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2019年9月の記事一覧
『82年生まれ、キム・ジヨン』 チョ・ナムジュ
静かで、ひしひしと恐ろしさを感じさせる始まり。書店で平積みになっているベストセラー。図書館にこの本を予約したのはいつだったか。二つくらい季節を経てようやく私の番がやってきた。待つのは長かったが、80年生まれの私は2日分の通勤であっという間に読み終えてしまった。
『82年生まれ、キム・ジヨン』はタイトルが示す通り、1982年生まれのキム・ジヨン氏のお話。(韓国における82年生まれに最も多い名前)そ
『プリニウス』 1-8巻 ヤマザキマリ、とり・みき
私は人の名前が覚えられない。直接会った日本人の名前も難しいのに、昔の人や外国人は難易度が高すぎる。でも、歴史には面白い話がありそうだし、人生の役にたったりするらしいので読みたい。そこでマンガなら頭に入るかもしれないと、『プリニウス』を読んでみた。
プリニウスは西暦23年-79年に生きた古代ローマの博物学者で政治家、軍人。ローマ帝国の属州総督をしながら各地を巡り、百科全書『博物誌』を記した。古代ロ
『女に生まれてモヤってる!』 中野信子、ジェーン・スー
女に生まれたから」というより、私は「空気を読まなければならない日本に生まれたから」「細かいことを気にする私に生まれたから」モヤってるという気持ちが強い。中高女子校で、女しかいない世界でも別に楽しかったわけではないし。でも私の好きなジェーン・スーさんの本だし、と読んでみたこの本。これは先達によるラブレターのような本だった。
コラムニストのジェーン・スーさんと脳学者の中野信子さんによる対談。ジェーン
『サードドア: 精神的資産のふやし方』 アレックス・バナヤン
スティーヴン・スピルバーグ、ビル・ゲイツ、レディ・ガガ…彼らはどうやってビッグになったんだろう?そのきっかけを聞きたい。でもそんな本はない。「いっそ自分で書く?」と18才の彼は思いつく。親はイランからの移民で、息子を念願の医師にしようと大学に送り込まれたが、全く試験勉強をする気が起きない。そんなコネもお金もない彼は有名人たちのインタビューを実現していく。その後アレックスは19歳でシリコンバレーの投
もっとみる『ミステリと言う勿れ』5巻 田村由美
さすが…さすがすぎる田村由美先生…。人に勧めると「面白い(マジ顔で)」という感想が返ってくるマンガ。名作『BASARA』は27巻、『7SEEDS』は35巻まで行っているけれど、まだ5巻なので全然追いつけます。
友達のいない大学生、久能整(くのうととのう)が細かいことに気づいたり、会話をしながら謎を解いていくミステリ。冤罪で警察に拘留されても、刑事たちの心を一人ずつ掴んでいき、疑惑を晴らす。情熱的
『自分の時間を取り戻そう』 ちきりん
時間さえあれば、例えば人が不死であれば大抵のものは叶うんじゃないか、人生で最も大切なものは時間である、と書いている人がいて、私もそうだと思うようになった。この限られた「時間」を自分の思い通りに使えていない人が多いのではないか、そうであればどうしたら自分の時間を取り戻せるのかというお話。
管理職になったもののマネジメントに時間を取られるようになった正樹、家庭と仕事の両立に悩むケイコ、就職難のタイミ
『すべての罪悪感は無用です』 斎藤学
なんかもう、このタイトルだけでいいじゃない。―すべての罪悪感は無用です―「早く言ってよう!」と思う私は、異様に罪悪感を感じてきた人間である。私がヤバかったときの話をしよう。ゴミ出しに行って、途中にゴミが落ちていたら拾わないと罪悪感を感じていたのだ。「ちょっと拾って、手にもっているゴミ袋にいれて一緒に出せば、家の前がキレイになるじゃない。そんなこともできないの?」と。でも今思う。「なんで私がやらなき
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