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マンガデザインで日本を描く(26/47)・奈良県❷

どうもどうも、吉良です。

5月に入りました。月日の経つのは早いですね「予定を楽しむ」を形にしていかないといけませんね。

5月1日は、大阪芸術大学の講義のため大阪に行き、その日にトンボ帰りして2日から長野県、群馬県、新潟県と周りました。長野、群馬はまだ書いてないのでしっかり知見をストックしてきました。今回も4月から入社した新人マンガデザイナーの故郷、「奈良県」について取り上げていきます。

これまで「沖縄県①」「沖縄県②」「新潟県」「石川県」「富山県」「京都府①」「青森県」「福井県」「秋田県」「福島県」「長崎県」「広島県」「愛媛県」「徳島県」「香川県」「熊本県」「大分県」「鳥取県」「山梨県」「山口県」「埼玉県」「島根県」「茨城県」「岩手県」「宮城県」「山形県」「奈良県①」についてお話ししていますのでこちらも是非お楽しみください。

まずは奈良県の僕の経験記と旅行記を紹介します。

僕が長く客員教授として毎週月曜日から1泊2日で教鞭をとっている大阪芸術大学は奈良県に程近く、聖徳太子のゆかりの地で聖徳太子御廟(ごびょう)が駅前にある「喜志町」、叡福寺(えいふくじ)のある「上宮太子(うえのみやたいし)町」、に囲まれた風光明媚(つまりかなり遠方)な地にあります。

よって奈良県出身者もたくさんいます。今回、お手伝いしてくれている新人デザイナーの上原さんも奈良出身です。彼の話の前に今回も前座として「僕にとっての奈良県」のお話を書きます。

大阪芸術大学に通う時は近鉄阿部野橋駅から河内長野行きか橿原神宮行きに乗るので、いつも「橿原神宮」という名称を懐かしく感じていました。

なぜなら橿原公苑陸上競技場は桐蔭学園中学サッカー部に所属していた長男が全国中学校サッカー大会(全中)の決勝戦を戦ったスタジアムで、応援に通った場所でもあるからです。その時、橿原神宮に必勝祈願したのですが、惜しくも準優勝でした。

橿原公苑陸上競技場

その思い出の地を訪ねようと、現在大阪に住む長男夫婦と2020年の秋に橿原神宮、橿原公苑陸上競技場、法隆寺、吉野の金剛峯寺を訪ねました。天気にも恵まれ秋の奈良を満喫しました。

橿原神宮は僕の待ち受けにするほど美しく、奈良県で何度も行きたい場所No. 1です。

橿原神宮

世界最古の木造建築がならぶ聖徳太子ゆかりの寺、法隆寺は、推古天皇と聖徳太子によって造られたと言われています。金堂、五重塔を中心とする西院伽藍(さいいんがらん)と、夢殿を中心とした東院伽藍(とういんがらん)に分けられ、西院伽藍の建物群は、飛鳥時代の姿を今に伝える世界最古の木造建築として知られています。

法隆寺

奈良県の国宝・重要文化財は約190件。1993年12月、日本で初めて世界文化遺産に登録されました。中学校の時に習った玉虫で作られた国宝・玉虫厨子(たまむしのずし)を観た時は不思議な感覚にとらわれました。僕は国宝・夢殿(ゆめどの)のネーミングが大好きで、しっかり夢を託してきました。

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は正岡子規の名句ですね。秋の法隆寺で柿を食べる機会には恵まれましたが、残念ながら鐘はなりませんでした。

この他に思い出深い奈良県は、室生寺、天理市の整然とした街並み等が挙げられますが、この先は上原さん、よろしくお願いします。

まず、みなさんは奈良の名物と聞いて何を思い浮べるでしょうか?
奈良にうまいもんなし」という言葉があります。

これは志賀直哉が随筆『奈良』の中で記した一文です。本来は「特筆できる名物がない」という意味を込めて書かれた文章なのですが、現在では「奈良には不味いものしかない」と、奈良県をネガティブに捉えたイメージとして定着してしまっています。

