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マンガデザインで日本を描く(30/47)・兵庫県

どうもどうも、吉良です。

プロ野球も交流戦が始まりました。
マンガ「巨人の星」の花形満選手推しからの熱烈虎キチにとって「アレ」に突き進む阪神タイガースは頼もしく、岡田彰布監督の辛抱強さは、まさに社員や学生への育成の見本とも言えます。死のロードなどものともせず前進あるのみですね。

今回のマンガデザインで日本を描く特集は、我が阪神タイガースの本拠地で高校球児の聖地「阪神甲子園球場」の地、「兵庫県」について取り上げていきます。

これまで「沖縄県①」「沖縄県②」「新潟県」「石川県」「富山県」「京都府①」「青森県」「福井県」「秋田県」「福島県」「長崎県」「広島県」「愛媛県」「徳島県」「香川県」「熊本県」「大分県」「鳥取県」「山梨県」「山口県」「埼玉県」「島根県」「茨城県」「岩手県」「宮城県」「山形県」「奈良県①」「奈良県②」「和歌山県」「長野県」「三重県」についてお話ししていますのでこちらも是非お楽しみください。

とても嬉しい事がありました。
大阪芸術大学の講義中に「次のnoteは兵庫県」と言ったら「書きたい」と言ってくれた学生がいました。新入生の美術学科の福本君。もちろん彼にお願いしました。後半は初の現役学生の記述です。絵も描いてくれました。

その前に僕の兵庫県を。

兵庫県と言えば、僕にゆかりの深い、赤穂浪士で有名な赤穂市が西側に、東には甲子園に向かう時に通る尼崎市がありますね。僕がよく知る兵庫県は瀬戸内海側だけで日本海側には行ったことがありません。玉ねぎで有名な淡路島も兵庫県で瀬戸大橋で徳島県と繋がっています。

阪神淡路大震災で多大な被害を受けたにもかかわらず、短期間で復興した街の姿は今、マンガデザイナーズラボが日本経済新聞と手掛けている「予防インフラ2023」の重要な題材になっています。

兵庫県の中で一番数多く行った場所は甲子園球場の阪神戦です。もちろん阪神が優勝を決めた神宮球場、当時の西武球場の2試合ともしっかりとライブで見ています。

甲子園での観戦試合での阪神の勝利確率は記憶の限り100%で、よく言われる荒れた阪神電車の経験はありません。掛布選手の引退試合にも行きました。今年も行きたいのですが大阪にいる月曜日は試合がないので、機会に恵まれません。

Jリーグでは、祝Jリーグ30周年にも書いている、親友でミスター神戸と呼ばれた永島昭浩選手がヴィッセル神戸に所属していた1996年、姫路競技場でJFLからJリーグへの昇格を決めました。その後、雨の姫路セントラルパークに全選手に来ていただき、昇格パーティをやったことを覚えています。寒くて選手たちに申し訳なかったです。

また、次男のビーチサッカーの応援に明石まで2度ほど行きました。子供たちには本当に楽しませてもらっています。

仕事、プライベートで一番訪れたのは神戸です。異人館街やファッション街を散策しました。三宮で食べた神戸牛の味は忘れられません。芦屋の街や有馬温泉、六甲山にも行きました。六甲山ホテルからの夜景は素晴らしかったです。

その六甲山ホテルのチャペルで結婚式を執り行ったのが、「九段今昔物語〜はるかなる友への想い〜」に追悼文を書いた九段高校サッカー部の同期、故松下三四郎氏でした。

サッカー部の同期4人で東京から車で向かい、早く着きすぎて挙式の時間まで六甲山牧場のベンチで爆睡して羊に起こされた記憶があります。その松下氏のお墓参りに6月4日、その仲間4人で行ってきました。素敵なお墓でしたが、悲しみがたくさん溢れていました。

ではこの先は福本さん、よろしくお願いします。
改めての紹介となりますが、僕の授業を履修している大阪芸術大学美術学科1回生の福本晃大さんが地元愛を伝えたい!と紹介文を書いてくれました。

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今回は兵庫県の中でも私の地元である西宮市を中心に話していきます。

兵庫県は南部と北部で違う側面を持つ県です。
南部には神戸港の中華街や西宮市の甲子園球場、世界遺産の姫路城などがあり、観光業と重化学工業が中心のエリアになっています。

逆に北部は冬には雪が積もる自然豊かな世界が広がっており、こちらでは農林水産業が主な産業になっています。

このような様々な環境、商業があることから兵庫県は「日本の縮図」といわれています。そんな兵庫県の南東部に位置する都市である西宮市は、南北に長いのが特徴です。

西宮市の有名なものといえば、阪神タイガースの本拠地で高校球児の夢舞台である「阪神甲子園球場」が一番に上がることが多いですが、まだまだ良いところが沢山あります。

今回はその中から三つを紹介します。

《西宮神社》

西宮神社は開門と同時に本殿に一位を目指して走りだす「福男」が有名ですが、その他にも西宮神社には深い歴史があります。それは兵庫県にまつわる伝説に関係しています。

古事記」によるとそれはかつて日本を創りだしたとされる夫婦神、イザナギノミコトとイザナミノミコトが最初に作った始まりの島とされているのが兵庫県の淡路島であるというものです。

