見出し画像

【北欧旅行記】DAY1:ヘルシンキとの出会い

雲の中を抜けたのに、曇り空と数日前に降った雪で窓からの景色は白いまま。現地時間午前7時前、私たちは、フィンランド、ヴァンター国際空港へ着陸した。

初夏が間もなく訪れそうだった東京から、冬に逆戻り。北海道より北に位置するとはいえ間もなく春が訪れるのだし、と浮かれて着てきた長袖のシャツワンピースにスプリングコートではさすがに寒そう……と少し緊張しながら飛行機を降りる。ひんやりとやさしい風が、頬をなでた。おはよう、ヘルシンキ。

朝早い時間だからか、空港のなかは静かで閑散としていた。乗り換えをする人が多く、ここで降りる人も少ないらしい。荷物を持ってスタスタとそのまま入国審査へ向かった。乗客が少ない分、スタッフさんも少なくて、思いのほか待ち時間は長かったけれど、無事入国。私たちのヘルシンキ滞在が本当に始まる。

早速、鉄道に乗ってヘルシンキ中央ターミナルへ向かった。

道中の景色は、北海道の冬に似ていて、少しほっとした。
陽ざしが強いので子供もサングラス
サンタクロース村ことロヴァニエミに向かう電車が反対方向に

ヴァンター国際空港から約30分。窓の外を見ていたらあっという間に、ヘルシンキターミナル駅に到着!

雪もあるし空気もつめたいけれど、駅のホームには花が売られているのを見て、春がすぐそこまでやってきていると感じてウキウキ。重たいスーツケースを駅のロッカーに置いて身軽になり、駅の外に出ると、また新しい扉を開けたみたいに、パッと世界が広がって見えた。気持ちの良い街。それが、ヘルシンキへの第一印象。

到着した頃には、青空も見えるようになって、ホっ。というのも、日本を出る頃見ていた天気予報では到着から3日間くらいは曇りマークが続いていたのです。北欧の天気は変わりやすいという情報を見つけて、晴れることを願っていたので、よかった。

早速街へでかけよう。

私たちがまず向かったのは、ヘルシンキ中央図書館「Oodi」。世界の公共図書館アワードにも選ばれたことのあるOodiどんなところだろうと、ワクワクと緊張が入り混じる。

カンサライストリ広場に面するエントランスサイド
写真でよくみていた景色!

駅から子どもと一緒に歩いて徒歩5分ほどであっという間に到着。のはずが、雪遊びをしながらだったので、もう少しのんびりかかったかな。駅側からたどり着いた入り口は、想像していたよりスリムで「あれ、意外と小さいのかな」と思ったけれど、中に入るとその大きさに圧倒された。広場に面する窓のほとんどはガラス張り。たっぷりと光で満たされた空間が迎えてくれて、それはそれは心地よかった。

そのまままっすぐ、インフォメーションカウンターへ行き、子どもが楽しめるエリアをたずねる。3階の図書館エリアにキッズスペースもあることを教えてもらい、まずはそこへ。エスカレーターをのぼる間、動く階段に注ぐ光が揺れていて美しい。この日は通り過ぎるだけだったけど、2階はミーティングルームやオープンスペースに加えて、3Dプリンターや音楽スタジオ、ゲームルームなどが備わったフロアになっている。窓がないからか、オフィスのようだなぁと思いながらちらりと眺める。(後日2階をまわり、私は感動することになるのだった)

3階の図書館に到着。エスカレーターを降りた視線の席には大テーブルがあり、ノートやパソコンを広げ、作業をしている人々の姿。その向こうに、何台ものベビーカーが停まっているのがみえて、すぐに行き先は見つかった。

"本の天国"というコンセプトのある図書館フロア。誰もが手に取りやすいよう背の低い本棚のせいか、天井もぐんと高く感じられる。窓は全面ガラス張りで空が近くに感じられ、広い空間はそこにいるだけで解放感でいっぱいだった。

到着した10時頃は、学校から来ているような小学生くらいの子ども達も多く、キッズエリアのあたりは賑やかだった。ストーリールームという個室のような空間があって、そこで授業の何かやっていたみたい。それが終わると各々自由にしていて、読書をしたり、友だちとおしゃべりしたり、遊んだり。カプセルのような、座るとからだがスッポリ収まる椅子に、二人組で座って動画を見てる子達が印象的だったな。

そうして子ども達がのびのび過ごす一方で、大人たちも読書をしたり、仕事や勉強をしたり。フロアのあちこちには、背の高さや形の異なる椅子が置いてあって、窓辺で椅子にこしかける人々は、図書館というパブリックな場所にいるけど、まるで自宅のリビングにあるお気に入りの椅子で過ごすみたいに、リラックスしているように見えた。

