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わたし

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辞めた人の話

辞めた人の話

私が外資系のIT企業に勤め始めてから10年程経ち、その中でいろいろな会社で勤めたが共通することは「人の出入りが激しい」ということだ。
一部の超大企業を除いて外資系IT企業のほとんどは中途採用された社員で構成されており、入社から1年未満で辞めてしまうのはさすがに「短かったね」「すぐ辞めたね」というイメージを持たれるが、3年も居ればそれが「まぁそろそろキャリアを考える頃だよね」となる。そんな業界だ。

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美術館のススメ

美術館のススメ

美術館へ行ったことがありますか。
大きなドアをくぐってチケットを買って、音声ガイドを配ってる場所を抜けて、「ごあいさつ」を前に佇む。

美術館に行きたいけどなんだか敷居が高い、たまに行くけど「綺麗だった」以外の感想を思いつかない、そんなあなたへ。
これは西洋絵画について研究して、文化芸術への入口を広くする仕事をしてる私からの、小さな小さなプレゼントだ。
お酒でも飲みながら、久しぶりに会った友達の

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井の頭公園でボートに乗りながら「今の自分」について考える。

井の頭公園でボートに乗りながら「今の自分」について考える。

とある週末の話。
地元に帰ってしまった大学時代の友人が出張がてら東京に来ているとのことで、かなり久しぶりに何人かで集まって食事をした。
食事をしたなんて綺麗に言っているが、学生時代によくアホのように飲んでいたメンツ、いわゆる飲み会である。

皆仕事終わりで集まったのが遅かった上、ここしばらく夜遅くまで人と思う存分飲むなんてことはできなかった世の中。
それがやっといつも通りに戻り始めてきて、数年ぶり

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贈り物は突然届く

贈り物は突然届く

28歳で結婚し、29歳で家を買って、30歳で妊娠し、31歳で転職して、32歳で離婚に至った。

わたしはいま33歳で、16歳のころ好きだったバンドの曲を聴きながら人生に迷っているような気がする。子どもはいない。心拍の確認はできたけど、その後流れた。

ずっと大人になんてなりたくないと思っていた。大人になることは悲しいことのような気がしたから。だけど、今は大人になった自分が楽しくて仕方がない。自分の

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大好きだった男の子とそっくりの男の子

大好きだった男の子とそっくりの男の子

セックスはうまくいかなかくてちんちんが一度も入らなかったけど、キスの相性がバチバチに良かった男の子がいて、何度もその子のことを思い出しながら、どうやったらうまくいってたんだろうと過ごしていた日々があった。

この店で待ち合わせた、この店で飲んだ、この通りを歩いた。いい思い出に変わらなかったのが全部悔しかった。

キスだけ相性がいいというのはどれだけ切ないことなんだろうと感傷に浸りまくった。生理的に

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さかいめの道でキャッチボールをした男の子

さかいめの道でキャッチボールをした男の子

私の家の前には「さかいめ」があった。

小学二年生の時に引っ越しをした先は、地方の住宅団地で、区画整理された敷地に真新しい家々が並んでいた。私の家はその団地の真ん中あたりに建てられていて、目の前を走るまっすぐな道は、近所の子供たちから「さかいめの道」と呼ばれていた。

その道は見た目には他の道と何も変わらなかったけれど、子どもにとっては重大な境界線だった。その道を境に、小学校の学区がちがっていたの

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4月③

4月③

月曜日
R25を読んで、ミニマリストに近づこうと思って部屋の掃除をした。クローゼットから始めたら、冬物のニットたちの洗濯を思いついて、かれこれ5時間くらい掃除と洗濯、メルカリの出品をしてた。暇だねぇ。ミニマリストには程遠いけど、45リットルのゴミ袋2つぶんのゴミが出たから、まあまぁ頑張ったんじゃないかなあ。ビール飲みますね。

火曜日
今日は会議のため仕事はお昼から。世の中では密を避けましょう、っ

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4月④

月曜日
久しぶりにちゃんとした格好をして外出しようと思ったら、太りすぎていてスカートはきついし、似合わなさすぎて泣きそうになった。自粛のせい?でお酒とご飯が進んで、自分のイメージしてた自分とは大違いの体型。このお腹周りヤバイよ、まじで。明日からビールは、お酒を断とうと思います。明日から。今日は泡と重い赤いワインを買ってしまったねん。

火曜日
使用済みの油の処理がわからない。ちなみに揚げ物は2年ほ

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知らないひとと歩いてた話

また、記憶を飛ばしました。

といっても、飲みすぎて酔っ払ったからの話なんだけど。情けない。

自粛も明けつつあるし、そろそろ外食してもいいんじゃない?って話して、最近行けてなかったお店に行った。17時までのハッピーアワーでボトルワインが安く飲めるので、早くから飲める日はときどき利用してる。この日も例に漏れずボトルワインを頼んだ。暑い日だったから、よく冷えたスパークリングワイン。

わたしたちはお

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お花を買えなかった話

家から少し離れたところにお花屋さんがあると聞いて、散歩がてらに行ってみた。

ら、定休日だった。

最近ちょっと気持ちが落ちていたから、家にお花を飾りたかったの。ホームページを見たら不定休って書いてあって残念な気持ちになった。縁がなかったってことだね。

地図で他に花屋さんを探して行ってみたけれど、心惹かれる花はなく、店員さんの愛想が悪すぎて買うのをやめた。ご縁がない。

花の定期便っていうのがあ

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7月20日

7月20日

久しぶりに百貨店へ行く。メイクをしてかわいい服を着るのはいいことだ。用事が終わったらすぐ帰るけど、ちょっと心が踊ってる。ある程度の自粛は大切だし必要だけど、自粛のしすぎもよくない、と勝手に思ってる。他人様も大事だけど自分のメンタルがいちばん大事。

薄いブルーのシャツを着たら、透明感が溢れてかわいかった。夏が来たかな、そろそろ。二の腕はまだまだ痩せたい。あのノースリーブのワンピースはまだ着れない。

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自分が分からなくなった時、本を読みまくれば自分の立ち位置が決まる。

自分が分からなくなった時、本を読みまくれば自分の立ち位置が決まる。

人間は頭の悪い生き物で、生きていると何故か自分のことなのに、自分のことが分からなくなったりすることがある。
少なくともおれは自分のことが分からなくなってしまったことがあった。

この「自分が分からなくなる」という言葉は誰もが聞いたことはあると思うが、実在感を持って理解している人は少ないのかもしれない。
実際にそうなってみないと、どういうことなのかさっぱり分からないのだ。

おれは自分が分からなくな

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