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#43 - 下北沢という街――Strip Jointを通じて
はじめましての方も多いやもしれないので自己紹介をば。Kei Hiraoと申します。山口は宇部から上京してこの4月から6年目になります。大学生活をきっかけにStrip Jointのメンバーと知り合い、古着屋をやったりしながら生きてきました。長々と学生生活を送ったぶんだけ、様々な思い出はときに形を変えながらも残っていくものです。それが本稿を執筆する縁をもたらしてくれることもあれば、古傷から刺すような
もっとみる「NIGO展」からKENZOへ―「KENZO FALL-WINTER 2023 RUNWAY SHOW」が示す「他者化」のまなざしの交差点(上)
バナー写真はRichard Prince「無題(カウボーイ)」からの引用。
はじめに―これは「NIGO展」であったか? 昨年の9月14日から11月13日にかけて、文化学園服装博物館にて開催された未来は過去にある”THE FUTURE IS IN THE PAST” NIGO's VINTAGE ARCHIVE展において、NIGOは自らの輝かしい経歴を彩ってきた様々なブランドの「アーカイブ」を展示
「古着をまとっている娘たち」が意味するもの ー 「オート・クチュールとオート・キュルチュール」論考
はじめにここでブルデューは何を言おうとしているのだろうか。引用元、「オート・クチュールとオート・キュルチュール」においてブルデューは、「オート・クチュールの生産の場の構造」を描くことによって、「知的生産の社会学つまり知識人の社会学、同時にフェティシスムや呪術の分析に貢献」し、「社会学の機能はどこにあるのか」という問いに答えようとする。本稿では、「オート・クチュールとオート・キュルチュール」の読解と
もっとみる読書録を書く決断をするに際して
はじめに他人に物を貸すことはあるだろうか。かつてはTSUTAYAをはじめとしたレンタルショップも隆盛をはかり、個人間でCDやDVD、ゲームを貸し借りすることは日常的であった。
サブスクリプション・サービスの発展に伴い、物を貸し借りすることは減っていきつつあるということに諾と言えない人はそれほど多くないだろう。それは実感として多くの人に共有されていることであると言える。その中で共有されている事柄に恣