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【北欧旅行記】DAY2:暮らしのはじまり、マリメッコとベビーカー

朝起きると、聞こえてきたのはカモメの声。フィンランドにきたんだなぁ、とぼんやりしみじみしながらリビングに向かう。

前夜、開けっ放したスーツケースの中身を一つひとつ片付けると、気持ちが穏やかになっていった。初日は興奮冷めやらぬ一方、移動中にあちこち行ってしまう息子に何度も怒ってしまったり、持参したタコ足コンセントが電圧の関係かうまく接続されず火花が散ったりとハプニングもあり、反省や不安、少しの焦りを感じていたように思う。空間が整うことで、気持ちが落ち着くのは、旅先でも変わらないのだな。

2日目のはじまりは、アパート1階にあるパン屋さんから。部屋着にショールを羽織ってあたかも住んでますみたいな空気を装おって階段を降りる。店内に入ると、あのパン屋のふわっとした幸せな香りが漂った。

「moi moi!」とぎこちなくフィンランド語を試す私に、落ち着いた低い声で「moi」と返す店主のおじさま。旅先では、現地の人の馴染みの味を知りたくて、店員さんにおすすめを聞くことが多い。おじさまは、英語はあまり得意でないと言ったけれど、卵のはいったパンをすすめてくれた。あとから調べると、フィンランドのカレリア地方の郷土料理「カレリアパイ」だったよう。ライムギ粉パイ生地にミルク粥を入れて焼き、バターと和えた卵をトッピングしたもので、これが息子に大ヒットだった。

店内には、Vappuの日のメニューが貼ってある。Vappuはフィンランドのビッグパーティーだよ!知ってるかい?と嬉しそうに話すおじさま。それを楽しみにきたんだよー!と返すと、そうかいそうかい、とコクコクと頷き返してくれた。

さて、本日最初の目的地はマリメッコ本社!アウトレットストアと社員食堂が併設される、マリメッコ好きとしては外せない場所。今年は、マリメッコといえばのウニッコ60thのアニバーサリーもあるからと期待を膨らませる。お店の最寄り駅からは少し距離があり、寒空の下歩くのは少し大変だったけど、お店の方から「marimekko」ロゴいっぱいの紙袋を持つ人が歩いてくるのをみかけているうち、足どりも軽くなる。

窓に描かれたウニッコ、かわいい…!

店内はいると、そこはに当たり前なのだけど、明るくてチャーミングな世界観が広がっていて、改めて大好きだなあと幸せなため息が出た。何度も店内を回りながら、お財布と相談しながら、ここでしか買えなそうなテーブルアイテムやお洋服などなど購入。端切れの量り売りはここならではで、ワゴンいっぱいに積まれた布の中からお気に入りを探すのが楽しかった。(もちろん正規品もたくさんあったけど量り売りは破格!)

ディスプレイされたテーブルをみて、こんな景色が日常にあったら、元気が出るだろうなとふと思う。マリメッコのミッション「毎日の暮らしにカラフルな色彩、喜び、そして幸せをもたらすこと」を肌で感じられた気がした。

ウニッコ60thデザイン、緑とオレンジのウニッコでディスプレイ

そのあとは社員食堂「maritori」へ。お野菜中心のお惣菜に、選べるメインとスープ、デザートとコーヒーがいただけるランチビュッフェ。テーブルウェアはもちろんマリメッコ。

マリメッコのペーパーナプキンをシンプルな器に合わせると一気に雰囲気が出る
(シンプル器もマリメッコ)

スタッフさんのユニフォームもマリメッコで、みんな朗らかにおしゃべりしながら働いていて、流れている時間が心地よかった。社食といえど、私たちのような観光客でも自由に出入りできる場所。地元の人も食べに来たりするのかな。

