざいていた当時の私は、キラキラの笑顔を振りまいてウィンクする彼に、心がギュッとなる初めての感覚に囚われた。
「私はこの人に出会うために生まれてきた」
そうはっきりと思った。
もっと彼を知りたくて、たくさんCDを買った。少ないお小遣いで中古のグッズを買った。友人に頼んで初めて正規品のグッズを手に入れた。DVDをカラオケで流しながら馬鹿騒ぎした。
初めて彼に会った。会うためのファンクラブに入るために家族にプレゼン資料を作った。やっと生で見た彼は、誰よりも輝いていた。
たくさんライブに行った。なんども、そのキラキラの塊に涙した。私ができないことを投影して全部やってくれる彼の姿は、1人の天使のようだった。高い歌声も、細い体のダンスも、可憐なピアノも、汗だくで張り付いたふわふわの髪も、全部全部美しかった。
彼がSNSを始めた時、私は舞台裏の、アイドルモードではない彼の姿に躊躇いを覚えた。だから見ないようにしていた。アイドルの彼だけを追いかけていた。彼がいくらファンと絡もうが、万人受けを狙ったネタストーリーをあげようが、私は見なかった。ただただ、アイドルになっている姿を見ていたかった。
最初で最後のカウントダウンで、彼は私に気づいてくれた、と信じている。2023年の幕開けは間違いなく彼だった。最後に入った公演で、間違いなく私にとっておきの席を用意してくれたと、勝手に勘違いしておこう。
最後のミュージカルは、行くのを辞めた。やはり私はアイドルの彼が好きだったから。
そんな矢先、メンバーの中に既婚者が出た。私はもう、これ以上まっすぐ彼のことを見ることができないと思った。気がつけば更新日を迎えていた。
私が世界で1番のアイドルだと思っている伊野尾慧さんと一緒に過ごした9年間は、私をお姫様にしてくれた貴重な時間でした。部屋にたくさん飾られたうちわ、ボロボロになるまで貼っていたポスター、たくさん写真を撮ったアクリルスタンドも、売るなんてことはしないで全部取っておくよ。
世界で1番の愛と、感動と、希望をありがとう。
やっぱりキミが、No. 1です。
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