マンガデザインで日本を描く(21/47)・島根県
どうもどうも、吉良です。
WBCが始まりましたね。
初戦は大谷翔平選手の投打の活躍で結果的に中国に完勝しましたね。そして本日3月10日はWBCでの対戦成績が4勝4敗の宿命のライバル、韓国戦です。先発のダルビッシュ有投手がしっかり投げ、大谷翔平選手らがしっかり打って勝ってほしいですね。
ライバルという関係性はお互いを高め合う上でも良い関係ですね。サッカーでも韓国代表は最大のライバルです。スポーツ・文化問わずライバルを設定して目標を一段上に置き努力する。これは大切なプロセスで、マンガデザイナーズラボでも競争し過ぎない範囲でそのプロセスを取り入れています。
マンガデザインで日本を描く特集、今回は「島根県」について取り上げていきます。これまで「沖縄県①」「沖縄県②」「新潟県」「石川県」「富山県」「京都府①」「青森県」「福井県」「秋田県」「福島県」「長崎県」「広島県」「愛媛県」「徳島県」「香川県」「熊本県」「大分県」「鳥取県」「山梨県」「山口県」「埼玉県」についてお話ししていますのでこちらも是非お楽しみください。
島根県は、行ったことのない県のひとつですが、毎年必ずTVを通じて楽しみにしているスポーツがあります。出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)です。
出雲駅伝は10月の第2月曜日のスポーツの日に実施され、1月2日・3日開催の箱根駅伝と、11月第1日曜日開催の全日本大学駅伝と共に大学三大駅伝のひとつとされています。ライバル校がしのぎを削るなか、昨年は三大駅伝三冠の駒沢大学が新記録で優勝しました。そのスタート、ゴール地点が出雲大社ですね。
僕の島根県に関する体験談はありませんが、「知らないことを教えてもらうと、それは自分にとって新しいことになる」という大学の講義でも大切にしている考え方に則り、鳥取県の時は教え子のライターさんに書いていただきました。それが好評だったので、今回は島根県出身で、僕の地元横浜のお店で働く料理人、自称「島根県の生き字引」佐藤通洋氏にお願いしました。
どげなかね、島根県。
皆さん、島根県といえば出雲大社や石見銀山を思い浮かべるでしょうか?
島根県は隠岐の島や安来節で有名な「安来市」から萩・津和野の「津和野町」まで約230km以上の距離がある東西に長い県です。様々な神話があり、特に奥出雲から流れる斐伊川には多くの神話があります。
グルメ情報としては、出雲では小分けしたそばを3段重にして薬味も重ね食す「割子そば」、島根半島のハタハタやカレイの干物、十六島(ウップルイ)の最高級岩海苔などが名物です。
他の地域では浜田のどんちっちアジ、大田市のアナゴ、奥出雲の仁多米、そして「宍道湖七珍(スズキ、もろげえび、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミ)」が特産品です。宍道湖七珍は〖すもうあしこし〗で覚えるとわかりやすいと思います。
観光情報としては、まず「足立美術館」。約50年前の昭和45年開館で、横山大観などの絵画や日本庭園の素晴らしさが有名です。
「松江城(千鳥城)」は1600年に堀尾忠氏によって築城されました。江戸時代までに建てられたもので、現在まで残っている12基の現存天守の中から「国宝5城(犬山、松本、彦根、姫路)」に指定されています。
佐藤通洋さん、ありがとうございました。
島根県の特徴も見ていきましょう。
島根県は県庁所在地が松江市、県土面積は6708平方キロメートルで、全国第19位の広さです。出雲大社や世界遺産の石見銀山などが有名です。
人口約68万人(日本で46位)、日本庭園ランキングで日本一の「足立美術館」、日本一高い灯台の「出雲日御碕灯台」、日本一大きな混浴露天風呂のある「玉造温泉・長楽園」など日本一をもつスポットが多くあります。
県の地方新聞は山陰中央新報、島根日日新聞。テレビ局は日本海テレビ、山陰放送、山陰中央テレビです。
有名な観光地・特産品は松江城、出雲大社、石見銀山、足立美術館、森鴎外記念館、しまね海洋館アクアス、宍道湖、玉造温泉、20世紀梨、出雲そば、しじみ、あご野焼、若草、赤てん、しまね和牛等です。
大阪芸術大学の学生が描いた「島根県」を見ていきましょう。
【製作意図】
島根県の「でやんな祭(であんな祭)」を描きました。祭自体の内容と「でやんなよう」というワードが印象的だったのでそれをメインにしました。見られていない祭のため、確定的な情報がほとんどありませんでした。見てはいけない一行を想像して、それをメインにして描こうかなとも思ったのですが、少し怖かったので外を怖がる子を描きました。
【吉良式視点】
このデザインに書かれている文章を読んだとき、映画「君の名は」の「口噛み酒」を思い出しました。「口噛み酒」も神事で古代の日本では、穀物や木の実などを口に入れて噛み、それを吐き出して溜めたものを放置して酒を造っていたそうです。「でやんな祭」もまさに神事で、神社とお酒の関係がよくわかります。目のつけどころがいいですね。
【製作意図】
島根にゆかりのある、日本を愛し、随筆集『知られぬ日本の面影』や小説集『怪談』などの数多くの著書を著し、日本を世界に紹介した雪女や耳なし芳一などの作者である小泉八雲の記念館を描きました。
【吉良式視点】
このデザインには伝達力があります。日本を愛し帰化したギリシャ人の小泉八雲ことラフカディオ・カーン。とくに怪談は有名です。全体のトーンや目をつぶった人物には怖さを感じます。上手いですね。
【製作意図】
出雲日御碕灯台の高さ(43m)がウルトラマンの高さ(40m)と近かったのでウルトラマンカラーにしてみました。背景はウルトラマンOPっぽい雰囲気にしました。
【吉良式視点】
まったく知らず、読み方も分からなかったので調べてみました。まず読み方は「いずもひのみさきとうだい」で世界百選の日本一高い登れる灯台です。日本海の荒波が見える場所に聳え立っているそうです。その高さがゆえに確かにウルトラマンを想起させますね。とても面白い発想から生まれたマンガデザインです。
次回は「茨城県」を紹介します。お楽しみに!