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マンガデザインで日本を描く(7/47)・福井県

どうもどうも、吉良です。

マンガデザインで日本を描く特集、今回は「福井県」について取り上げていきます。これまで「沖縄県①」「沖縄県②」「新潟県」「石川県」「富山県」「京都府①」「青森県」についてお話ししていますのでこちらも是非お楽しみください。

まずは県の僕の経験記と旅行記を紹介します。

僕が福井県に初めて行ったのは、マンガデザイナーズラボをつくり、福井県のクライアントさんの作業をした時なので6,7年前です。しかし、大阪芸術大学キャラクター造形学科の卒業生であり、現在マンガデザイナーズラボのデザイナーが福井県のあわら市の出身なので、今から10年以上前の彼女が在学中だった頃からよく話は聞いていました。

特に、彼女に紹介された福井県が生んだ焼き鳥屋さん「やきとりの名門 秋吉」は僕にとってなくてはならないお店です。大阪芸術大学の講義の度に通う秋吉 あべの店はまさに馴染みのお店で、僕にとっては福井県=「秋吉」=馴染みということでもっとも身近な存在と言うことができます。

その他、「芝政ワールド」を経営する会社や、技術系のクライアントさんとの関わりで福井には何度か行きました。福井駅の恐竜は印象的でかなりリアルなインパクトがあります。

越前ガニ解禁に合わせて食べる、とてつもなく贅沢な越前ガニづくしは僕の美味しい食べ物ランキングのベスト3には入ります。福井県の日本酒も素晴らしかったです。

書いてみると名勝地にはまったく行ったことがないと気付きました。今後は福井県の名勝地の旅を計画したいです。

上記で紹介したあわら市出身のデザイナーからの情報もお伝えします。

福井といえば「越前ガニ」がまずは思い浮かぶ人が多いと思いますが、福井の魅力はそれだけではありません!福井出身で地元にも携わりながら仕事をしてきましたので、数え切れないほどお伝えしたいことがありますが、今回はいくつか抜粋してお伝えしてみたいと思います。

芦原温泉
2015年に開湯130周年を迎えた福井屈指の温泉地です。温泉地としては歴史が浅いですが、74本の源泉があり各旅館ごとに泉質が異なっているのが芦原温泉の大きな特徴です。温泉街には地元民にも人気の足湯「芦湯」があり、10分も入れば体がポカポカと温まります。
また、芦原温泉の旅館の女将さんたちで立ち上げた「女将の会」は女将さん全員が利酒師の資格を所持しており、毎年女将さん達自らの手で作られる日本酒「女将」は芦原温泉でしか飲むことのできない貴重な銘柄となっています。フルーティーでカニ料理とも相性抜群です。

越のルビー
福井で生まれたフルーツトマトです。甘く冷たく冷やして食べるととってもおいしいです。生産数が少ないため県外ではなかなかお目にかかることができません。「越のルビー」という名前は福井県出身の芥川賞作家津村節子さんが命名され、平成4年に品種登録されました。越のルビーを使用したスイーツもたくさん販売されています。

東尋坊
国の天然記念物に登録されている景勝地です。日本海の荒波によって形成された長さ1キロにもわたる荒々しい断崖は自然の驚異を感じさせてくれます。岩壁は高いところでは高さ25メートルにもおよび、柵のない淵に立つと思わず足がすくみます。また、東尋坊にお越しの際は遊覧船がおすすめです!断崖を下から眺めることができ、その迫力は一見の価値ありです。

ちはやふる
福井県は百人一首競技かるたが盛んで、人気マンガ「ちはやふる」では主要キャラクターである新(あらた)の出身地として舞台にもなっています。あわら市ではちはやふるのイベントを過去に数回開催し大きな盛り上がりを見せていました。
実写版映画「ちはやふる」では綿谷新役の新田真剣佑さんがあわらに滞在し、かるたや福井弁を練習していたそうです。芦原温泉の駅裏には「あらた坂」と名付けられた桜並木道があります。

金津創作の森
あわら市にある美術館です。その名の通り森の中に本館があり周囲は整備された森で囲まれています。森の中には散歩道があり森を活用した大胆なインスタレーションなどのアート作品にも触れることができます。この美術館の特徴は、作家が美術館の敷地内に住みながら創作活動を行なっているところで、森の奥には陶芸や染色、吹きガラスなどの工芸体験ができる施設も兼ね備えています。開催される美術展も毎回非常にセンスがあり見る人を楽しませてくれます。

