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アナログからデジタルへ 業務用ハイビジョン 過渡期って面白い その4.0 ~当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 過渡期って、多様性の極み。とても興味深い時間です。

 ソニーさんの業務用ハイビジョンの例を楽しんでみたいと思います。

【オープンリールからカセットへ】
 U-matic (Uマチック)

 初期の業務用ピデオは、磁気テープを用いたオープンリール方式でした。これを扱い易くすることで普及を目指し開発されたUマチック(ユーマチック、U-matic)は、1969年に試作機が発表ざれて以降カセットにテープを入れることでオープンリールの取り扱いの煩雑さからユーザーを開放し、徐々に普及が進みました。

 そもそもU-maticとは、U規格ビデオテープレコーダのソニーが保有する商標です。テープ幅19mm(3/4インチ)のカセット・テープを使用することが特徴。Uの名前の由来はそのローディングがU字なのでることからつけられました。 

 当時小学生だった私は、渋谷のソニーショップに展示してある実機をその美しいデザインを含めて羨望の眼差しで眺めていました。白黒からカラー放送になっただけでも衝撃的だったので、家庭でピデオが楽しめるなんて夢の様でした。そもそもその様な身の回りの過渡期とも言える変化の中で私は育ったのでした。

過渡期って面白い。

【業務用での普及】
 1970年にはU規格がソニー・松下電器産業・日本ビクターの3社で規格化されました。特に業務用の「BV(Broadcasting Video)シリーズ」が報道現場に採用·普及し映像記録媒体がフィルムからビデオテープレコーダ(VTR)へと主流が移りました。
 1980年代前半になると価格もこなれてきて学校教育機関での採用へと普及が進みました。 

【フィルムから磁気テープへ】
 このようにU-maticは当初民生用そして一般業務用のVTRでした。比較的小型軽量で取り扱いが容易であったことと、当時タイムベースコレクタ(TBC)が開発されヘリカルVTRの放送が利用可能になったことで放送用利用できる道が開けました。
 そしてなんとあのアメリカの3大ネットワーク局の1つであるCBSが日本の新興メーカーであったソニーに携帯型VTRを開発依頼し、ニュース電子取材システム(ENG)の主力VTRにU-maticを採用しました。これにより1970年代中頃から世界的にニュース取材用として普及しテレビ放送の記録媒体の主流がフィルムから磁気テープへという大変革が起きたのです。

 その辺りの詳細については以下をご覧になって下さい。

 アナログからデジタルへと移行する前にもアナログ内で大きな変化が有ったのでした。

 長くなるので以降は続編で。

蛇足
 親と一緒に銀座のソニービルに行くと放送用機器のカタログを内緒で貰うことができました。買い揃えたデザインが他社とは一線を画す美しさの民生用の高級オーディオの実機と当時のカタログと一緒に今でも大切に保管して楽しんでいます。

超蛇足
 その頃は買えなかった放送用機器をこの歳になってコレクションしています。業務用機器のデザインの美しさ、機能美も感動的です。結構今でも完全に動作し当時の放送局用のトリニトロンブラウン管のモニターや最新のハイビジョンのモニターでも楽しんでいます。

 アナログ時代の放送用機器の画質の良さに驚いています。

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