記録家・蒔田志保

福島県で暮らしています。見たり聞いたり、書いたり撮ったり。 お仕事実績はこちら:htt…

記録家・蒔田志保

福島県で暮らしています。見たり聞いたり、書いたり撮ったり。 お仕事実績はこちら:https://fori.io/shihomakita

マガジン

  • 家族とでかけた北欧旅行記

    2024年春、フィンランドの祝日vappuに合わせて、家族で北欧旅行に行きました。その時の記録を、1日ずつ振り返りながらまとめたnoteを集めました。

  • 5days

    5日分の日記がたまったら投稿する記事のまとめ。

  • 日常記録

    日常記録をまとめました。私らしい視点、言葉で表現できたと思うものをまとめています。

  • わたしのこと

    自己紹介がわりになるようなnoteをまとめています。住んでいる場所のこと、仕事であった嬉しかったこと、日常で心が動いた瞬間、夫婦のこと、など

  • こころに残った体験記録

    お買い物をして嬉しくなったり、ワークショップで新しい発見に出会えたり。でかけた先でであった、人や気持ちやできごとの記録。

記事一覧

うめの香

「拾いきれない梅がある」 知人からそう知らせを受けて、梅狩りにでかける 。落ちた梅は、ほんのり黄色く紅く、熟し始めていて甘い香りが辺りに漂っていた。長い笹の棒で…

【北欧旅行記】DAY2:暮らしのはじまり、マリメッコとベビーカー

朝起きると、聞こえてきたのはカモメの声。フィンランドにきたんだなぁ、とぼんやりしみじみしながらリビングに向かう。 前夜、開けっ放したスーツケースの中身を一つひと…

【北欧旅行記】DAY1:ヘルシンキとの出会い

雲の中を抜けたのに、曇り空と数日前に降った雪で窓からの景色は白いまま。現地時間午前7時前、私たちは、フィンランド、ヴァンター国際空港へ着陸した。 初夏が間もなく…

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朝のルーティン / ぐるぐる / 写真と思いで など

4月14日(火) 夜9時過ぎに寝るようにしたら、朝4時半ごろスッキリ目が覚めるようになった。横になったまま5時すぎぐらいまでは布団の中でのんびり。起きてから顔を洗って、…

【北欧旅行記】DAY0:フィンランドに向かう飛行機の中で

日が暮れ暗くなり始めた空に、ぽわっと浮かぶ「Terminal2」の文字。夜23時に飛び立つ飛行機に乗るため、私たち家族は成田空港へ向かった。 旅の行き先は、フィンランド。…

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帰国後の散歩 / 誕生日 / 慰め など

5月4日(土) 帰国した次の日。朝は、息子とふたりでスッキリ目覚めた。時差ボケの気配がなさそうで嬉しい。朝ごはんの食材がほとんどなくて、炊き立てのごはんで塩むすびと…

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【北欧旅行記】家族でフィンランドへ

このゴールデンウィーク、夫、3歳の息子とフィンランドに行ってきました。お隣はエストニアにも足を伸ばして。 旅のきっかけは、vappuという祝日。フィンランドの暗くて寒…

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【写真記録】珈琲|焼菓子|暮らしの雑貨 cokuriya 開店の日

陽ざしあたたかくなり、桜の蕾がふくらんできた頃。南相馬市鹿島区に「珈琲|焼菓子|暮らしの雑貨 cokuriya(コクリヤ)」がオープンしました。珈琲と焼き菓子、そして暮…

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入園式 / 桜と朝ピクニック / 東京で写真展を観た話 など

4月8日(月) 息子の入園式。いつもより早い登園に、早起き。朝が苦手なような息子は寝起き最悪。なんとか朝ごはんをと思い、あれこれ準備したなかで食べたのはイチゴだけ…

電車旅とおやつ / コクリヤさんのはじまり / 夜の森桜まつり など

4月2日(火) 春休み最後の日。緊急地震速報で深夜に目が覚めたせいで、ゆっくりした朝。もっとゆっくり起きてきた息子と、朝ごはんか昼ごはんかわからないごはんを食べた。…

