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#講義録・指圧応用実技 2024.9.11 〜腕が上がらないお客さんが来たら試したい座位で行う徒手検査〜
後期の授業が始まりました。2年生はあと半年、15コマ(1コマ90分)となります。3年生になって行う臨床実習に向けて、この半年が中身の濃いものになるように伝えていきたいと思っています。
後期の授業、その前に冒頭に話をしたのは「治療は点ではない」ということです。
施術を受けるその日の1時間を切り取ったら点なのですが、治癒が起こる変化は施術のあとも続いています。
肩こりが楽になる、腰痛が軽減するとい
現場で通用するスキルはいつ身につけるのか?
先日、眺めていたSNSでこんな文章を見ました。
とても衝撃を受けました。
投稿のように、日本社会の仕組みとして「会社に入った後」からスキルを身につけるのであれば、鍼灸マッサージの専門学校は国家試験を取得するだけの予備校に成り下がってしまいます。
私自身、大学生は勉強しないものというのは身をもって知っていましたが、一方で専門学校は職業訓練校だとずっと思っていました。
すぐに働けるスキルを身につ
#講義録・番外編)地域のボランティアマッサージに学生さんが見学に来た話
新宿に戸山地区という特殊な場所があります。
東京都の平均年齢が41.69歳なのに対して、この地区は56.3歳(戸山二丁目,2010年)と高齢者が多く住む地域です。
高度経済成長の時代に建てられた都営アパートに住む段階の世代の人たちが多くいることを意味しています。
そこにある、暮らしの保健室でボランティアマッサージをするようになって1年半が経ちました。前任の施術師から引き継いで月1回、午前中に地域
#講義録・指圧応用実技 2024.7.17 〜5円玉のワークを指圧指導に取り入れてみた〜
見えないものを見える化することは、私自身のテーマのひとつです。
それを、わかりやすく伝えたいという気持ちで、これまで授業に臨んできました。
今回は、指圧実技の見える化を一つご紹介します。
現在の5円玉は昭和34年(1959年)から流通しています。
さて、その5円玉をどうやって指圧の練習に活用するのでしょうか?
5円玉のワーク5円玉(穴あき硬貨)にタコ糸を通して、ペンダントのようにします。
位置
#講義録・指圧応用実技 2024.6.26 〜2年生の指圧を受けて感じたこと〜
前回の記事では、形のない徒手療法は【受けてこそ気づくものがある】と書きました。そこで今回は学生(2年生)の指圧を受けた記録としてnoteを綴っておきます。
施術を受ける勇気かれこれ20年以上、指圧という手技療法に関わっています。
その間に、学生の施術を受けたのは専任教員をしていた頃の卒業実技試験以来だと記憶しています。
2年生を対象にした授業では、前期のうちに学生の指圧を受けてフィードバックす
#講義録・指圧基礎実技 2024.6.26 ~学生からもらった宿題への回答〜
2週間前の授業で学生からもらった質問。
要点は【反動をつけずに減圧する】にはどうしたらよいか、というもの。
その回答となる授業を冒頭に行なったので、記録として綴ります。
実践・反動をつけて体を戻す、をやってみる◯◯をしないためには◯◯をやってみて、その逆をやればいい。
そう考えて、まずは【反動をつけて】減圧する、体を戻す動きをやってみることにした。
部位は大腿前面、筋肉では大腿直筋がある部位
#講義録・指圧基礎実技 2024.6.19 〜伏臥位施術のポイント指導と学生からもらった宿題の話〜
毎週水曜日は朝8時前に熱海駅にいます。
昨夜の雨のおかげで空気は澄んでいて、青空が心地よく感じられます。
駅前のマックでコーヒーを飲んだあと、歩いて数分のところにある鍼灸マッサージの専門学校に向かいます。
このnoteを書くきっかけとなっている指圧実技の授業を行うためです。
実技を少人数で行うメリット学校のカリキュラムによるのですが、私が担当する1年生の指圧実技はクラスを2つに分けて隔週で行わ
#講義録・指圧基礎実技 2024.6.5 〜背中を押すときと足を押すときの違いを工夫する〜
一年の始まりを1月とすれば、今月はちょうど折り返し地点。
しかし、4月に始まった授業という視点で見れば、スタート地点から少しだけ前に駒を進めたところです。
まだまだ基礎的なことをしっかりと身につけていく段階と言えます。
ちょうど同じ日の2年生の実技で「先生の授業は手のつくり方とか体の使い方をやっているんですよね」と聞かれました。
どういう意味かというと、腰痛を治す方法とか五十肩の人への対応はやっ
#講義録・指圧応用実技 2024.5.21 〜ヘルニアやギックリ腰と診断された人に施術してもよいのかを考える〜
鍼灸、マッサージの専門学校の授業に「臨床医学各論」という科目があります。病気の原因と症状を理解するための座学です。
2年生のこの時期に腰椎椎間板ヘルニア、すべり症、ギックリ腰についての授業があったらしく、指圧実技の授業の始めに学生から質問がありました。
「ヘルニアになった人は施術していいんですか?」
今日はこの疑問に答えつつ、授業を進めたので記録として綴っておきます。
【患部はさわらない】は
この世はコミュニケーションだとしたら、相手が望む言葉を吐くほうがいいんだろうな。自分の言葉に真実があったとしても、それを相手が受け入れないのならそれは無かったことにされてしまう。相手はあなたの話を聞きたいんじゃない、自分が納得する言葉だけを聞きたいんだ。
1年以上、手あてに通っているクライアントさん。今日でひと区切り、来週末でめでたく定年退職される。49年の勤続…入社時から経理部に配属されて、当時はソロバンで計算していたと話された。半世紀前ってそんな時代だったんだ!ひとつの組織で働いて来られたのは立派だと思いました。
#講義録・指圧基礎実技 2024.5.15 〜めったに指圧の練習ができない人のためのトレーニング方法〜
早いもので5月も半ばを過ぎると、4月に入学した学生さんたちも学生生活に馴染んできます。けれども実技の授業は、まだ序の口…。
解剖学で筋肉や骨格のことを少しずつ習っている段階なので、あまり難しいことを話しても「…???」が目に浮かびます。
そういう意味で、1年生の前期(夏休み前)までは①おおまかな指圧点(押圧する場所)を教えたり、②施術の手順を覚えること、③施術している姿勢に気を付けることを中心に