大西けい

神戸出身・在住 布で人形を作っています。 Twitter @kerochan79 In…

大西けい

神戸出身・在住 布で人形を作っています。 Twitter @kerochan79 Instagram kyokomarchen

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記事一覧

個展unfold直前インタビュー

大西けいとして3回目の個展を間近に控え、心境などを乙女屋店主様がインタビューしてくださいました。お忙しい中ありがとうございます。 二年半ぶりの個展が間もなくの大…

大西けい
9か月前
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私のテディベア

OTOMEYA企画グループ展「Noëlの前に」へ出品する新作のテディベアを作りました。 私がテディベアを作り始めたのは約6年ほど前です。 “アンティーク特有の少しくたびれ…

大西けい
1年前
14

映画「寛解の連続」を観ました。

いくつになっても心に共鳴し、響くものが増えるのは良いものだなと思う。 色んな事が重なり偶然が偶然を呼び、想像もしなかったようなところへ誘われ、そこで出会う人や物…

大西けい
3年前
12

あの道

ふと、とある昔のドラマが観たくなり、一度見たいと思い始めるとそれは使命感に変わり、私は登録している動画配信サービスのアプリを開いた。 タイトルを検索するも、私が…

大西けい
3年前
7

life_is_beautiful

様々な思い出。 大阪。新宿。 引っ越したての何もない部屋。 思い出は、鮮やかに蘇ったりしない。 ただの過去としてそこに在る。 一つの節目。漠然と横たわる恐怖のような…

大西けい
3年前
10

7月の雨

心が折れました。と、言われた。その一言に私も心が折れた。だから、そう伝えた。 基本的に言葉は正しく伝わらない。 正しく伝わらなかった、と感じた時には既に遅い。 違…

大西けい
3年前
7

6月の風

個展とFANTANIMAが終わり、することが何もなくなってしまった。 大袈裟ではなく本当に、何も。 FANTANIMAまでを無事に終えられたらもう何もしたくないとずっと思っていたの…

大西けい
3年前
14

幻影

今、懐かしい地で珈琲を飲んでいる。 中途半端に時間が余ってしまい、昔何度も足を運んだこの地に来てみたのだ。 耳馴染みのある駅名を頭に浮かべると、降り立った時の様…

大西けい
3年前
11

リピート④

梅雨入りの早さに驚いてはいるのだが、それよりも梅雨らしくちゃんと雨ばかりなことにもっと驚いている。 梅雨入り宣言をするとだいたい晴れが続き、このまま梅雨を飛ばす…

大西けい
3年前
7

音のない部屋

雨。 朝、目の違和感で目が覚める。久しぶりにめばちこが出来ていた。 昨日は両足に不明の痣がたくさんできていた。矯正治療のため口内は切り傷だらけで惨状だ。心身に、…

大西けい
3年前
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calling

個展最終日の終了時刻、17時ちょうどにバイト先のスタッフからLINEが連投された。 トラブルがあったのだとすぐに解る。現実への引き戻され方が半端ではない。 明日からバイ…

大西けい
3年前
11

魂を象った人形をもとめて

個展を数日後に控え、思いもよらぬサプライズがありぶるぶる震えています。 今や球体関節人形を語る上で欠かせない存在の珈琲舎・書肆アラビク オーナーの森内さまから、…

大西けい
3年前
28

最後の金曜日

個展までいよいよ1週間を切りました。 このnoteは、個展へのプロモーションとして開始しました。 実際に作品を見てみたいと思うきっかけになってくれれば、作品を好きでい…

大西けい
3年前
9

迷走と功績

私がしているバイトは接客業で、お客様に一週間後の日付を伝えることが多々ある。 今日は、「一週間後の3月19日で…え?」と思わず言葉が詰まった。 一週間後、3月1…

大西けい
3年前
10

スタンド・バイ・ミー

今日はnoteを始めて6ヶ月記念日だそうだ。 週1回だが欠かさないということは短い期間でもそれなりに大変だった。 どういった内容がよく読まれるのか、どういったタイトルや…

大西けい
3年前
12

dear dream

2月が終わるともなれば日差しは徐々に春の気配を帯び、外気そのものも青みが薄れているのが解る。 三寒四温は例年のことだが今年は落差が激しい気がする。 今日は生憎の冷…