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遊びの風景とコミュニケーション / 町を想うこと / 積ん読 / 空っぽのお弁当箱

3月24日(日) プレイパークの撮影に。12月から月に一回、今日で4回目、今年度最後。これまでは風が本当に冷たくて寒くて、人も少なかったけど、今日は太陽もでて暖かくて…

門出 / キッチンときどきダイニング / 記念日の一皿 / おこり顔 / 旅の計画

3月10日(日) 南相馬に来て出会った子ども達の門出を祝う。初めて会った時、小学校低学年だった子たちの高校卒業パーティをした。 「今日はありがとう」 出迎えた私にそう…

弟 / お箸キャッチャー / 手元 / 初対面

2月21日(水)-22日(木) 愛知から弟が来ていた。仲が悪いわけではないけど、実家にかえって顔を合わせてもほとんど喋らない弟が、東北旅のついでに立ち寄る感じで我が家…

丹波焼の郷・立杭を訪ねて#1

2月のはじめ、兵庫県の丹波篠山・立杭へ。 山に囲まれた集落への入り口は2つ。人口は500人ほどで、うち100人は「丹波焼」にまつわる仕事をしているのだそう。町のなかには…

【自己紹介】記録家の私について

こんにちは、蒔田志保です。福島県で暮らしながら、2024年2月より記録家として活動をはじめました。 2年半ほど前から、インタビュー記事やイベントレポートなどを中心に、…

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モノクロのやさしさにふれて

くもり 時々 おおつぶの雨。ほの明るいグレーの、不安定な夏空の下、愛知県の中心部から高速道路に乗って、知多半島の常滑市に向かった。 目的地は、「人と風の写真家 abu…

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うめの香

うめの香

「拾いきれない梅がある」

知人からそう知らせを受けて、梅狩りにでかける
。落ちた梅は、ほんのり黄色く紅く、熟し始めていて甘い香りが辺りに漂っていた。長い笹の棒で枝をゆすると、ボトボトボトッとさらに梅が落ちてくる。どうぶつの森で、果物をとるときのまさにそれだった。

家に帰って、早速水洗い。大きなバケツがなくて、45Lの大きなごみ袋に梅をゴロゴロといれ、ホースでジャーッと水をかける。そのままザルに

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【北欧旅行記】DAY2:暮らしのはじまり、マリメッコとベビーカー

【北欧旅行記】DAY2:暮らしのはじまり、マリメッコとベビーカー

朝起きると、聞こえてきたのはカモメの声。フィンランドにきたんだなぁ、とぼんやりしみじみしながらリビングに向かう。

前夜、開けっ放したスーツケースの中身を一つひとつ片付けると、気持ちが穏やかになっていった。初日は興奮冷めやらぬ一方、移動中にあちこち行ってしまう息子に何度も怒ってしまったり、持参したタコ足コンセントが電圧の関係かうまく接続されず火花が散ったりとハプニングもあり、反省や不安、少しの焦り

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【北欧旅行記】DAY1:ヘルシンキとの出会い

【北欧旅行記】DAY1:ヘルシンキとの出会い

雲の中を抜けたのに、曇り空と数日前に降った雪で窓からの景色は白いまま。現地時間午前7時前、私たちは、フィンランド、ヴァンター国際空港へ着陸した。

初夏が間もなく訪れそうだった東京から、冬に逆戻り。北海道より北に位置するとはいえ間もなく春が訪れるのだし、と浮かれて着てきた長袖のシャツワンピースにスプリングコートではさすがに寒そう……と少し緊張しながら飛行機を降りる。ひんやりとやさしい風が、頬をなで

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朝のルーティン / ぐるぐる / 写真と思いで など

朝のルーティン / ぐるぐる / 写真と思いで など

4月14日(火)

