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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co…
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2019年9月の記事一覧

『大奥 17巻』 よしながふみ

『大奥 17巻』 よしながふみ

キツく見えるけどいい人、あんまり良くない人、頑張った人・・・と色々な将軍や周りの人がいたと思う。記憶力が乏しいので話を隅々まで思い出すことができないが、大奥の過去巻は実家などに散逸しているため、読み返せない。でも17巻だけ読んだとしても、よしながふみさんのはすごさはわかるんじゃないか。

赤面疱瘡で男子が激減し、女が徳川将軍を担う世界。もちろん大奥に集うのは男たち。でも話のメインになっているのは大

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『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』 ゆうこす

『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』 ゆうこす

私は手仕事が好きで、糸巻きボタンのワークショップを開催したり、「ベトナムの少数民族に刺繍を習いにいく方法」や「金継ぎ方法の違い解説」といったマニアックな情報をブログに書いている。手芸好きはさておき、ベトナムで少数民族に刺繍を習いたい人や金継ぎをしたい人は身の回りにさほどいないけれど、インターネットを通じて広がる世界にはきっと居る、そしてこの情報は役立てられると思っている。どうやったらその人たちに私

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『宝石の国』3-5巻 市川春子

『宝石の国』3-5巻 市川春子

絵の美しさと世界観に感服した1,2巻。みてこの表紙。宝石を人として描くとこんな風になるのね。光と透明感なんて描けなくないかい?5巻の表紙なんて蝶が舞って透けているのですよ…美しい。帯の幅やフォントも洗練されていてなんて綺麗なんでしょう。さらに謎と深みが増す3-5巻。

宝石の子供たち(長生きだけど見た目は中性的な子供)を指導するのは「先生」というイケメンのお坊さん。彼らの世界に仏教というか宗教が存

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『82年生まれ、キム・ジヨン』 チョ・ナムジュ

『82年生まれ、キム・ジヨン』 チョ・ナムジュ

静かで、ひしひしと恐ろしさを感じさせる始まり。書店で平積みになっているベストセラー。図書館にこの本を予約したのはいつだったか。二つくらい季節を経てようやく私の番がやってきた。待つのは長かったが、80年生まれの私は2日分の通勤であっという間に読み終えてしまった。

『82年生まれ、キム・ジヨン』はタイトルが示す通り、1982年生まれのキム・ジヨン氏のお話。(韓国における82年生まれに最も多い名前)そ

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『プリニウス』 1-8巻 ヤマザキマリ、とり・みき

『プリニウス』 1-8巻 ヤマザキマリ、とり・みき

私は人の名前が覚えられない。直接会った日本人の名前も難しいのに、昔の人や外国人は難易度が高すぎる。でも、歴史には面白い話がありそうだし、人生の役にたったりするらしいので読みたい。そこでマンガなら頭に入るかもしれないと、『プリニウス』を読んでみた。

プリニウスは西暦23年-79年に生きた古代ローマの博物学者で政治家、軍人。ローマ帝国の属州総督をしながら各地を巡り、百科全書『博物誌』を記した。古代ロ

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『西荻夫婦』 やまだないと

『西荻夫婦』 やまだないと

ああああああ『西荻夫婦』だー!約20年前読んでた!東京に住んでいたけれど当時西荻窪に行ったことのなかった私が、西荻窪の2つ先の駅のカフェで再会。今日はただの私の思い出話です。

西荻窪に住むマンガ家ナイトー先生と奥さんの生活を綴るマンガ。西荻窪に実在するお店が登場する。いつか「甘いっ子」でかき氷を食べようと思いつつ、今年も食べていない。でも喫茶店「それいゆ」でこの間オムライスは食べた。すっかりマン

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『よん&むー』 伊藤潤二

『よん&むー』 伊藤潤二

たまたま入ったカフェに諸星大二郎のマンガがたくさんあった。先日UPした『あもくん』を読み終えた後、見まわしたら伊藤潤二のこのマンガがあった。ここのオーナーさんの好みが伺える。伊藤潤二のホラーマンガを読むのは怖いけれど、猫の話なら読めるかもしれない。わー、なにこれーおもしろい!!!

