記録家・蒔田志保

福島県で暮らしています。見たり聞いたり、書いたり撮ったり。 お仕事実績はこちら:htt…

記録家・蒔田志保

福島県で暮らしています。見たり聞いたり、書いたり撮ったり。 お仕事実績はこちら:https://fori.io/shihomakita

マガジン

  • 家族とでかけた北欧旅行記

    2024年春、フィンランドの祝日vappuに合わせて、家族で北欧旅行に行きました。その時の記録を、1日ずつ振り返りながらまとめたnoteを集めました。

  • 5days

    5日分の日記がたまったら投稿する記事のまとめ。

  • 日常記録

    日常記録をまとめました。私らしい視点、言葉で表現できたと思うものをまとめています。

  • わたしのこと

    自己紹介がわりになるようなnoteをまとめています。住んでいる場所のこと、仕事であった嬉しかったこと、日常で心が動いた瞬間、夫婦のこと、など

  • こころに残った体験記録

    お買い物をして嬉しくなったり、ワークショップで新しい発見に出会えたり。でかけた先でであった、人や気持ちやできごとの記録。

最近の記事

言葉をもたないも:#1 香り

ある土曜日の朝、いつもそうするように庭に出て、太陽の光を浴びる。のびをして、深呼吸。そのまま、庭に植わっているラベンダーの香りをかいだら、涙がでた。香りが水のように、スーッと心に流れ落ちるような感覚。その瞬間に、閉じこもって窮屈になっていた感情がわっと出てきた。 思い返せばその数日前、生活にアロマを取り入れる友人から届いた服を抱きしめた時にも、ぽろりと涙がでた。何が苦しかったのか分からないけれど、ガチガチだった心身を香りがほぐしてくれて、ふっと力が抜けた気がする。(それは香

    • 夜のつづき

      この頃5時過ぎに起きると、暗い。まだ夜中かなと思って時計を見てみてもやっぱり朝方で、冬が近づいてきたなあと思う。 ダイニングテーブルの電気だけをつけると、昨日の夜の続きみたい。どうにも朝型で、夜はなかなか起きていられないから、ちょっと嬉しい。その日のうちにできなかったことを次の日にやるより、やっぱりその日のうちにできた方が気持ちいい。(実際には、日付けは変わっているのだけれど) 私は、日記はその最たるものだと思っている。一日を振り返りながら書くのが理想だけど、残念ながら睡

      • 夏の願いと、思い出

        「家族とぎゅっと、笑って毎日過ごせますように」 7月のはじめ、息子が保育園から持ち帰ってきた笹の葉と短冊。息子の願いごとはすでに先生が代筆してくれていて、まだ何も書かれていない、親が書く分の短冊は連絡袋に入れられていた。 いつもの生活と仕事に加えて、企画展に、ホームステイの受け入れと、いつも以上に忙しなくなること間違いなしだった今年の夏。やりたいことに溺れて、家族を、家族と過ごす時間を大事にできなくなるのはいやだった。余裕がなくても、楽しく過ごしたい。どんなに忙しくても、

        • 【北欧旅行記】DAY9:さよならまたね、フィンランド

          帰国の日。ついに今日帰るのかと思うとあまり気は進まなかったけど、むくりと起きてゆっくりリビングに向かう。それなりに長いと思っていた8泊9日、あっという間に終わりがきちゃったな。毎日うっとり、ずいぶんと見慣れた白い大きな窓の格子から強い光が差し込む景色を、目に焼き付ける。 昨日まで散らかっていたおもちゃや、街でもらってきたパンフレット、記念に買って飾ったポストカード、いろんなものがリビングの景色からなくなってしまった。それらは全部、スーツケースの中にあるのだけど、心にぽっかり

        言葉をもたないも:#1 香り

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        • 家族とでかけた北欧旅行記
          11本
        • 5days
          5本
        • 日常記録
          11本
        • わたしのこと
          8本
        • こころに残った体験記録
          2本
        • 作文エッセイ
          3本