夜9時過ぎに寝るようにしたら、朝4時半ごろスッキリ目が覚めるようになった。横になったまま5時すぎぐらいまでは布団の中でのんびり。起きてから顔を洗って、カーテンを開けて、そのまま外に陽を浴びに。花と野菜の調子を見に行って、必要があれば水やり。ここまでがルーティンになりつつある。時差ボケや帰国後の体調不良がやっと落ち着き、日常にも戻ってこれた。毎朝6時25分から始まるNHKの朝の体

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【北欧旅行記】DAY0:フィンランドに向かう飛行機の中で

【北欧旅行記】DAY0:フィンランドに向かう飛行機の中で

日が暮れ暗くなり始めた空に、ぽわっと浮かぶ「Terminal2」の文字。夜23時に飛び立つ飛行機に乗るため、私たち家族は成田空港へ向かった。

旅の行き先は、フィンランド。「vappu」という、春を訪れを祝う1日があることを知り、心惹かれ、いつか行きたいと願い続けた場所。あぁ、ついに行けるんだな。

実は4年前にも、航空券までとって準備していたけれど、コロナ禍に突入しやむなくキャンセル。今回はいわ

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帰国後の散歩 / 誕生日 / 慰め など

帰国後の散歩 / 誕生日 / 慰め など

5月4日(土)

帰国した次の日。朝は、息子とふたりでスッキリ目覚めた。時差ボケの気配がなさそうで嬉しい。朝ごはんの食材がほとんどなくて、炊き立てのごはんで塩むすびとあおさのお味噌汁のみ。それでも、家で食べる日本の朝ごはんは幸せだった。

気温は27度くらいで、初夏のよう。この一週間で、冬、春、夏を味わった気分。庭のブルーベリーがしっかり芽吹いて、アジサイにも花の蕾がついていて嬉しい。そろそろ、夫

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【北欧旅行記】家族でフィンランドへ

【北欧旅行記】家族でフィンランドへ

このゴールデンウィーク、夫、3歳の息子とフィンランドに行ってきました。お隣はエストニアにも足を伸ばして。

旅のきっかけは、vappuという祝日。フィンランドの暗くて寒い長い冬が終わり、暖かな陽射しが降り注ぎ始めたころ、春の訪れを祝う1日。ヘルシンキ中の人々が、白い帽子をかぶり、お酒を飲んで顔をごきげんにピクニックに出かける。友人の写真で見て以来、いつか自分の目で見てみたいと強く思ったのでした。そ

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【写真記録】珈琲|焼菓子|暮らしの雑貨 cokuriya 開店の日

【写真記録】珈琲|焼菓子|暮らしの雑貨 cokuriya 開店の日

陽ざしあたたかくなり、桜の蕾がふくらんできた頃。南相馬市鹿島区に「珈琲|焼菓子|暮らしの雑貨 cokuriya(コクリヤ)」がオープンしました。珈琲と焼き菓子、そして暮らしの雑貨を扱っています。オーナーの松野夫妻が大工さんと一緒に古民家をリノベーションし、2024年4月4日、開店を迎えた様子を写真記録させていただきました。

店内には、二人が選んだ生活雑貨も並びます。松野夫婦が日ごろから愛用してい

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入園式 / 桜と朝ピクニック / 東京で写真展を観た話 など

入園式 / 桜と朝ピクニック / 東京で写真展を観た話 など

4月8日(月)

息子の入園式。いつもより早い登園に、早起き。朝が苦手なような息子は寝起き最悪。なんとか朝ごはんをと思い、あれこれ準備したなかで食べたのはイチゴだけ。しかも、キッチンに座って。行儀が悪いとは思いつつ、本人もちょっと悪いことをしているのが分かっているからこその笑みを浮かべ、楽しそうなので今日は良しとする。

息子用に仕立ててもらった襟付きシャツに、半ズボン。生まれて初めてのハイソック

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電車旅とおやつ / コクリヤさんのはじまり / 夜の森桜まつり など

電車旅とおやつ / コクリヤさんのはじまり / 夜の森桜まつり など

4月2日(火)