大西けい
3年前
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個展unfold直前インタビュー

個展unfold直前インタビュー

大西けいとして3回目の個展を間近に控え、心境などを乙女屋店主様がインタビューしてくださいました。お忙しい中ありがとうございます。

二年半ぶりの個展が間もなくの大西さんに、その間の変化と今回の個展について伺いました。

・二年半の間の変化として、Instagramでファッションアカウントを始められましたが、きっかけは?
「もともとファッションが好きで、仕事と家の往復のときでも可愛い洋服を着てテンシ

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私のテディベア

私のテディベア

OTOMEYA企画グループ展「Noëlの前に」へ出品する新作のテディベアを作りました。

私がテディベアを作り始めたのは約6年ほど前です。
“アンティーク特有の少しくたびれたテディベア”に惹かれていました。
そんな佇まいを追求する気持ちで沢山のベアを制作しました。
その過程で「私が惹かれているものを追求するにあたって、ベアという形状にこだわる理由はないのかもしれない」という転機がある時期に訪れま

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映画「寛解の連続」を観ました。

映画「寛解の連続」を観ました。

いくつになっても心に共鳴し、響くものが増えるのは良いものだなと思う。

色んな事が重なり偶然が偶然を呼び、想像もしなかったようなところへ誘われ、そこで出会う人や物。
スピリチュアルはよくわからないけれど、誤魔化せない波長なようなもので通じるのだろうなというのは結構素直に思ったりする。

大小かかわらず、何か一つリミッターを外してみたらそこから流れ込んでくるもの。

ほっておいても変わりゆくものもあ

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あの道

あの道

ふと、とある昔のドラマが観たくなり、一度見たいと思い始めるとそれは使命感に変わり、私は登録している動画配信サービスのアプリを開いた。
タイトルを検索するも、私が登録しているサービス内でそのドラマは配信されていない。
「またか…」と、肩を落とす。

私はTSUTAYAのヘビーユーザーだった。TSUTAYAに行けばだいたいのことは事足りていた。
邦画、洋画、懐かしいドラマ。
ディズニー、ジブリ、最新作

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life_is_beautiful

life_is_beautiful

様々な思い出。
大阪。新宿。
引っ越したての何もない部屋。
思い出は、鮮やかに蘇ったりしない。
ただの過去としてそこに在る。

一つの節目。漠然と横たわる恐怖のようなもの。
この世に在る何ものとも同一になることはない、全くの別個体。
いつまでも取り扱いに手こずっているけど、哀れだとは別に思わない。

何かを成し遂げる必要もない。
何者かになんてならなくてもいい。
強がりじゃない。
醜い開き直りはし

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7月の雨

7月の雨

心が折れました。と、言われた。その一言に私も心が折れた。だから、そう伝えた。

基本的に言葉は正しく伝わらない。
正しく伝わらなかった、と感じた時には既に遅い。
違うねん、と言いたくなる。この時の違うねん、はだいたい墓穴を掘る。
かといって、正しく伝わらなかったなぁ。と流してしまうのはもっと良くない。
自分の中に潜む傲慢さに嫌気がさす。いっそ開き直ってしまいたい。

一度放った言葉はいなくならない

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6月の風

6月の風

個展とFANTANIMAが終わり、することが何もなくなってしまった。
大袈裟ではなく本当に、何も。
FANTANIMAまでを無事に終えられたらもう何もしたくないとずっと思っていたのだが、あまりのすることのなさに驚きさえした。

仕方がないとでも言うようにぼんやりと過ごす。しばらくしてハッとし、何かに留まろうと意味もなくスマホを触る。
そんなことを繰り返し時計を見やると、針はいつもの倍速並みで進んで

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幻影

幻影

今、懐かしい地で珈琲を飲んでいる。
中途半端に時間が余ってしまい、昔何度も足を運んだこの地に来てみたのだ。

耳馴染みのある駅名を頭に浮かべると、降り立った時の様子や街の空気感が悠々と蘇る。
駅前には確かファミレスがあった。時間を潰すにはもってこいだと思い、その店を目指すことにした。

