大西けい

神戸出身・在住 布で人形を作っています。 Twitter @kerochan79 Instagram kyokomarchen

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    火曜日の記録

    私は 自分がずっと無理をしていることをちゃんと知っていた。 心地の良くない場所に、それでも自分を押し込んでいることを、ちゃんとわかっていた。 久しぶりに絵を見て泣いた。 私は帰りたかった。自分の居場所に帰りたかった。 だけど、自分に居場所なんてないこと、それもちゃんと知っていた。 私は自ら、全て手離してしまうから。 泣きたかった。 私はずっと、泣きたかったのだ。 全て奪ってくれたらよかったのに。 私はずっと泣きたかった。

      • 映画「寛解の連続」を観ました。

        いくつになっても心に共鳴し、響くものが増えるのは良いものだなと思う。 色んな事が重なり偶然が偶然を呼び、想像もしなかったようなところへ誘われ、そこで出会う人や物。 スピリチュアルはよくわからないけれど、誤魔化せない波長なようなもので通じるのだろうなというのは結構素直に思ったりする。 大小かかわらず、何か一つリミッターを外してみたらそこから流れ込んでくるもの。 ほっておいても変わりゆくものもあるが、変えなければ変わらないものもあるし、変えたいと願っても変えられないものもあ

        • あの道

          ふと、とある昔のドラマが観たくなり、一度見たいと思い始めるとそれは使命感に変わり、私は登録している動画配信サービスのアプリを開いた。 タイトルを検索するも、私が登録しているサービス内でそのドラマは配信されていない。 「またか…」と、肩を落とす。 私はTSUTAYAのヘビーユーザーだった。TSUTAYAに行けばだいたいのことは事足りていた。 邦画、洋画、懐かしいドラマ。 ディズニー、ジブリ、最新作からアングラもの、それに大量のCD。 繰り返しレンタルしてきた。 しかし、このネ

          • life_is_beautiful

            様々な思い出。 大阪。新宿。 引っ越したての何もない部屋。 思い出は、鮮やかに蘇ったりしない。 ただの過去としてそこに在る。 一つの節目。漠然と横たわる恐怖のようなもの。 この世に在る何ものとも同一になることはない、全くの別個体。 いつまでも取り扱いに手こずっているけど、哀れだとは別に思わない。 何かを成し遂げる必要もない。 何者かになんてならなくてもいい。 強がりじゃない。 醜い開き直りはしないで。 人のせいじゃない。 それはあなたの。これはわたしの。 親指ひとつで流

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            7月の雨

            心が折れました。と、言われた。その一言に私も心が折れた。だから、そう伝えた。 基本的に言葉は正しく伝わらない。 正しく伝わらなかった、と感じた時には既に遅い。 違うねん、と言いたくなる。この時の違うねん、はだいたい墓穴を掘る。 かといって、正しく伝わらなかったなぁ。と流してしまうのはもっと良くない。 自分の中に潜む傲慢さに嫌気がさす。いっそ開き直ってしまいたい。 一度放った言葉はいなくならない。着地する場所を失い漂っている。 その言葉が漂っている空気は、正に気まずい。

            6月の風

            個展とFANTANIMAが終わり、することが何もなくなってしまった。 大袈裟ではなく本当に、何も。 FANTANIMAまでを無事に終えられたらもう何もしたくないとずっと思っていたのだが、あまりのすることのなさに驚きさえした。 仕方がないとでも言うようにぼんやりと過ごす。しばらくしてハッとし、何かに留まろうと意味もなくスマホを触る。 そんなことを繰り返し時計を見やると、針はいつもの倍速並みで進んでいるのだ。 こんなことでは時間が勿体ないと思い直し、ぼんやりするのはやめて本を

            幻影

            今、懐かしい地で珈琲を飲んでいる。 中途半端に時間が余ってしまい、昔何度も足を運んだこの地に来てみたのだ。 耳馴染みのある駅名を頭に浮かべると、降り立った時の様子や街の空気感が悠々と蘇る。 駅前には確かファミレスがあった。時間を潰すにはもってこいだと思い、その店を目指すことにした。 「お好きな席へどうぞ」 私は瞬時に、自分に襲いかかる事態に身構えた。 この店、なんか無理や。 店内から放たれる澱んだ空気に取り囲まれ、パニックを起こしそうになる。 雨が降る前に感じる身体の不調

            リピート④

            梅雨入りの早さに驚いてはいるのだが、それよりも梅雨らしくちゃんと雨ばかりなことにもっと驚いている。 梅雨入り宣言をするとだいたい晴れが続き、このまま梅雨を飛ばすのか?という頃からやっと雲行きが怪しくなり、そして七夕くらいまではぐずぐずと悪天が続く。それが私の知っている梅雨だ。 こんなに早く、そして律義に雨ばかり。早くきた分早く明けるのだろうか。そうだとしたら今年の夏は長いのだろうか。 夏は短いからいいというのに。 長い間かけて読んでいた本を一冊読み終え、なんだか取り残され

