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或る芸人の話

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#小説

或る芸人の話

或る芸人の話



 X X Xというお笑い芸人がいる。若手で、そこそこ人気のある、新しい時代に立つ芸人の一人であり、その中でもとりわけ鮮烈な印象で表舞台へと登場した。彼には名がいくつかあり、現在はホラーマンXという名で活動している。
 彼がブレイクしたのはチンパンGラフィという名で活動していたときであるが、一年たらずでホラーマンXに改名してしまった。この改名をめぐる事件、その騒動の真相は以下の通りである。
 

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余は如何にして芸人となりし乎──「或る芸人の話」第二部

余は如何にして芸人となりし乎──「或る芸人の話」第二部

はい獰猛、UnKoUです。

 余が芸人を始めるきっかけになった話を載せようと思う。これは高校の卒業文集に載せた文章であり、拙いところもあり、少し気恥しいが、芸人としての余を語るにこれ以上のものはないと思う。「或る芸人の話」として何者かが余のことを投稿していたが、どこの誰が書いたかもわからないあんなものよりも本文を読んで欲しい。一応参考にその馬の骨が書いた「或る芸人の話」もここに貼り付けておこうと

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呪術海鮮/白湯子の証言──「或る芸人の話」第三部

呪術海鮮/白湯子の証言──「或る芸人の話」第三部

 上記は、ブッダ中村こと中村楓汰が、山手線五反田駅〜目黒駅間で偶然出会った高校の後輩白湯子が捲し立てたのを録音し、書き起こしたものである。水曜の夜、数年ぶりに中村からメールがあった。

 メールの文章はこれだけで、音声ファイルが添付されていた。それが上に書き起こしたやつだ。僕と中村のコンビ、「海鮮市場」はお笑いで賃金を得たことはなかった。むしろエントリー費、ネタ中の誹謗中傷による訴訟、慰謝料などマ

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