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パリ逍遥遊

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フランスでのライフスタイルから、ワークライフバランスを考えてゆきます。
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#ワイン

パリ逍遥遊 トラピストビール

パリ逍遥遊 トラピストビール

以前紹介したフォントネー修道院とモン・サン・ミッシェル。いずれもフランスを代表する修道院である。

修道院の拡大とブドウの北限でも述べた通り、フランスの修道院、中でもシトー修道会はクレルヴォーのベルナール(後の聖ベルナール)の入会後、その勢力を拡大しベルギーまで到達する。その後、フランス、ノルマンディー地方を中心とした修道規律の改革が起こり、その厳しい規律に従うシトー修道会として、厳律シトー修道会

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パリ逍遥遊 受胎告知(フランス修道院編)

パリ逍遥遊 受胎告知(フランス修道院編)

私は一時期カトリック系の大学で禄を食んでいた。学長は「置かれた場所で咲きなさい」の著者、彼女に「あなたはシスターになるとばかり思っていました」と言われたことが忘れられない。予想は外れ、私はシスターになることはなく、修道院に住んだこともない。キリスト教の精神にのっとって集団を生活する場所を修道院と呼ぶ。修道院ではもちろん祈りや聖書の研究に関わることが行われることはもちろん、これから紹介するように葡萄

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パリ逍遥遊 ブルゴーニュワインに合う究極の食材

パリ逍遥遊 ブルゴーニュワインに合う究極の食材

「たゆたえど沈まず」な都市パリにいて手軽に楽しめるものといえば、やっぱり飲食。ワインはフランス各地から、その地のテロワールを見事に表現したワインが気軽に手に入る。また、さすが農業大国フランス。食材についても新鮮な海の幸から山の幸まで、簡単に手に入る。となると、ついついマリアージュ(ワインと食材のマッチング)に挑戦したくなる。

生牡蠣とシャルドネ、鶏肉とリースリング、ラム肉とシラーなどがよく知られ

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パリ逍遥遊 メドックマラソン

パリ逍遥遊 メドックマラソン

普段何気なく過ごしている生活であっても、その延長線上には未だ見た事のない事象が広がっている。皆さんはそこに行った経験があるだろうか。

例えば、音楽プレーヤー。iPodなりステレオなりの音量を最大にしたことはあるだろうか?
おとなしいクラシック曲でも爆音になり、ベートーベン6番やブラームス4番と初期のアイアンメイデンとの区別がつかなくなる臨界点がある。

例えば、自動車。タコメーターが振り切れるほ

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パリ逍遥遊 修道院の拡大とブドウの北限

パリ逍遥遊 修道院の拡大とブドウの北限

キリスト教とワイン醸造などの農業技術は密接に関連する。
パンはキリストの体であり、ワインは血だ。宗教儀式で使われるこれら飲食物の製造技術は、修道院の発展とともにフランス全土に伝わっていった。

そもそもブドウ及びワインをフランスに持ち込んだのは、古代ローマ人と言われている。ロマネ・ コンティ、エシュゾー、ラ・ターシュなどグラン・クリュ(特級格付け畑)を多く有するボーヌ・ ロマネ村、村名にもなってい

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パリ逍遥遊 ヴァランス(Valence)とリヨン(Lyon)の旅

パリ逍遥遊 ヴァランス(Valence)とリヨン(Lyon)の旅

自然の恵みに対する畏敬の念を持つと共に、自然と共鳴していく喜びを持つワイン醸造家を恩師に紹介してもらい、バランスにでかけた。バランスは、パリリヨン駅からTGVがダイレクトに結んでいる。バランスの駅まで迎えに来てくれたワイン醸造家、初めてお会いした人とはとても思えない、ずっと昔からご一緒だったような感じがした。早速彼の所有するブドウ畑を案内してくれた。完全な自然農法を旨とするため、雑草も抜かない。雑

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パリ逍遥遊 コルドン・ブルーのワイン教室

パリ逍遥遊 コルドン・ブルーのワイン教室

フランスに来たからにはワインを勉強しなくては。との思いで、由緒正しき料理専門学校ル・コルドン・ブルーが主催するワイン教室へ。実は私、東京・青山のワイン学校に通った経験もあり、ワイン学校は今回が2回目。両者の比較もしつつ、コルドン・ブルーのワイン教室を紹介したい。

先ずは申し込みの時点で、東京とパリは異なる。東京は単に申し込みをして授業料を支払えば登録完了。一方、パリの方は、motivationな

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パリ逍遥遊 アルザス街道を行く!

パリ逍遥遊 アルザス街道を行く!

アルザス(Alsace)ワイン、忘れもしない。

ワインのブラインド・テイスティング試験に出された問題は、アルザス(Alsace)のゲベルツトラミネール(Gewurztraminer)だった!フランスの食の三種の神器と言えば、ワイン、チーズ、バケットだろうということで、全くお酒が飲めなかった私がパリに来て、ワインを嗜むようになり、なんとワイン学校にも通ったのだ。

パリで最も古い学校、ル・コードン

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パリ逍遥遊 サロン・ド・ヴァン

パリ逍遥遊 サロン・ド・ヴァン

ふと時計に目をやると、まだ昼前である。
通常、試飲となると少量を口に含み、備え付けの吐器に捨てるのだが、ワインの一滴は血の一滴とか何とか。吐き捨てるなどという罰当たりなテイスティングはしない。特にシャンパーニュは泡の強さからくる喉越しも大切だから、ついつい胃に入れちゃうよね、うんうん。とか言って、口角泡(ワイン)を飛ばしながらテイスティングを繰り広げて、はや2時間が経過。それでもまだ昼前か。

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