春休み最後の日。緊急地震速報で深夜に目が覚めたせいで、ゆっくりした朝。もっとゆっくり起きてきた息子と、朝ごはんか昼ごはんかわからないごはんを食べた。

息子の「電車に乗りたい」リクエストに応えたくて、隣町まで電車旅。行先は駅前にある図書館とその周辺のみで、帰りの電車までは3時間。いつもは1時間弱のコースだから、息子が飽きずにもつかどうか心配もあったけど決行できたのは、おやつの時間

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遊びの風景とコミュニケーション / 町を想うこと / 積ん読 / 空っぽのお弁当箱

遊びの風景とコミュニケーション / 町を想うこと / 積ん読 / 空っぽのお弁当箱

3月24日(日)

プレイパークの撮影に。12月から月に一回、今日で4回目、今年度最後。これまでは風が本当に冷たくて寒くて、人も少なかったけど、今日は太陽もでて暖かくて、プレイパーク日和。たくさんの人で賑わっていた。

今年度最後の開催ということで、日常にある遊びの風景を撮ってほしいと言われていた。そのことを念頭に置き、私も息子と遊びながら、写真を撮った。子どもを連れるのは、お母さん、お父さん、お

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門出 / キッチンときどきダイニング / 記念日の一皿 / おこり顔 / 旅の計画

門出 / キッチンときどきダイニング / 記念日の一皿 / おこり顔 / 旅の計画

3月10日(日)

南相馬に来て出会った子ども達の門出を祝う。初めて会った時、小学校低学年だった子たちの高校卒業パーティをした。

「今日はありがとう」
出迎えた私にそう言ってくれた男の子がいて、「こちらこそだよ」と返しながら俯いたのは、その一言で胸がぎゅっとして、涙がこぼれそうだったから。初めて会った時は、地元の学校に通えなかった子達。当たり前に地元から送り出せてよかった、と思うのは私の勝手。ず

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弟 / お箸キャッチャー / 手元 / 初対面

弟 / お箸キャッチャー / 手元 / 初対面

2月21日(水)-22日(木)

愛知から弟が来ていた。仲が悪いわけではないけど、実家にかえって顔を合わせてもほとんど喋らない弟が、東北旅のついでに立ち寄る感じで我が家へ。

LINEで一応、やりたいことを聞くと「福島らしいものが食べれれば」と一言。刺身やフライで海のものを食べられる店に夜ごはんを食べに行った。メニューを見て白子ポン酢を頼み、一口食べて「うまい」と言う。

ここに来るまでのことを聞

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丹波焼の郷・立杭を訪ねて#1

丹波焼の郷・立杭を訪ねて#1

2月のはじめ、兵庫県の丹波篠山・立杭へ。

山に囲まれた集落への入り口は2つ。人口は500人ほどで、うち100人は「丹波焼」にまつわる仕事をしているのだそう。町のなかには50を越える窯元があり、その多くが家族で代々受け継がれ、続いている。そんなストーリーに惹かれ、知人を頼りに訪ねることを決めた。

一つ前の滞在先であった京都から立杭に向かう。電車で約1時間半の道のりのお供は、司馬遼太郎の「街道をゆ

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【自己紹介】記録家の私について

【自己紹介】記録家の私について

こんにちは、蒔田志保です。福島県で暮らしながら、2024年2月より記録家として活動をはじめました。

2年半ほど前から、インタビュー記事やイベントレポートなどを中心に、取材をして記事制作をする仕事をしています。最近は撮影を担当することもあり、ライター兼カメラマンとしてご依頼いただくようになりました。それは今後も継続していく予定です。

そんな中で、私が自分を「記録家」と表現しようと決めた理由をお話

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モノクロのやさしさにふれて

モノクロのやさしさにふれて

くもり 時々 おおつぶの雨。ほの明るいグレーの、不安定な夏空の下、愛知県の中心部から高速道路に乗って、知多半島の常滑市に向かった。

目的地は、「人と風の写真家 abubu」。中盤フィルムカメラでモノクロ写真の撮影を行い、現像や写真のセレクト、額装までまるっと自分でできる「abubu体験」をするためだった。

abubuは川の近くにあって、スタジオの前には大きな木があって、もりもりと茂った草木が風

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