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#詩
ハルヲさんのロールキャベツって、手紙みたいだった。
昔、わたしがまだ小学生くらいだった頃、母の暮らす家には母の弟の叔父さんハルヲさんが住んでいた。
ハルヲさんはわたしにとって、お父さんでもない。
なにか友達のような存在だった。
だから、ハルヲさんのことをおじさんではなく、ハルヲちゃんって呼んでいた。
仕事はデザイナーをしていた。
ハルヲさんの事務所に行くと、いろいろな面白い形のオレンジ色の雲形定規や、色とりどりの鉛筆削り。
切り張りする
大丈夫だよって、自分には言えないんだけど、好きな人には自信をもって言えるんだな。
いつも、なにかに追いついていないような気が、しきりにしてしまう
ことがある。
その追いつこうとしている背中を見送っては、また明日を迎えている。
いつもどこかでなにかを積み残しながら、残された荷物のことをちらっと
よぎらせながら、眠りにつく。
そして、そして、いちにちがいろんな思いの中で終わって。
眠りにおちる、準備をしながらも、今日もまたなにかを追いかけ損ねたな
って、思いながら。