            音のない部屋

            雨。 朝、目の違和感で目が覚める。久しぶりにめばちこが出来ていた。 昨日は両足に不明の痣がたくさんできていた。矯正治療のため口内は切り傷だらけで惨状だ。心身に、蚊に刺された程度の不調が続いている。 「こればかりは仕方がない」という言葉を目にすることすらもう嫌になる。その言葉を発している人には何の罪もない。 悲しい言葉を見すぎてめばちこができたのかもしれない。 そんな一言で割り切れるような気持ちで物事に取り組んでいる人は私の周りにはもういない。それでも、騒いだって何と

            calling

            個展最終日の終了時刻、17時ちょうどにバイト先のスタッフからLINEが連投された。 トラブルがあったのだとすぐに解る。現実への引き戻され方が半端ではない。 明日からバイトに行ってトラブルを解消しなくてはいけない。 残念だとか台無しだとかは思わなかった。そのスタッフは私がこんなことをしていると知らない。帰ってこいということだ。 見ていたかのようなタイミングに笑ってしまった。 もうずっと昔のことのようだ。 今でも時折思い返してはみるが、あの空間を作り上げたということが既によくわ

            魂を象った人形をもとめて

            個展を数日後に控え、思いもよらぬサプライズがありぶるぶる震えています。 今や球体関節人形を語る上で欠かせない存在の珈琲舎・書肆アラビク オーナーの森内さまから、作家大西けい並びに作品への推奨文をいただきました。 素晴らしい文章に読者として読み入ってしまい、自分の事なのかと喜びを噛みしめています。本当にありがとうございました。 以下推奨文 魂を象った人形をもとめて 森内憲(書肆アラビク) 「耳、いらんなあと思って」ことも無げにかの女は言った。 アンティークのパーツや布を

            最後の金曜日

            個展までいよいよ1週間を切りました。 このnoteは、個展へのプロモーションとして開始しました。 実際に作品を見てみたいと思うきっかけになってくれれば、作品を好きでいて下さる方が、より好きを深めてくれたら。 私が語りかける言葉があなたのどこかに少しでも引っかかり、そしてその引っかかりを残したまま会場に来て下されば、会場の空気と作品たちがその引っかかりを全て回収する。絶対に後悔させない。そういう心意気でした。 プロモーションとしてはものすごく回りくどくコアな方へしか届かない

            迷走と功績

            私がしているバイトは接客業で、お客様に一週間後の日付を伝えることが多々ある。 今日は、「一週間後の3月19日で…え?」と思わず言葉が詰まった。 一週間後、3月19日。 ここ最近、FANTANIMA関連に時間を使っていたのであまりよくわかっていなかった。もうすぐ個展が始まるじゃないか。大変だ。 次から次へとやることが出てくる。搬入前日は歯医者とバイトだ、ちゃんと逆算しないと間に合わない。 大変だ、といかにも焦っているようなことを言いつつも実際はそこまで焦っていない。 変な焦

            スタンド・バイ・ミー

            今日はnoteを始めて6ヶ月記念日だそうだ。 週1回だが欠かさないということは短い期間でもそれなりに大変だった。 どういった内容がよく読まれるのか、どういったタイトルや写真だと読んでみたくなるのか。 色々やって分析してみよう、などと思っていたが、分析のためのデータを集められるほど読まれているという実感もなく、そもそもその分析によって得た情報から書く内容を決定するのかと問われたらしないなと思い、途中から気にしなくなった。 読んでもらえなくていいなんて全然思わない。しっかり時間

            dear dream

            2月が終わるともなれば日差しは徐々に春の気配を帯び、外気そのものも青みが薄れているのが解る。 三寒四温は例年のことだが今年は落差が激しい気がする。 今日は生憎の冷たい雨。 あっという間に、個展まで一か月を切った。 前回の個展時に制作したオブジェたちは段ボールに入ったまま3年間静かに押し入れの中で眠っていた。 久しぶりに開封する。 そうやんな、とひとり呟く。 たかが3年!と、些細な悩みくらいなら笑い飛ばしてくれる気がする、そんな力のある作品たち。たかが3年で何が変わるのか

            いよいよラストスパートへ向けてという時だが、まるで身が入らないでいる。あれもこれも段取りが遅延気味だ。 先日個展会場となるギャラリーへDMを届けに行った。 兵庫県立美術館などへも設置協力してくださるとのことで、県立美術館は大好きなのでとてもうれしかった。 改めて内覧させてもらったギャラリーはやはり広かった。 高架下に位置しているため、天井が高い。それで余計に広く感じる。 ギャラリー周辺は繁華街ではないが、こぢんまりした感じのいい店がここそこにある下町だ。 近くの動物園は桜