【北欧旅行記】DAY5:続・フィンランドで暮らす友人、春待つ海辺にでかけて
日曜日。旅のプランを立てたときには、今日から開園予定になっていたリンナンマキ遊園地に出掛ける予定だったけれど、数日前に降った雪のせいか開園日がずれて行けなくなってしまった。ので、ブランチに、海辺の人気カフェRegatta(レガッタ)へ出かけようと計画変更。こちらは、3日目に行く予定だったけれど、トラム博物館へ行ったので行けておらず、ちょうどよかった。
今日も天気がいい。トラムでカフェに向かう途中、遊園地のアトラクションがチラリとみえて、少し残念に思う。また来る口実ができたと思えば悪くないか。
トラムの駅に到着。カフェまでの道のりは、白樺などの木々に囲まれていた。ほとんどの木々は、まだ枝姿でほっそりしていたけれど、中には少しずつ芽吹こうとしているものもある。春がもうすぐ来ることを感じ、気持ちがあたたかくなった。公園の遊具であそぶ家族、ランニングをするグループ、犬の散歩をする人。それぞれの日曜日がここにある。
目的地のRegattaが見えてきた。赤い木の小屋が、青空になんと映えること。
まだ寒さはしっかり残っていたものの、テラス席で過ごす人も多く、私たちも真似をして座る。近くには、ボートレース場よようなものがあり、ちょうど練習に出かけそうな人々の姿も。そんな景色を見ながら、しばらく風に吹かれてから、ブランチを買うべく店内へ。
コーヒーとココア(サイズは大きめで、夫と息子が半分個)、アーモンドクロワッサン、そして名物のマッカラ(ソーセージ)を注文する。マッカラは自分で炙るスタイルで、着火に5分くらいかかりそう~と言われ、OKと答えて店を出よう、と思ったら夫と息子は寒さに耐えかねたのか店内にそのまま着席していた。
Regattaで食べたアーモンドクロワッサンは、旅の中で一番二番を争うおいしさだった。おいしい、というか、私の口にあったのだと思う。甘すぎず、しっとりサクッとした食感。すかさず息子も欲しがるのであげるけれど、ちょっと惜しいくらい(笑)
マッカラを炙るために外にでる。が、ずーっと列が絶えないので店員さんが着火にこれないらしく、まだ炙れない。
そうしているうちに、昨日一緒に過ごしてくれた友人たちが合流。幼い子との旅は楽しくも楽ではなかろう、よかったら今日も一緒に街をまわるよ!と連絡をくれたので甘えることにしたのだった。こんなに長く一緒に過ごせるとは思っていなかったので嬉しい、そしてありがたい!!
友人たちも店内へ、そしてパンやコーヒーを片手に外に戻ってくる。それでもまだ、マッカラを炙る炎はまだ点かない。友人に頼み、ペラペラの英語で点火について尋ねてもらうも、同じく10分ほどで~という感じの回答だったので、おしゃべりしたり、遊んだりしながら待つ。ほどなくして、お姉さんがでてきてサクッと点火してくれた。
長い棒の先にマッカラを刺して炎の中へ。くるくるとするうち、だんだん表面がパリッと、炭色に焼けていく。そろそろかなぁ、火傷しないように気をつけてねと言いながら、がぶりがぶりと、夫、息子、私と順に食べた。満足。
朗らかで賑やかなRegattaを出て、海辺の散歩コースを友人たちが案内してくれた。途中に見かけたパークゴルフ場はまだ閉まっていて、海にいる人たちもダウンやコートを着ていて、肌寒い。日本でいうと、3月のはじめ頃の気候。それでも、少しの春の気配がでてくれば、人々は外に出てきたくなるのだろうか。友人のパートナーが、夏が来たらたくさんの人で賑わうよと、嬉しそうに笑みをこぼす。彼もその季節の到来を楽しみにしているんだろうなと思うと、ほっこりした。
ぐるりと散歩コースを抜け、トラムの駅へ。次の目的地はIittala & ARABIA Design Centre。北欧食器が生まれた街。友人たちも行ったことがないと言い、少し郊外にはなるけれど「まるで観光客の気分だわ!」と同行してくれることに。ありがたい。