本当はこんなに美味しいもので溢れているのに、他都道府県の方々に勘違いされたままなのは悲しい…。ということで今回は、そんな奈良県の食の魅力を伝えたいと思います。

渋いイメージのある奈良県ですが、実はさまざまな甘いお菓子の発祥地とされています。

例えば、かき氷
奈良県は氷の神様を祀る氷室神社(ひむろじんじゃ)があり、製氷業者が業績成就のため参拝に訪れる、いわば「かき氷の聖地」。かつて氷は身分の高い者だけが食べられる贅沢品で、奈良でつくられた氷が天皇に献上されていて、平安時代には甘いシロップをかけて食べる方法がすでに確立されていたようです。

かき氷ブームの火付け役となった「ほうせき箱」は奈良のお店で、ブームの影響もあってか奈良市街はかき氷専門店がひしめく激戦区となっています。夏場になるとかき氷を売るお店が急増し、行列のできるかき氷屋さんも少なくありません。昔ながらのかき氷も、ふわっと溶ける次世代のかき氷も楽しめるので、街を探索するだけでかき氷の全てを堪能できる…かもしれません。

余談ですが、氷室神社には氷室京介さんのファンがよく参拝に訪れるそうです。

わらび餅も奈良県が発祥とされています。
奈良はわらび粉の名産地で、県内にはわらび餅を取り扱うお店がたくさん存在します。その歴史は深く、若草山の山焼きが始まった頃まで遡ります。

焼け野原になった若草山にワラビが生え、そのワラビを鹿が嫌ったことからどんどんと群生して大量に収穫されるようになったそうです。1709年に書かれた書物にも「わらび餅を扱う茶屋が数多くある」という記述があり、大昔から奈良の名物であったことが伺えます。

わらび餅はプルプルとした口触りやほのかな甘み、とろっとした食感が特徴的で、きな粉をかけて食します。我が家では手土産としてわらび餅を選ぶことが多かったので、おやつやデザートにわらび餅が登場すると毎度大喜びしていました。私がわらび餅を大好きになったのも、もしかすると奈良に生まれたからかもしれませんね。

私のおすすめは千寿庵吉宗の生わらび餅です。本当に美味しいので、ぜひご賞味ください。

今回紹介した食べ物の他にも、饅頭甘柿なども奈良が発祥だとされています。また、イチゴのアスカルビーや古都華も奈良県で生まれた品種です。

奈良には美味しいものがたくさん溢れています。今回を通じて、みなさんの中にある奈良県のイメージがより良いものになっていれば幸いです。

神社仏閣を目的として観光するのもいいですが、たまには食べ物目当てで奈良に訪れるのもアリなのではないでしょうか。

大阪芸術大学の学生が描いた「奈良県」を見ていきましょう。

(大阪芸術大学 キャラクター造形学科 松本愛空美さん)

【製作意図】
奈良県の大仏とその他の魅力を描きました。大仏だけじゃない、隠れた奈良の魅力に目を向けてほしいと思いながら描きました。

【吉良式視点】
「君は本当の奈良を知っているか」「隠しきれぬ奈良の魅力」このコピーは強いですね。面白い構図ですが完成図なのかまだ途中なのかはっきりしてないですね。やはり色は欲しいですね。

(大阪芸術大学 デザイン学科 木下涼太さん)

【製作意図】
奈良県の鹿と聖徳太子を描きました。奈良と言えば鹿公園(奈良公園)と聖徳太子というイメージが強かったです。そこで、聖徳太子が鹿に乗っているコラボ絵にしてみました。

【吉良式視点】
聖徳太子と鹿、鹿は神の使いとされとても神聖な動物とされているそうです。その世界をモチーフにした、楽しいマンガデザインですね。せっかくの奈良県なので状況を表す背景は欲しいですね。

次回は「和歌山県」を紹介します。お楽しみに!

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