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週刊:浮草日記

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発見であったりそれについて考えたことであったりをまとめています.毎週日曜日更新です.
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#日記

週刊:浮草日記スタートによせて

週刊:浮草日記スタートによせて

一旦ここで,この書き物を始めた理由について書いていこうと思う.

端的に言うと,これは僕なりの闘いなのである.

まず僕が何者かというと,少しだけ頭の中が賑やかないわゆる理系の会社員である.

きっかけは,

「理系に求められるのは専門知識だが,文系に求められるのはコミュニケーション能力だ」

という内容の,とある先輩の一言だった.

なぜだかは知らないが,この国では”文系”,”理系”に対して大雑

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サイレンのない8月6日

ずっと住んでいた広島から東京に出てきて5か月ほど経ち、初めての毎日にも慣れ始めた。

それまで広島から出たことがなかった僕は、生まれて初めて午前8時15分にサイレンが鳴らない8月6日を迎えることになった。

空は突き抜けるように晴れ、話に伝え聞くあの日と同じ様子で、
今日の街を浮かび上がらせている。

地元のテレビ局では「はだしのゲン」と「この世界の片隅に」が放送されていることを知り、録画しようと

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ものを作る時に考えること:準備編

ものを作る時に考えること:準備編

社会人としての活動を休止してから早2ヶ月。

専門学生という身分になり、CGモデリングツールと絵を描く修行をしているうちにスルッと終わってしまった。

相変わらずコロナウィルスは猛威を奮っているが、時間は待ってはくれない。

これ幸いと、今は道具を使いこなすために色々なツールと戯れながら、文化や科学技術の文献を読み漁っているところだ。

今回は、この2ヶ月で改めて感じた、
ものづくりに対してはこう

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大きな友人は、いつもここにいる ~人喰いの大鷲トリコ~

大きな友人は、いつもここにいる ~人喰いの大鷲トリコ~

僕は好きなものを書く時、どうしても段落に分けることができない。
とても長い文章になってしまうが、時間のある方はお付き合いいただきたい。

僕はFPSのようなスポーツ的な要素の濃いゲームではなく、ストーリーが精密に練られ、まるで映画のような世界を"体験"できる作品が好きだ。

小島秀夫監督が作るハードでソリッドな世界も大好きだが、"関係性"を描いた柔らかくて優しいゲームクリエイターで、僕が大好きな人

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ととのう という概念

ととのう という概念

銭湯・サウナ好きの僕にとって、エモいに次いで人に説明するときになかなか困る言葉がある。

それが"ととのう"である。

1.ととのう とは?"ととのう"という単語を辞書で引いてみると、次のように記してある。

1 秩序のある状態になる。調和がとれる。均整がとれる。
2 不足なく揃う。完備する。備わる。
3 具合の良い状態にある。望むように仕上がる。
(小学館 精選版 日本国語辞典より抜粋)

言葉

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TENET:順行時間と逆行時間①

TENET:順行時間と逆行時間①

ものすごい映画を観てしまった・・・。

今回のタイトルにも挙げている、「インターステラー」「インセプション」「ダンケルク」を撮った監督、クリストファー・ノーランの最新作
「TENET」である。

この映画のテーマは『時間』。

我々が普段過ごす時間を「順行」とすると、その流れを逆に進む「逆行」ができるようになる「アルゴリズム」が未来からやってくる。

それを使いとんでもないことをしでかそうとする悪

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お久しぶりです、Madsburgです。

お久しぶりです、Madsburgです。

毎週日曜日に更新すると誓ったこの”週刊:浮草日記”、
恥ずかしながら約2ヶ月ぶりの投稿となってしまった。

この2ヶ月間にあった出来事を、簡単にまとめさせていただこうと思う。

1.崩していた体調が戻り、職場に復帰7月末から崩していた体調が回復して、現業に復帰した。

9月頭から復職準備の一環として自主的に筋トレを始めた。
腕を曲げると、できたての力こぶが出てきてちょっと楽しい。

目標は腹筋を板

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ブレーメンの調べに寄せて

ブレーメンの調べに寄せて

※この記事は5/20にはてなブログに投稿した内容を,note用に加筆したものです.

緊急事態宣言が発令されてから,

数々のライブやイベントが延期・中止になった.

そして宣言が解除された現在でもその状況は続いている.(6/24現在)

 

そんな中で,アーティストが過去のライブ映像やMVをYouTubeに公開する

動きが,国内外問わずに広がっている.

 

そして,自分が敬愛するバンドの

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静けさの音を聴く

静けさの音を聴く

古いレコードの音源などにある,”サーッ”というような音がとても好きだ.

悪く言えば”ノイズ”な訳だが,演奏しているミュージシャンと音を通じて同じ空間にいるような,雰囲気の近さを感じるのだ.

僕はこれを”静けさの音”と呼ぶことにした.

そして,音響工学には”暗騒音”と呼ばれる,”静けさの音量”を示す考え方がある.

果たして,音源から聞こえてくるのはこの音なのだろうか?

はたまた違う原理で起

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世界は巨大な味噌汁の中に

世界は巨大な味噌汁の中に

小さい頃から窓ガラスを流れる雨粒だとか,

お好み焼きにふりかけた鰹節の踊る様だとかを見るのがとても好きだった.

 

中でもとりわけ大好きだったのが、熱い味噌汁の中で味噌の動く様子を眺めることだ.

 

水面に向かって浮き上がった味噌が、広がりながらまた沈んでいく様子は,

なんだか生き物のように感じられてとても面白かったし,

なんなら今でも見入ってしまう現象である.

 

そしてこれと

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にんじんの皮むきに見た人類の闘い

にんじんの皮むきに見た人類の闘い

人も生き物である以上、何か食わねば生きて行けない。

 

そして人類が誕生してから長い歴史の中で“料理”という概念が生まれ、

我々は“食べる”という行為に楽しさを見出せるようになった。

 

まさに、見た目、香り、味覚という要素で一度に3回楽しむことができる偉大な発明である。

すごいぞ人類。

 

しかし、料理には自分のような料理原人が最初にハマる落とし穴がある。

それこそが、皮むきや

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