ARABIAの街は、日曜日ということもあってか閑静だった。街角のアパートメントのベランダの多くはガラス張りで、サンルームのようになっていて、だいたい椅子やテーブル、植物が置かれているのに気づく。光と暖を味わう小さな部屋は、暗くて寒い冬を明るくする場所なのかもしれない。
デザインセンターに到着。ミュージアムには、代々つくられてきたIittala や ARABIAの器や作品などが数々並ぶ。見たことあるものもあれば、もうずいぶん前に廃番なってしまったものもある。お気に入りの絵柄を探すのが楽しかった。
そして、ショッピングセンターへ。定番ものから新商品まで、全部がIittala やARABIAという景色が圧巻。ぐるーっと店内を回りながら、結局アウトレット品をたくさん購入。新品のものは、欲しくなったら、ミュージアムでもらえた15%OFFチケットを使って駅の近くで購入しよう。
日曜日は開いている店も少ないため、駅の方へ戻ってお昼を食べることにした。そのあとのセカンドハンド巡りに向けて、適当なところでトラムを降り歩いていると、老舗喫茶「Ekbelg(エクべリ)」の前に。息子が寝ているのをいいことに、入ろう!と勢いで入店。
お腹が満たされた後は、街をぶらぶら。セカンドハンドに入ってみたり、マーケットホールに立ち寄ってみたり。友人たちがいるおかげで、少しの行き当たりばったりもこわくない。ふいに出会う景色にいいなと思う。ヘルシンキの街が、好きになる。
最後は、ヴィンテージものの品数がとても多いセカンドハンドへ。この頃には息子が起き、大人二人だったら、ガラス製品や陶器の多い店内はひやひやだっただろうなと思う。友人たちに一緒に来てもらって本当に良かった。ちなみにお買い物は1点と、控えめでした。買いきれないびびり……
友人たちと別れた後、今日もOodiへ。おやつを食べたり、遊んだり、休んだり、電車を見たり。すっかりリラックスできる場所になったな。私は少しひとり、2階フロアの探索へ行く。
2階は窓がなく、1階や3階とは雰囲気が違う。それでも暗いというわけではなく、段々になったオープンスペースでは、パソコンを開いたり読書をしたりする人や、集会をしているグループが各々のびのび過ごしていて居心地がよさそう。
2階にはパソコンや大型プリンター、3Dプリンターにミシン、アイロン台、音楽スタジオ、ゲームルーム、ミーティングルームなど、無料で使えるたくさんの設備や部屋がある。そのことは訪れる以前に知っていて素晴らしいとは思っていたのだけれど。これだけの充実した機能を、市民が使い倒している光景に私は感動したのだった。公共の施設に、設備はあるけど使われていない(そもそも知られてない)ってことが、よくある気がするから。
ガラス張りの個室で勉強している親子、ゲームに熱中する家族、ミシンで何かを作るカップル、大型プリンターで資料を印刷する学生、リーディングルームで本を読む人々。目的に沿って、使えるもの、場所の選択肢が、公共施設にあって、それを活用することが浸透していることがすごいなと思った。
そのまま、らせん階段を下って1階に降りてみる。窓の向こうにも、内側にも、どこにでも居場所があって、それぞれに過ごす姿が美しいなと思う。
ひとしきりOodiを味わい尽くして満足したままに、帰宅。
明日からは、1泊2日で隣国・エストニアへ旅行。船旅を楽しみに、眠った。
▼今回の北欧旅行記はこちらのマガジンでまとめています
最後まで読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます^^サポートでいただいたお金では、新しい経験や美味しいものに使い、良いものは周りの人ともシェアしたいと思います!