階段や床の傾斜を利用して、座って過ごす人もたくさんいた。それを見ていた息子が真似て、適当な床に座り「ここで絵本を読む」と言い出したのは面白かった。いろんな過ごし方をする大人がいる場所で、いろんな過ごし方があることを肌で感じて育つ子ども達は、どんなふうに育つのだろう。


この日息子と一緒に読んだ本
フィンランド語はわからなかったけど、絵に物語をあてて話すと喜んでいた

お昼前に、1階にあるカフェに立ち寄る。出発前、息子にフィンランドで食べたいものを聞いたら「ピンクのドーナツ!」と言われていたので、それを注文。フィンランド語では、マンシッカムンッキ。(ドーナツがムンッキ、マンシッカは苺)。しかし、息子の言うピンクのドーナツは、ミスタードーナツの、ストロベリーポン・デ・リングだったようで、あまりお気にめさず、こちらでいただきました。

フィンランドで最初のカフェタイム
私はホットカフェラテを注文

Oodiを出発して、次に向かったのは子供用品を中心に扱うセカンドハンド。セカンドハンドは、いわゆるリサイクルショップで、アウトレット用品を扱う店もある。ヘルシンキには、チェーン店から個人店までたくさんのセカンドハンドがあって、ちょこちょこチェックしていたのだった。けど、1件目はあまりヒットせず、ちょっぴり残念。

その後、少し適当に歩いているとチーズの専門店を発見!ロゴが可愛いかったので入ってみると、ショーケースいっぱいにチーズが並ぶ。北欧は乳製品がおいしく、種類も多い。どれを選べばいいのか見当つかず、店員さんにおすすめを聞いて、子供でも食べれそうなものを100g購入。店内には、素敵デザインの缶詰めもたくさん売っていて、チーズ同様、子供も食べれそうなツナ缶をパケ買い。

そこからはトラムに乗って、次の目的地「Paper shop」へ。店名の通り、紙ものアイテムを扱うお店で、夫も楽しみにしていた場所だ。

深緑とクリーム色のコントラストがかわいいトラム

便箋やポストカードはもちろん、日記や紙箱、ポスターやペーパークラフトなどなど、全部ほしくなっちゃう可愛さで、ここまでの旅の疲れもひととき軽くなる。アイテムにキュンとしながら店内をぐるぐる、ポストカードと、息子が気に入ったのりものポスター、アイスのペーパークラフト、夫は日記を購入。もうちょっと買いたい見ていたい……と後ろ髪を引かれながらもお店を出た。

さっきトラムを降りたところで気になったカフェがあったため、道を戻りおやつタイム。マリメッコやアラビアのマグがウィンドウディスプレイされた「ANDANTE」。フィンランド生まれのマグカップで、スペシャルティコーヒーが飲めそう、嬉しい。

と期待しながら、シングルオリジンのコーヒーを頼んだら、私のコーヒーはシンプルな器とサーバーというシンプルなスタイル。息子のココアは、ムーミンマグに可愛いラテアートというこれぞな感じだったから、きっとマグはラテ用だったんだ…!と納得する。一緒に食べた、甘めのガトーショコラが身体に染みた。

このマグカップを買って帰ってくればよかったと後悔……

チェックインの時間が近づいてきた。今回は、Airbnbを利用してアパートメントを借りて過ごすため、鍵を受け取り、ヘルシンキの我が家へ向かう。

アパートの扉を開けると、共同の廊下からほわっと暖かくて、一気に安堵する。自宅を出発してから1日半ほどが経っていて、親子共々さすがにヘロヘロになってきていた。エレベーターはなく、2階にある部屋まで、もうひとふんばり。

玄関を開けると、写真で見ていた通りの部屋が迎えてくれて嬉しかった。白が基調でシンプルだけど、木の温もりも感じられるような、北欧らしい家。大きな窓から外を眺められるのも決め手のひとつ。この部屋にしてよかったとガッツポーズ。

今回のカメラたち。デジ、フィルム、チェキ、+GoPro

ささっと部屋を見てから、近所のスーパーへ買い出しに。途中、公園で遊び、息子の気も晴れたよう。この日の夜は、サーモンのお寿司と店員さんおすすめのお惣菜(きゅうりのコールスロー、甘酸っぱくておいしかった)を家で食べた。

右手に持ってるスコップは公園にあったもの
自由に使ってよさそうなおもちゃが転がっていた
公園からトラムが見えるのいいなと思った
車道に面する公園の入り口には、鍵がついていて
子どもが飛び出す心配がないのがよかった
帰宅、夜8時ごろの風景。真っ暗になるのはもう少し遅くなりそう

長い長い1日の終わり。時差ボケの心配なんてする必要なく、ベッドに入るとあっという間に眠った。

▼今回の北欧旅行記はこちらのマガジンでまとめています。









最後まで読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます^^サポートでいただいたお金では、新しい経験や美味しいものに使い、良いものは周りの人ともシェアしたいと思います!