        記事

          【北欧旅行記】DAY7-8 フィンランドのビッグパーティー!春の訪れを祝う「Vappu 」 を味わって

          タリンから帰ってきたら、ヘルシンキの街の空気が浮足立っていた。白い帽子をかぶった街ゆく人々。いつもよりはずんで聞こえる、親しい人とのしゃべり声。片手にワインや食べ物をもち、みんなあちこちへ浮足立って向かっていく。 今夜は、Vappuの前夜祭。翌日、5月1日はフィンランドでは春の訪れを祝う「Vappu」。高校を卒業するときにもらう白い帽子をかぶって、人々は公園や広場にピクニックにでかけ、お酒をのみ、おしゃべりを楽しみ、街全体がお祝いムードに包まれる、そんな一日。 Vappu

          【北欧旅行記】DAY7-8 フィンランドのビッグパーティー!春の訪れを祝う「Vappu 」 を味わって

          【北欧旅行記】DAY6-7:船に乗って、エストニア・タリンへ

          旅も後半。今日から1泊2日でエストニアに小旅行へ。 ヘルシンキの港から、エストニアの首都・タリンまでは船で2時間ほど。13時間もかけて海外に来たのだから、せっかくならばもう1ヵ国くらい行ってみたい。シリヤラインという大きな客船に乗れることもあり、乗り物好きの息子が喜んでくれるかな~という思いもあった。いや大人も、この船旅が楽しみだった。だって、なかなか乗れないじゃない、大きな船なんて! いくつものカフェやレストラン、フィンランドよりもさらにお得に買い物できると噂の免税店も

          【北欧旅行記】DAY6-7:船に乗って、エストニア・タリンへ

          【北欧旅行記】DAY5:続・フィンランドで暮らす友人、春待つ海辺にでかけて

          日曜日。旅のプランを立てたときには、今日から開園予定になっていたリンナンマキ遊園地に出掛ける予定だったけれど、数日前に降った雪のせいか開園日がずれて行けなくなってしまった。ので、ブランチに、海辺の人気カフェRegatta(レガッタ)へ出かけようと計画変更。こちらは、3日目に行く予定だったけれど、トラム博物館へ行ったので行けておらず、ちょうどよかった。 今日も天気がいい。トラムでカフェに向かう途中、遊園地のアトラクションがチラリとみえて、少し残念に思う。また来る口実ができたと

          【北欧旅行記】DAY5:続・フィンランドで暮らす友人、春待つ海辺にでかけて

          【北欧旅行記】DAY4_2:フィンランドの家庭料理教室

          出発前、滞在先の予約確認をしようとAirbnbのアプリを開くと、「ヘルシンキでおすすめアクティビティ」が表示された。国立公園へのハイキングとサウナ体験、都市計画家が案内する路面電車ツアー、プロ写真家による街中ポートレートなど、現地の人に話を聞きながら体験できるのは魅力だなあと思いながらスマホの画面をすんすんスクロールする中、「フィンランドの料理教室」の文字に指と目が留まる。 その内容は、フィンランド家庭料理の定番、サーモンスープとミートボール、シナモンロールを作ってみようと

          【北欧旅行記】DAY4_2:フィンランドの家庭料理教室

          【北欧旅行記】DAY4_1:ヘルシンキに暮らす友人

          ヘルシンキのアパートで起きる3日目の朝。ベッドルームからリビングへ向かう廊下、カモメの声、窓の向こうに見える近所の景色も見慣れてきた。鍋やフライパンの場所、皿の種類などもからだが覚えてきて、冷蔵庫の食材にもなんとなく定位置が決まってきた今朝、日本から持ってきた米を炊いた。 炊飯器はもちろんない。備え付けキッチンにあったのはアルミ製の鍋で焦げ付かないか心配しつつ、ほかほかのごはんが炊きあがった時には、湯気とともに、ふわ~っとした気持ちがこみ上げた。こちらに来てから毎食パンとい

          【北欧旅行記】DAY4_1:ヘルシンキに暮らす友人

          花火のバトン

          家族で花火をした。昨年の夏が終わる頃に、2歳だった息子が「やりたい」と言うので、この週末にでもと思ってスーパーで駆け込み購入したものの、天気がイマイチでできないまま、一年間、クローゼットの片隅にずっと置いてあった花火。夏が終わり秋になっても、冬も、春も、ずっと目に入る場所にあるから、何度か息子が「やりたい」といったけど、なんとなく、親の私たちに夏になるまではという気持ちがあって、その時を先延ばししていた。ついに、花火をする日がきた。 三連休の最終日、海の日だった。海にでかけ

