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少年時代と夏の終わり。無職の車窓から。

少年時代と夏の終わり。無職の車窓から。

少年時代と夏の儚さはどこか似ていて、気がつけば既に過ぎ去っている。
二度とは戻れないあの時を、なぜだかとても恋しく思う。

ある家族との出会いを、昨日のことのように思い出す。

「ここらへんでカブトムシは採れますか?」

長袖長ズボン、頭にはヘッドライト。アニメキャラが描かれた虫かごを持ち、キラッキラの目をした坊やが私に尋ねる。

「あぁ、そこの森にはわんさかいるよ。クワガタもたまに見るかな」

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お母さんのごはんを褒め称える理由。

ちょっと、これ、頭おかしくなるほどおいしいんだけど!

才能が溢れ出てる!こりゃお店開けるね。

私は大袈裟に母の料理を褒める。
すると母は
「またそういうこと言って。いい歳なんだから自分で作らなきゃだめよ」
と少し笑ってあきれ顔で返事をする。

お母さん、本当は、肉じゃがもサバの味噌煮もミートソースも炊き込みご飯も、全部自分で作れるんだけど、でも私はお母さんの料理を食べて大袈裟に褒めたいの。

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多様な大人に囲まれて。

数時間前、私は荒ぶっていた。
コンビニの駐車場で納豆巻きを食べながら

「いい歳して何も出来ることがない、どうして生まれてきたのだろう」

と、泣きわめいていた。
情けない。

しかし、今は、もうとりあえず生きるしかないでしょ!と思うメンタルの強さを発揮している。

多様な大人に囲まれて
友人こそ少ないが、私は実に多種多様な大人に囲まれて育った。
幼稚園の頃から登園拒否、特技もお金もなく、ついでに

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ごきげんに生きる。

何の特技もなく、お金もなく、今現在職もない私は意外にもごきげんに生きている。
他人からしたら堂々と道を歩くだけでも恥ずかしい立場なのかもしれないが、ごきげんに生きている。

人間なにかしらあるよ!
と、人は言う。
しかし、ないものはないのだ。

何もないくせに察しだけはよかったので、物心つくころには己の程度を知っていた。
人生を振り返ってみても、褒められたい!とか目立ちたい!などと思ったことはほぼ

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普通じゃない普通。

習慣というと、ジムであったり、勉強であったり、自分のために努力していることが真っ先に思い付く。

わたしの習慣‥‥
わたしの習慣‥‥
わたしの習慣‥‥

しばらく考えてみたが、やはり思い付いたのは二十年続けているウォーキングであった。
しかし、これでは面白くないと思い、もう少しだけ考えてみると一つだけあった。

あなたの普通はなに?私が人と付き合う時に常に意識していることだ。
「あなたの普通はなに

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