たくさんお買い物をしたので、いったん帰宅。マリメッコでお財布の紐もほどほどゆるみ、私は夫に言った。

「ベビーカー買おう」

到着してから、セカンドハンドを中心に、ベビーカーをずっと探していた。散々調べ悩んだ末に、今回の旅にベビーカーは持ってきていなかったのだ。

理由としては……
・普段の生活ではベビーカーにのらないから持っていなかった
・子どもの年齢(3歳)や体格を考えると日本で主流のベビーカーだとタイヤが弱そう(買うなら現地?)
・のらないっていったとき荷物になるのはちょっと
・国内旅行には持っていかないし意外といけるんじゃない? など

果たして、旅のふたを開けてみると……息子が抱っこを求める回数はいつもより多く(慣れない旅で疲れるよね、そりゃそうだ)、でも荷物があって応えられない場面もあり。親も疲れやすく、お互いイライラもしてしまい、こりゃ大変すぎるぞと痛感。想像が至らなかった親としての力不足に情けなくなって少し涙が出たけど、「来てみないとわからなかったよ」と言う夫に救われた。

で、現地で買おう!セカンドハンドにあるかもしれないと、あちこち回るも、セカンドハンドでは出合えず。スタッフさんに尋ねてみると、ベビーカーを扱うセカンドハンドはないわね、と丁寧に教えてくれた。

それで、私たちが向かったのは老舗百貨店「STOCKMAN」。ここなら絶対に置いてあることがわかっていたから、決心して向かう。お金の心配はもちろんあったけど…….

ベビーカーを求めて、キッズ&ベビーのフロアへずんずん向かう。途中、エスカレーターから見えたインテリアフロアがカラフルに彩られキュートでときめいた。でも、今はそれどころじゃない。

キッズフロアに到着すると、それまでどこのお店に入っても感じられなかった「ここならありそう!」とホッと、期待する気持ちになった。日本の百貨店のキッズフロアと似た光景があったからだと思う。淡い色合いの小さなお洋服、北欧ブランドの素敵なデザインのおもちゃ雑貨、ムーミンのアイテムに気持ちを高ぶらせながら、それらをいったん全部素通りしてベビーカー売場に直行。

ついに、フロアの一番奥にベビーカーがずらりと並ぶ光景とであえた。そうそう、これを求めてた……

心配していたお金のことも、予算内におさまるお手ごろベビーカーがすぐに見つかった。色の人気がなかったのか1台だけ、ディスカウントされているものがあり、即決。息子も大喜びですすんでベビーカーに乗車し、これでいろんなことがラクになると思うと、本当に、本当によかった。

ベビーカーをゲットし、キッズコーナーへ(おしゃれ)

のびのびとした気持ちで、キッズコーナーに夫と子を残し、私は一人インテリアフロアへ降りる。マリメッコやラプアンカンクリなど、日本でも人気な北欧ライフスタイルブランドだけでなく、初めて知るブランドもあって、見ているだけですごく楽しい時間。ここでも、マリメッコは展開スペースが広く、ペーパーナプキンを大量購入した。

ポーズしてくれたイケメンさん
全部ほしい

晴れた心で、街を少し歩いて帰る。フィンランドのコーヒーチェーン店「ロバーツコーヒー」に寄り、コーヒーと紅茶を買った。息子はアイスを買ってご機嫌になり、そのままベビーカーで寝落ち。スーパーで食糧調達をして、家に着いたのは夜8時頃だった。

EARL GRAYの紅茶がすごく好みだった

息子はよほど疲れが出たのか、そのまま就寝。夫婦ふたりで夕食をとる。夫がパスタを作ってくれた。

ソーセージとズッキーニのトマトパスタ
ルッコラたっぷりが嬉しい

「外国に来てまで料理するなんて、贅沢だねえ」と楽しそうにする姿を見て嬉しく、そんな風に思えることを尊敬した。心の荷解きも終わり肩の力が抜けた2日目。明日からは、きっともっと楽しくなる。

▼今回の北欧旅行記はこちらのマガジンでまとめています。

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