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日常記録

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日常記録をまとめました。私らしい視点、言葉で表現できたと思うものをまとめています。
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小高川の真ん中に咲く、大きな桜の木の下で

小高川の真ん中に咲く、大きな桜の木の下で

「この桜、どこで撮影されたんですか?」
「それはね、小高川の中州で撮ったんですよ。今は、行けないのかなあ…」

調べてみるとその場所は、私が暮らす福島県南相馬市内の「小高川親水公園」という公園だった。川の間にある中州に桜がそびえる佇まいから、小高川の桜島、なんて私は勝手に呼んだけど、地元の方は親水公園の名で親しまれているかもしれない。

*

2018年の冬、職場のコーヒースタンドに偶然、お客さま

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春の景色に心がおどる

春の景色に心がおどる

暖かな陽ざしと、しっとりと生温い風に、クレヨンの「そら色」のような青空が広がる、4月第2土曜日。

あぁ春が来た、と思った。

運転していると目に飛び込んでくる、春の花や草木たち。開花まであと少しの桜の枝先は紅く色づき、花ひらく頃合いを見計らっているようだった。

桜がつぼみを膨らませているころ、心をときめかせたのは、モクレンだ。木の蓮(ハス)と書いて、木蓮(モクレン)。文字通り、蓮の花のような形

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美しいこと

美しいこと

昨日読んだ、さえりさんのnoteが忘れられない。

さえりさんの描写する景色や心情があまりに美しくて、スクロールして読むのがもったいない。
そう思いながら、3度くらいは下から上へのスクロールを繰り返した。

それから、自分のハネムーンを思い返したのが今日の夕方のこと。

***

私たちのハネムーンは、ヨーロッパ周遊だった。ポルトガルの港町、ポルトで過ごした時間を私は思い出していた。

3泊4日、

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おいしい珈琲をどうぞ

カフェ好きな私にとって、気になるお店に出会えることは都会で生活する人の特権だと気づいたのは、車移動が当たり前の生活するようになってからのことだった。

ここでいう気になるお店とは、食べログで美味しいかどうかを調べたり、インスタで素敵カフェを検索して見つけて、わざわざ時間をつくって、そこに行くことが目的になったお店ではない。

例えば、予定が早く終わった時にふと見つけたとか、いつも通らない道を歩いて

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苺にさえ頼りたい

苺にさえ頼りたい

帰り道、スーパーで苺を買った。
いつもは高くて買うのをためらう、私にとっては贅沢品。

数日前の出来事にとんでもなく落ち込んでいた。
思うように心の持ちようを回復させようにも、うまくいかない。
真っ赤な苺が妙に魅力的に見えた。
苺にさえ頼りたい、そんな気持ちだった。

家に帰れば、夫がいる。
けれど、今日だけは、買ってきた苺は全部私のもの。
パックに入ったまま、まるごと私のもの。

完全にヤケ食い

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キュートなあしもと、春一番

キュートなあしもと、春一番

車から見えた桜並木。あまりにも穏やかで、美しくて。
職場からの帰り道、少しだけ、と立ち寄った。

私以外、誰も見当たらない。
普段から人は少ない場所。
今はそのことに、なんだかホッとしてしまう。

橋の上から桜並木の全体を眺めてから、川沿いの小道を歩く。
黄色い水仙とピンクの桜のコントラストにわくわくした。
空を仰げば、青空に向かって枝を伸ばす桜に春を感じずにはいられない。

そろそろ折り返すかな

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みどりのシュワシュワを忘れないで

みどりのシュワシュワを忘れないで

「こんど みどりのシュワシュワ つくってね!」

職場のコーヒースタンドに立ち寄ってくれた女の子から音声メッセージが届いた。コロナの影響もあり私は自宅待機のタイミング、そこにいない私にわざわざ作ってほしいとメッセージをくれる愛しさたるや。ニヤニヤが止まらなかった。

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「みどりのシュワシュワ」とは、メロンクリームソーダのことだ。コーヒースタンドと名乗るからには、主力の商品はスペシャルティコ

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「美味しかったよ」の一言に、私はいつだって嬉しくなる

「美味しかったよ」の一言に、私はいつだって嬉しくなる

初めて、3歳の女の子に向けてカレーを作った。

彼女の名前はルイちゃん。いつもぶどうジュースを飲んでいる。1度、タコパをしたことはあるけれど、詳しい好き嫌いはわからなかった。

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3家族くらいで集まってBBQをすることなって、我が家は最近ハマっているスパイスカレーを振る舞おう!と意気込んでいた。

ルイちゃんは唯一、カレーを食べられそうな年齢の子どもだった。

私は、子どもでも食べられるよ

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春のサンラータン

春のサンラータン

「誕生日に何が食べたい?」

翌週に誕生日を控えた夫にリクエストをきく。
私たち夫婦はお祝いの日、家で食べたいものを作って食べる。

「サンラータンがいい。あの、サンラータンね。」

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サンラータン、サンラータン。
我が家でいうサンラータンとは、とあるスープの専門店で春に販売されるサンラータンのこと。通称:春サンラー。

私が大好きなスープ。
4月ごろに季節限定で食べられる、まさに春の訪れ

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ニュースにならない復興の話

ニュースにならない復興の話

「あの日から10年」

今年の3月になる少し前から、節目だなんだと、いたるところで見たり聞いたりしてきたこのフレーズにモヤモヤ、ちょっと嫌な気持ちになったりした。

確かに、10年。数字だけを見ると節目感がある。ような気がする。

けれども、私は頭の中で「節目とは・・・?」と思わずにはいられなかった。

ニュースで取り上げられる復興の様子は、分かりやすく、目立つ取り組みや変化ばかりに見えた。

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『広報みなみそうま』に寄稿した市民記者コラムをまとめました

『広報みなみそうま』に寄稿した市民記者コラムをまとめました

2019年から2年間、南相馬市の市民記者としてコラムを執筆していました。紙面の広報誌と、南相馬市公式Facebookにて掲載されていたものをこちらのnoteにまとめています。

よその地域から引っ越してきた私の視点で、南相馬の好きなところや魅力を私が言葉にしたコラム。市民の方に配られる広報紙に掲載していただけたことで、南相馬が地元の、インターネットを普段使わないような方にも読んでいただくことが出来

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