その夫婦神によって生み出された神様が、西宮神社に祀られている「えべっさん」こと福の神の恵比寿であるとされているのです。現在では商売繫盛の神として多くの人が参拝にきている名所になっています。

《蓬莱峡》

西宮市の上の方は山々が折り重なっているのですが、その中にひときわ目立つ奇岩の渓谷「蓬莱峡(ほうらいきょう)」があります。

蓬莱峡は剣のようにでこぼこした岩の盛り上がりによって生まれた独特の土地で、地質学的に見てもこの土地は世界でも数少ないバッドランド(悪地)とされているそうです。

そのためこの珍しい土地は古くから映画撮影の舞台として使われてきており、近年ではロッククライミングの名所にもなっています。

また、この場所は日本最古の湯「有馬温泉」の道中にあり、この湯を愛した武将・豊臣秀吉もこの蓬莱峡を超えるのに苦戦したとされています。兵庫県、西宮市の隠れた名所です。

《酒の都 西宮》

西宮といえばお酒が有名です。兵庫県で酒造りが発展した理由としては、が関係しています。その水の源流が西宮の地下から湧き出ているのです。そのため、西宮市には酒を造る酒蔵が密集しています。

また、酒蔵の周りにはお酒を利用した商品が多く作られ売られています。化粧品や調味料、糠漬けなどバリエーションに富んでいます。特に酒饅頭はバランスのとれたほのかなお酒の香りを感じる、とても美味しいものになっています。

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兵庫県の特徴も見ていきましょう。
兵庫県は県庁所在地が神戸市、県土面積は8401平方キロメートルで、全国第12位の広さです。甲子園球場があることや、明石市に日本標準時子午線が通っていることで有名です。

人口約548万人(日本で7位)、お線香・釣り針・そろばん・手延べそうめん・日本酒の生産量が日本一です。

兵庫県の地方新聞は神戸新聞、丹波新聞。テレビ局はサンテレビジョン姫路です。

有名な観光地・特産品は姫路城、有馬温泉、城崎温泉、北野異人館街、明石海峡大橋、南京町、メリケンパーク、赤穂八幡宮、明石焼き、揖保乃糸、神戸牛、そばめし、丹波黒、山田錦、姫路おでん、六甲ビール等です。

大阪芸術大学の学生が描いた「兵庫県」を見ていきましょう。

(大阪芸術大学 デザイン学科 大盛明夏さん)

【製作意図】
神戸北野異人館を描きました。昔、異人館に行った時に撮った写真を参考に、特に印象的だったモニュメントやドレスと、異人館街で特に有名な風見鶏の館、萌黄の館、うろこの家などを盛り込んでレトロさや華やかさを出すよう意識しました。

【吉良式視点】
この製作意図がそのままマンガデザインされた気品がありながらも若者の心にもしっかり届く素晴らしい作品です。目の輝きが「行きたい」という気持ちを高めます。マンガデザインの効果があふれています。

(大阪芸術大学 デザイン学科 宮崎華鈴さん)

【製作意図】
クワムラハムを描きました。出身の都道府県がまわってきたので、食べたことがある兵庫県特有のものを描こうと思い、選びました。私の地元の西脇では、スーパーに必ずと言っていいほどある商品です。イラストは、昔やっていたらしいCMをイメージして描きました。

【吉良式視点】
地元愛に溢れた最優秀作品です。長い歴史を感じさせるレトロ調なマンガデザインの中の子供たちの笑顔。彼らはきっと今もクワムラハムを食べてますね。僕も食べてみたくなりました。

(大阪芸術大学 デザイン学科 田口智子さん)

【製作意図】
姫路おでんを描きました。姫路には関東煮と呼ばれる濃く甘い味付けのおでんと、専門店で提供される薄味のおでんの2種が存在しますが、生姜醤油で食べるおでんはすべて「姫路おでん」です。
おでんを醤油で食べたことがないので、生姜醤油で食べたらどんな味がするのか気になり、今回描きました。また具材も、「かんべえレンコン棒」と「お城こんにゃく」といった面白い具材もあったので描きました。

【吉良式視点】
この作品も調査して、そこでわかったことを絵にするという手順が素晴らしいですね。知らなかったことを知った喜びを絵にできるという才能。ここに気づくことが大切ですね。その「気づき」のクリエイティブ素晴らしいです。食べ物の描写もいいですね。

(大阪芸術大学 デザイン学科 政田瑞季さん)

【製作意図】
甲子園球場で高校球児と同じくらい暑い中頑張っている売り子を描きました。売り子に必要なのは、容姿はもちろん笑顔とトークと根性だそうです。球場で鍛えられた女子は就職面接に異様に強いそうです。

【吉良式視点】
甲子園球場での楽しみの一つは球場での飲食。売り子さんとアイコンタクトした瞬間のダッシュはまさに体育会の階段ダッシュ。その姿を見てるからなおさらビールが美味しいわけですね。そんな気持ちをしっかり描いた元気の出る作品です。

次回は「鹿児島県」を紹介します。お楽しみに!

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