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妄想のカケラたち

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書く習慣アプリのお題 シロクマ文芸部のお題 ....などから妄想したもの
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#毎日note

妄想のカケラ【この世界に一つだけの】

妄想のカケラ【この世界に一つだけの】

#70 この世界に一つだけの

「賭けに勝ったお前には約束通り
この部屋の中から一つだけ、
選んで持ち去るのを許可しよう」

大魔王は威厳のある
でも少し口惜しそうな表情で言った。

「光栄に存じます。」
私はうやうやしく頭を垂れてしたたかに礼をした。

賭けには勝てたものの
ここで大魔王のプライドを傷つけるのは命取りだ。

大魔王の宝部屋

ここには古今東西
人間の世界・魔界も含めた
世界のあら

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妄想のカケラ 【半分ずつの法則】(シロクマ文芸部)

妄想のカケラ 【半分ずつの法則】(シロクマ文芸部)

(#シロクマ文芸部
「赤青鉛筆で日記を書く。」から始まる小説)

【半分ずつの法則】

私は赤青鉛筆で日記を書いている。

日記と言ってもその日の出来事を箇条書きにしたためたもので
残念だったり失敗だった事は赤色
良かった事・心が温かくなった事は青色
これが私の日記のマイルール

・今朝は寝坊した 赤
・でも電車の遅延で遅刻にならなかったラッキー 青
・急な作業が増えて昼休みを削った 赤
・いいお

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妄想のカケラ【つまらない大人】

妄想のカケラ【つまらない大人】

#67 つまらない大人

何気ないふり
上手くなったら
つまらない大人に
なってしまった。

お題「何気ないふり」

書く習慣アプリのお題「何気ないふり 」から #詩

妄想のカケラ【猫と私と優しい雨】

#65  猫と私と優しい雨

ある春の優しい雨の降る休日に子猫を拾った。

さほど猫好きというわけではなかったが
雨の中、ぽつりと道端にいる白い子猫
見つめられると放っておけず家に連れて帰ってしまった。

その頃の私はまだ社会人となって間もない頃で
慣れない会社から帰ると
猫が出迎えてくれるのはとても心が休まった。

それから18年
猫と私の同居生活は続いていた。
猫のことを特に溺愛しているつもりは

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妄想のカケラ【味わいのあるマイ・ハート】

妄想のカケラ【味わいのあるマイ・ハート】

#64 味わいのあるマイ・ハート

それは__
ガラスでできている

生まれた頃は
うすはりグラスのように繊細だったのに、
今はずいぶん分厚くなり、
透明感も少なくなってしまった。

そして、
ところどころひび割れて
そのひび割れを継いだ跡や
防弾ガラスのように
弾丸を受け止めたような傷跡
よく見たら少し欠けているところもあり...

だけど、
とても年季の入ったもののようで、
こういうひび割れや

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妄想のカケラ【考察・半世紀分の「好きじゃないのに」】

妄想のカケラ【考察・半世紀分の「好きじゃないのに」】

#63 考察・半世紀分の「好きじゃないのに」

半世紀生きてきて
「好きじゃないのに」はいくら時間をかけても
「好き」に昇格することはなかったです。
(嫌いな食べ物を一応食べられるようになったけれど好きな食べ物にはなっていないし...?)

ただ、現実は
好きじゃないのに、

続けている付き合い
食べているもの
習慣にしようと努力していることなどなど

「好きじゃないのに」していることは
まぁまぁ

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妄想のカケラ【雨男の朝】

妄想のカケラ【雨男の朝】

#62 雨男の朝

今日の天気は晴れ
ところにより雨が降るでしょう

お天気お姉さんがにこやかに伝える

ところによる...か、
雨男の僕は今日も傘を持って
でも、レインコートはいらないかな...

雨男は毎日荷物が多い。

書く習慣アプリのお題「ところにより雨」から #ショートストーリー

妄想のカケラ【馬鹿を見たことについての内省】

妄想のカケラ【馬鹿を見たことについての内省】

#60 馬鹿を見たことについての内省

ずっとこんなにも一生懸命だったのに
浮気されたあげく
あっさりと別れを切り出された

このやろー!!
と泣きじゃくりながら蹴りを入れたい気持ちを抑え、
気持ちが離れたのであれば
どのみち仕方のないことだと自分に言い聞かせる

何というか
「性分」と言えばそれまでだ。

ジタバタと足掻くのはみっともない...と
どこで仕込まれたのかわからない常識が
こんな時は

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妄想のカケラ【ずっと隣で】

妄想のカケラ【ずっと隣で】

#57 ずっと隣で

ずっと隣で
君と同じ景色を眺めていたい
ずっと隣で
この世界が化石になるまで
ずっと、ずっと__

書く習慣アプリのお題「ずっと隣で」から #詩

妄想のカケラ【100年の平穏のカラクリ】

妄想のカケラ【100年の平穏のカラクリ】

#56 100年の平穏のカラクリ

私は生まれてからずっと平穏な日常を過ごしている。

私自身も周囲の人々も
これまでの生活や人生に波風が立つことはなかったし
この街もこの国も、いや世界全体も
奪い合いや争い事はなく
目立った災害もなく平穏そのもの

「この平穏が始まってそろそろ100年になる」
どこかの歴史学者が言っていた。

ただ、声には出せないけれど
平穏すぎて私は退屈している。

ある晩、

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短歌 あの春がきた

短歌 あの春がきた

春が来た
日々の暮らしは 儚いと 教えてくれた
「あの」春がきた

東日本大震災12年目に寄せて

妄想のカケラ 【おばあちゃんのファンタジー】

妄想のカケラ 【おばあちゃんのファンタジー】

#54 おばあちゃんのファンタジー

施設に暮らすおばあちゃんに会いに行った。

施設といってもとても豪華なホテルのような雰囲気の所で、一緒に暮らしているお年寄りたちもとてもおしゃれで品が良く、みんなそれぞれ趣味を楽しんで生活している。

おばあちゃんは、数年前までは自宅で暮らしていたけれど、だんだん日常のことを忘れてしまうようになりここでお世話になることになった。

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施設に入って

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妄想のカケラ 【お金よりも大事なもの】

妄想のカケラ 【お金よりも大事なもの】

#53 お金よりも大事なもの

お金は大事なもののひとつではあるけれど
ある意味、日用品で
しかも、消耗品だ

お金より大事なものはひとそれぞれ
またはその時々の事情で変わる

何かよりも…と比較する所とは別の場所にあるもの。

書く習慣アプリのお題「お金より大事なもも」から #エッセイ