奥様の石黒亜矢子さんが越してくる時に、連れてきた猫「よん」、そして一緒に飼うことになった「むー」と一緒の暮らしを描い

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『女に生まれてモヤってる!』 中野信子、ジェーン・スー

『女に生まれてモヤってる!』 中野信子、ジェーン・スー

女に生まれたから」というより、私は「空気を読まなければならない日本に生まれたから」「細かいことを気にする私に生まれたから」モヤってるという気持ちが強い。中高女子校で、女しかいない世界でも別に楽しかったわけではないし。でも私の好きなジェーン・スーさんの本だし、と読んでみたこの本。これは先達によるラブレターのような本だった。

コラムニストのジェーン・スーさんと脳学者の中野信子さんによる対談。ジェーン

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『サードドア: 精神的資産のふやし方』 アレックス・バナヤン

『サードドア: 精神的資産のふやし方』 アレックス・バナヤン

スティーヴン・スピルバーグ、ビル・ゲイツ、レディ・ガガ…彼らはどうやってビッグになったんだろう?そのきっかけを聞きたい。でもそんな本はない。「いっそ自分で書く?」と18才の彼は思いつく。親はイランからの移民で、息子を念願の医師にしようと大学に送り込まれたが、全く試験勉強をする気が起きない。そんなコネもお金もない彼は有名人たちのインタビューを実現していく。その後アレックスは19歳でシリコンバレーの投

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『あもくん』 諸星大二郎

『あもくん』 諸星大二郎

たまたま入ったカフェは、諸星大二郎のマンガが充実していた。普通のオシャレなカフェなのに。以前、諸星さんの『暗黒神話』を読んだが、重くて怖いので「私には早いんだな」とその後作品を読まずにいた。だがしかし、この充実ぶりを見だら読まずにはいられない。比較的雰囲気が軽そうな『あもくん』を手にとった。

幼い従妹に「あもくん」と呼ばれる息子、守(まもる)。主人公はこの守のお父さん。家の中に謎の手形が現れたり

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『ミステリと言う勿れ』5巻 田村由美

『ミステリと言う勿れ』5巻 田村由美

さすが…さすがすぎる田村由美先生…。人に勧めると「面白い(マジ顔で)」という感想が返ってくるマンガ。名作『BASARA』は27巻、『7SEEDS』は35巻まで行っているけれど、まだ5巻なので全然追いつけます。

友達のいない大学生、久能整(くのうととのう)が細かいことに気づいたり、会話をしながら謎を解いていくミステリ。冤罪で警察に拘留されても、刑事たちの心を一人ずつ掴んでいき、疑惑を晴らす。情熱的

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『自分の時間を取り戻そう』 ちきりん

『自分の時間を取り戻そう』 ちきりん

時間さえあれば、例えば人が不死であれば大抵のものは叶うんじゃないか、人生で最も大切なものは時間である、と書いている人がいて、私もそうだと思うようになった。この限られた「時間」を自分の思い通りに使えていない人が多いのではないか、そうであればどうしたら自分の時間を取り戻せるのかというお話。

管理職になったもののマネジメントに時間を取られるようになった正樹、家庭と仕事の両立に悩むケイコ、就職難のタイミ

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『宝石の国 』1,2 巻 市川春子

『宝石の国 』1,2 巻 市川春子

こんな世界は初めて。こんな美しい絵を、世界をマンガは表すことができるんだ。すごいなあ。としみじみ思った。

主人公はフォスフォフィライト。実在する非常にまれな薄緑の鉱物の名前である。硬度は三半ととても低く、脆い。彼の住む世界には「ダイヤ」や「ルチル」といった鉱物の名を持つ人型の生き物たちが暮らしている。そして月から「月人(つきじん)」たちが、宝石である彼らを奪いに襲撃してくる。鉱物ベースのキャラク

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『すべての罪悪感は無用です』 斎藤学

『すべての罪悪感は無用です』 斎藤学

なんかもう、このタイトルだけでいいじゃない。―すべての罪悪感は無用です―「早く言ってよう!」と思う私は、異様に罪悪感を感じてきた人間である。私がヤバかったときの話をしよう。ゴミ出しに行って、途中にゴミが落ちていたら拾わないと罪悪感を感じていたのだ。「ちょっと拾って、手にもっているゴミ袋にいれて一緒に出せば、家の前がキレイになるじゃない。そんなこともできないの?」と。でも今思う。「なんで私がやらなき

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