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魂を象った人形をもとめて

魂を象った人形をもとめて

個展を数日後に控え、思いもよらぬサプライズがありぶるぶる震えています。
今や球体関節人形を語る上で欠かせない存在の珈琲舎・書肆アラビク オーナーの森内さまから、作家大西けい並びに作品への推奨文をいただきました。

素晴らしい文章に読者として読み入ってしまい、自分の事なのかと喜びを噛みしめています。本当にありがとうございました。

以下推奨文

魂を象った人形をもとめて
森内憲(書肆アラビク)

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dear dream

dear dream

2月が終わるともなれば日差しは徐々に春の気配を帯び、外気そのものも青みが薄れているのが解る。
三寒四温は例年のことだが今年は落差が激しい気がする。
今日は生憎の冷たい雨。

あっという間に、個展まで一か月を切った。

前回の個展時に制作したオブジェたちは段ボールに入ったまま3年間静かに押し入れの中で眠っていた。
久しぶりに開封する。
そうやんな、とひとり呟く。

たかが3年!と、些細な悩みくらいな

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ball joint dollの誕生

ball joint dollの誕生

10代の多感な時期から人形とは隣り合わせで歩いてきた。
ここで言う人形に実体はない。
けれど、ふとした時に隣を見ると「居る」のだった。
捉えようによってはただの怪談話だが、その感覚を持ってここまできてしまった。

人形は蔑むことも慈しむこともせず私の何かを映していた。
「黙って全てを受け入れてくれる」というのは自分都合の解釈にすぎないが、それでも隣に人形が居ることを確認すると私は安堵した。

言葉

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誰も知らない

誰も知らない

MASKDOLLからの流れで何を作る?
ここで何か掴まないと、私の方がMASKDOLLに飲み込まれてしまう。
何が作りたいのか?わからない。
この繰り返しだった。
何を作ればいいのかわからないけれど何か作らなくてはいけない。

私にとって、ものづくりは手段だ。
何のための?
私の作品を通して私自身は何を感じ、そして何を届けたいのか?
辿り着きたい場所はどこだろう。

「君ならどうした?」

懐かし

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MASKDOLL

MASKDOLL

MASKDOLLという作品がある。このnoteのアイコンも、MASKDOLLだ。

2018年の個展で「dream cell」という、うさぎに段ボール製の覆面マスクを被せた作品を発表した。
そこからの流れを経て、2019年FANTANIMA!でMASKDOLLを発表。SNSでも会場でも、思いもよらぬ反響があり驚いた。
普段人形になど全く興味がないという方からもうれしい評価を沢山いただいた。

私は

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no name dollのこと。

no name dollのこと。

私の作品に、no name dollという人形がいる。

手のひらに収まるくらいのサイズで、平べったい。

頭は丸く胴体は縦長の台形といった感じだろうか。鍵穴のようなシルエットにも見える。
とても単純な造形で、くびれのようなものはない。
棒のような短い手足がついている。

材質は布で、顔と胴体で切り換えられている。

顔はサンド色のゴワゴワした麻布。
胴体は地味な古布を使用しているので全体的に彩度

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「ぬいぐるみ」と「人形」

「ぬいぐるみ」と「人形」

何を作っているんですか?と聞かれたら、布で人形を作っています。と答えている。

私は、作品の形態やテイストが多様に変化してきたほうだと思う。

アクセサリーからぬいぐるみへ移行した明確な理由はパッと思い出せないけど、心の流れのままに従ったという感じ。

2016年、大阪でのFANTANIMA!に参加できたことでその流れが加速したことは間違いない。

私は昔から人形が好きだった。

幼少期リカちゃん

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