福井県の特徴も見ていきましょう。
福井県は県庁所在地が福井市、県土面積は4191平方キロメートルで、全国第34位の広さです。日本有数の恐竜化石の出土地である勝山市には「恐竜博物館」があり、恐竜のまちとしても有名です。

人口約77万人(日本で43位)、油揚げ消費量や眼鏡・眼鏡枠の出荷額、小中学生全国体力調査、ハープの生産数など、意外な日本一が多いことも特徴です。

福井県の地方新聞は中日新聞、日刊県民福井、福井新聞。テレビ局は福井放送、福井テレビです。

有名な観光地・特産品は福井県立恐竜博物館、三方五湖、氣比神宮、越前大野城、芝政ワールド、西山公園、永平寺、東尋坊、一乗谷朝倉氏遺跡、大野城、瓜割の滝、あわら温泉、三国祭り、三国花火、鯖江のメガネ、金福スイカ、越前ガニ、若狭ぐじ、若狭牛、花らっきょ、昇竜まいたけ、へしこ、いちほまれ、若狭ふぐ等です。

大阪芸術大学の学生が描いた「福井県」を見ていきましょう。

(大阪芸術大学 デザイン学科3年 大盛明夏さん)

【製作意図】
北陸地方の絶景を調べていた時に1番印象が強かった福井県の「永平寺灯篭流し」を描きました。幻想的で柔らかい雰囲気を作れるように灯篭や人物に反射する光とそのあたたかさを表現できるように意識しました。

【吉良式視点】
永平寺は行ったことが無いのですが、子供の頃から紅白歌合戦のあとの「ゆく年くる年」で何度も取り上げられた雪深い永平寺を鮮明に記憶しています。その厳しさとは異なるこの「永平寺灯篭流し」は幻想的で素晴らしいマンガデザインです。さまざまな表情を持つ永平寺、行ってみたくなりました。人に行動を起こさせる作品には魅力があります。

(大阪芸術大学 キャラクター造形学科2年 Lee Shuyaさん)

【製作意図】
観光地を背景にして、ちょっと可愛い感じを伝えたいと思いました。

【吉良式視点】
名勝、東尋坊を背景に福井県をアピールするユーモラスな越前ガニ。一枚の絵の中にさまざまな要素を入れてクリエイトするマンガデザインの力、写真では表現できない世界が描かれていますね。しっかり福井県を伝えているところがすごくいいですね。

(大阪芸術大学 デザイン学科2年 青木美波さん)

【製作意図】
国内シェアの9割を占める福井県鯖江市のメガネフレームとその中に映る刈込池を描きました。メガネとその背景に目を向けてほしかったので、人物はぼかし、背景も丸をメガネ側へと持っていくことでそこに目が留まるように作りました。

【吉良式視点】
広告会社時代ファッションを担当している時、サングラスやメガネも重要なファッションアイテムであることを学びました。国内はもとより外資系ファッションブランド担当者もこぞって福井県鯖江市に行っていました。鯖江市のフレームは世界一と言っても過言ではありません。その鯖江市のメガネフレームに着眼点を置いた視点は素晴らしいです。
このマンガデザインを見た瞬間にメガネフレームの絵と感じないのがちょっと残念です。メガネフレームとそこに写る刈込池にフォーカスした絵がみたいですね。

(大阪芸術大学 デザイン学科4年 粟生菜々珠さん)

【製作意図】
福井県は2017年2月には恐竜化石とその採掘現場が、恐竜化石としては全国で初めての天然記念物「勝山恐竜化石群及び産地」に指定されるなど、恐竜化石の採掘量が全国一。日本オリジナルの恐竜として世界で新種と認められた恐竜7種のうち、実に5種までが福井県勝山市で発掘されているというのを絵にしました。

【吉良式視点】
この製作意図を皆様じっくりお読みください。ただマンガを描く、自分の好きなことだけ描くということを僕やマンガデザイナーズラボは求めていません。求めていることはまさにこの製作意図のように興味を持ち、調べ、新しい発見をし、それを絵にする。それから構図、デザイン、インパクトなどを加えてゆく。この「勝山恐竜化石群及び産地」の5/7の着眼点は秀逸でシンプルなマンガデザインもよくできています。

次回は「秋田県」を紹介します。お楽しみに!

また、マンガデザイナーズラボが運営している「Manga de Japan」でも沖縄県の魅力を記事にしていますので、こちらも是非合わせてご覧ください。

福井の光を観に行こう 〜福井の歴史が生む景観と文化〜

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