「お好きな席へどうぞ」
私は瞬時に、自分に襲いかかる事態に身構えた。
この店、なんか無理や。
店内から放たれる澱

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リピート④

リピート④

梅雨入りの早さに驚いてはいるのだが、それよりも梅雨らしくちゃんと雨ばかりなことにもっと驚いている。
梅雨入り宣言をするとだいたい晴れが続き、このまま梅雨を飛ばすのか?という頃からやっと雲行きが怪しくなり、そして七夕くらいまではぐずぐずと悪天が続く。それが私の知っている梅雨だ。

こんなに早く、そして律義に雨ばかり。早くきた分早く明けるのだろうか。そうだとしたら今年の夏は長いのだろうか。
夏は短いか

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音のない部屋

音のない部屋

雨。

朝、目の違和感で目が覚める。久しぶりにめばちこが出来ていた。

昨日は両足に不明の痣がたくさんできていた。矯正治療のため口内は切り傷だらけで惨状だ。心身に、蚊に刺された程度の不調が続いている。

「こればかりは仕方がない」という言葉を目にすることすらもう嫌になる。その言葉を発している人には何の罪もない。

悲しい言葉を見すぎてめばちこができたのかもしれない。

そんな一言で割り切れるような

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calling

calling

個展最終日の終了時刻、17時ちょうどにバイト先のスタッフからLINEが連投された。
トラブルがあったのだとすぐに解る。現実への引き戻され方が半端ではない。
明日からバイトに行ってトラブルを解消しなくてはいけない。
残念だとか台無しだとかは思わなかった。そのスタッフは私がこんなことをしていると知らない。帰ってこいということだ。
見ていたかのようなタイミングに笑ってしまった。

もうずっと昔のことのよ

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魂を象った人形をもとめて

魂を象った人形をもとめて

個展を数日後に控え、思いもよらぬサプライズがありぶるぶる震えています。
今や球体関節人形を語る上で欠かせない存在の珈琲舎・書肆アラビク オーナーの森内さまから、作家大西けい並びに作品への推奨文をいただきました。

素晴らしい文章に読者として読み入ってしまい、自分の事なのかと喜びを噛みしめています。本当にありがとうございました。

以下推奨文

魂を象った人形をもとめて
森内憲(書肆アラビク)

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最後の金曜日

最後の金曜日

個展までいよいよ1週間を切りました。

このnoteは、個展へのプロモーションとして開始しました。
実際に作品を見てみたいと思うきっかけになってくれれば、作品を好きでいて下さる方が、より好きを深めてくれたら。
私が語りかける言葉があなたのどこかに少しでも引っかかり、そしてその引っかかりを残したまま会場に来て下されば、会場の空気と作品たちがその引っかかりを全て回収する。絶対に後悔させない。そういう心

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迷走と功績

迷走と功績

私がしているバイトは接客業で、お客様に一週間後の日付を伝えることが多々ある。
今日は、「一週間後の3月19日で…え?」と思わず言葉が詰まった。

一週間後、3月19日。
ここ最近、FANTANIMA関連に時間を使っていたのであまりよくわかっていなかった。もうすぐ個展が始まるじゃないか。大変だ。
次から次へとやることが出てくる。搬入前日は歯医者とバイトだ、ちゃんと逆算しないと間に合わない。

大変だ

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スタンド・バイ・ミー

スタンド・バイ・ミー

今日はnoteを始めて6ヶ月記念日だそうだ。
週1回だが欠かさないということは短い期間でもそれなりに大変だった。
どういった内容がよく読まれるのか、どういったタイトルや写真だと読んでみたくなるのか。
色々やって分析してみよう、などと思っていたが、分析のためのデータを集められるほど読まれているという実感もなく、そもそもその分析によって得た情報から書く内容を決定するのかと問われたらしないなと思い、途中

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dear dream

dear dream

2月が終わるともなれば日差しは徐々に春の気配を帯び、外気そのものも青みが薄れているのが解る。
三寒四温は例年のことだが今年は落差が激しい気がする。
今日は生憎の冷たい雨。

あっという間に、個展まで一か月を切った。

前回の個展時に制作したオブジェたちは段ボールに入ったまま3年間静かに押し入れの中で眠っていた。
久しぶりに開封する。
そうやんな、とひとり呟く。

たかが3年!と、些細な悩みくらいな

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