          【北欧旅行記】DAY3:アアルト自邸とオフィス、3つの図書館を訪ねて

          前日の夜はシャワーを浴びることなく寝た。普段は毎晩、湯船につかる習慣があるし、夜お風呂にはいらないのは気持ち悪さがあるけれど、こちらに来てから「夜のシャワーはなしでもいいかな」とナチュラルに思うようになっていた。家の中、とくに洗面所は暖かくて、シャワーをした後タオルにくるまれるまでに身体が冷えるわけではないのだけど、ひやりと寒い外から帰ってきたら湯船に浸かってじわ~っと身体を温めないのでは、お風呂に入る意味が半減してしまうみたい。すると、途端にめんどくさくなってしまって、夜の

          【北欧旅行記】DAY3:アアルト自邸とオフィス、3つの図書館を訪ねて

          企画展「Over the Window」を開催しました

          2024年7月6日~7月13日、初めての自主企画展「Over the Window~フィンランドで過ごした日々と、その続き~」を開催しました。写真と言葉での展示に合わせ、現地で買ってきたファブリックやポスターを用いて空間をコーディネート。最終日には、フィンランドの家庭料理も一緒に楽しんでいただきたく、家族と一緒にランチプレートなどの提供をしました。 今回一番大きく展示スペースをとったのは、春の訪れを祝うフィンランドの祝日「Vappu(ヴァップ)」にまつわる写真コーナー。フィ

          企画展「Over the Window」を開催しました

          うめの香

          「拾いきれない梅がある」 知人からそう知らせを受けて、梅狩りにでかける 。落ちた梅は、ほんのり黄色く紅く、熟し始めていて甘い香りが辺りに漂っていた。長い笹の棒で枝をゆすると、ボトボトボトッとさらに梅が落ちてくる。どうぶつの森で、果物をとるときのまさにそれだった。 家に帰って、早速水洗い。大きなバケツがなくて、45Lの大きなごみ袋に梅をゴロゴロといれ、ホースでジャーッと水をかける。そのままザルにあけ、サンルームに干しておいた。 夜、家のなかを吹き抜ける風に、梅の香りがのっ

          【北欧旅行記】DAY2:暮らしのはじまり、マリメッコとベビーカー

          朝起きると、聞こえてきたのはカモメの声。フィンランドにきたんだなぁ、とぼんやりしみじみしながらリビングに向かう。 前夜、開けっ放したスーツケースの中身を一つひとつ片付けると、気持ちが穏やかになっていった。初日は興奮冷めやらぬ一方、移動中にあちこち行ってしまう息子に何度も怒ってしまったり、持参したタコ足コンセントが電圧の関係かうまく接続されず火花が散ったりとハプニングもあり、反省や不安、少しの焦りを感じていたように思う。空間が整うことで、気持ちが落ち着くのは、旅先でも変わらな

          【北欧旅行記】DAY2:暮らしのはじまり、マリメッコとベビーカー

          【北欧旅行記】DAY1:ヘルシンキとの出会い

          雲の中を抜けたのに、曇り空と数日前に降った雪で窓からの景色は白いまま。現地時間午前7時前、私たちは、フィンランド、ヴァンター国際空港へ着陸した。 初夏が間もなく訪れそうだった東京から、冬に逆戻り。北海道より北に位置するとはいえ間もなく春が訪れるのだし、と浮かれて着てきた長袖のシャツワンピースにスプリングコートではさすがに寒そう……と少し緊張しながら飛行機を降りる。ひんやりとやさしい風が、頬をなでた。おはよう、ヘルシンキ。 朝早い時間だからか、空港のなかは静かで閑散としてい

          【北欧旅行記】DAY1:ヘルシンキとの出会い

          朝のルーティン / ぐるぐる / 写真と思いで など

          4月14日(火) 夜9時過ぎに寝るようにしたら、朝4時半ごろスッキリ目が覚めるようになった。横になったまま5時すぎぐらいまでは布団の中でのんびり。起きてから顔を洗って、カーテンを開けて、そのまま外に陽を浴びに。花と野菜の調子を見に行って、必要があれば水やり。ここまでがルーティンになりつつある。時差ボケや帰国後の体調不良がやっと落ち着き、日常にも戻ってこれた。毎朝6時25分から始まるNHKの朝の体操も、無事復活。 5時半ごろから6時過ぎまでは自由時間。この時間に「やるべきこ

          朝のルーティン / ぐるぐる / 写真と思いで など