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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co…
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2019年2月の記事一覧

『愛情観察』相澤義和

『愛情観察』相澤義和

とにかく女の子がかわいい。相澤義和さんの写真集。わたしがつべこべ言うのではなくて、まず相澤さんのTwitterを検索して写真を見てほしい。

おっぱいやパンツも「うわ、エっロ」と思うけれど、そんなことより女の子の表情が素敵で魅力的。全力で笑いすぎてブサイクな顔立ちになっているとか、無防備で天真爛漫なところ。ふっと気の抜けた素の表情。裸でベッドにうつ伏せの姿。それがかわいい。愛おしい。わたしの中の2

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『ミステリと言う勿れ』 1-4巻 田村由美

『ミステリと言う勿れ』 1-4巻 田村由美

むしゃくしゃすることがあった。気分を変えたい。「漫画だ、漫画の世界に行こう」と本屋に行った。何かいい新刊が出ていないか。見つからない。こんな時につまらない漫画に当たりたくない。もっと悲しい気持ちになるから。ああ、田村由美なら。『BASARA』と『7SEEDS』の田村由美先生なら!と4冊大人買いをした。

主人公は男子大学生の久能整(くのう ととのう)。頭の良い彼が事件に巻き込まれ、話しながら解決し

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『仕事にしばられない生き方』ヤマザキマリ

『仕事にしばられない生き方』ヤマザキマリ

14歳でヨーロッパ一人旅に放り込まれ、17歳でイタリア留学、その後美男だがお金を稼げない詩人の子供を身ごもり、未婚の母として帰国。その後別のイタリア男性と再婚し、シリアやアメリカで暮らしたりしているヤマザキマリさん。そして『テルマエ・ロマエ』の作者。

エッセイ漫画で、彼女の半生や日本とイタリアの家族のエピソードを読んでいたけれど、これは本なのでもっと細かいことが書いてあった。お金がいつもなくて芸

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『ドラゴン姥桜』田丸公美子

『ドラゴン姥桜』田丸公美子

米原万里経由で好きになったイタリア語通訳の田丸公美子さん。彼女の『84 シモネッタの本能三昧イタリア紀行』で彼女のチャーミングさが好きになった。調べていたら、彼女の一人息子は開成に入学し、ストレートで東大入学し、表彰され、弁護士になったという。私はアラフォー未婚なので、子育てにはさほど興味がないが、シモネッタさんが好きなので読んでみることにした。

ユウタ君はガリ勉ではない。茶髪を叱れば翌日金髪に

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『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』 内藤了

『CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』 内藤了

藤堂比奈子のシリーズはおぞましい事件で幕を開ける。穏やかな猟奇犯罪は猟奇犯罪ではない。一作目(86 『ON』)の反省から、ある程度まとまった時間がある時に凄惨な序盤からある程度安心できるところまで一気に進めるという戦略で読んだ。

今回はけっこう虫が出てくる。蛆虫に詳しくないので鮮明に想像できなかった、よかった。そして1作目に登場したメガネ男子(私は20年にわたってメガネ男子好き)が再登場したので

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『あの人に会いに』 穂村弘

『あの人に会いに』 穂村弘

本や音楽、写真や絵画など、誰かが作ったもの、表現したもの、そして生き様に、心を救われることがある。その人にこの気持ちを伝えたいけれど、物理的に会えないし、うまく表現できなかったりする。私が書いているこの本や映画の感想は、書評ではなく「あなたの作品に出会えてこんなに私は嬉しいんです。こんな気持ちになった人がこの世界にいるんです」というラブレターだ。SNSにアップしたら、もしかしたら本人に届くかもしれ

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『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』 内藤了

『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』 内藤了

このシリーズが完結したという書評を Instagram@books_yasinomi さんが書いていて、なんか面白そうなので図書館で借りてみた。確か波瑠ちゃんでドラマ化されていたような。七味唐辛子?

ミステリ刑事モノは事件が凄惨であればあるほど読者の同情を買えるし、義侠心もあおられるし、解決したときの爽快感も大きい。ロジックはわかるんだけど、事件が起こってしまう序盤がやっぱりエグい。文字で描写さ

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『無銭優雅』 山田詠美

『無銭優雅』 山田詠美

新宿から15分中央線に乗ると、西荻窪、吉祥寺、三鷹。私が好きで、そして住んでいるエリアだ。この小説は三鷹在住、西荻の花屋さん慈雨ちゃんと西荻在住、吉祥寺の予備校講師 栄くんカップルのお話。

『ラビット病』でロバートとゆりちゃんがしていたように、肌を寄せ合いラブラブで脳みそとろけてIQの低い会話(栄くんは国語教師なので、時折難しい四文字熟語や引用が入る)を交わす二人は42歳。栄くんの家である古民家

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『しびれる短歌』 東直子 穂村弘

『しびれる短歌』 東直子 穂村弘

しびれる短歌?どういうこと?読めばわかる。31文字の力。

最初の章のテーマは「恋」。

したあとの朝日はだるい 自転車に撤去予告の赤紙は揺れ
(岡崎裕美子)

「わーお、刺激的」くらいしか私は思い浮かばなかったが、そこに東さんと穂村さんの解説が入る。そんなに情景を読み取るのか。うわあ、それは相当だるい。

焼肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのお父さんが好き
(俵万智)

「ひっ」として俵

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芸術新潮 2月号『正統なんてぶっ飛ばせ! 奇想の日本美術史』

芸術新潮 2月号『正統なんてぶっ飛ばせ! 奇想の日本美術史』

私は有給をとる。週末から始まる『奇想の系譜展』を平日見るために。少しでも空いている状況で見たい。じっくりどっぷりうっとり見たい。

おそらく2000年の若冲展をきっかけにBRUTUSか何かで特集されていたんだろう。大学生の私は伊藤若冲に出会った。江戸時代なのにドット絵みたいな絵、異様に書き込まれた鶏、象と鯨の屏風。何これ、かっこいい。若冲にドはまりした私は母をスポンサーにして京都へ彼の墓参りに行っ

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『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』 田丸公美子

『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』 田丸公美子

私もイタリアには行ったけど、田丸さんのイタリアはもっと深くて、温かくて人懐こくて、お茶目で、色っぽい。彼女がイタリアと相性抜群で、そんな素敵なところを引き出せる人だから。

私の好きな米原万里のエッセイに、ダジャレと下ネタが得意な「シモネッタ」として登場するイタリア語通訳の田丸公美子さん。彼女による個性豊かなイタリア各地とそこを彩るイタリア人たちについてのエッセイ。口説かれればうざいし、口説かれな

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