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日記

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映画「寛解の連続」を観ました。

映画「寛解の連続」を観ました。

いくつになっても心に共鳴し、響くものが増えるのは良いものだなと思う。

色んな事が重なり偶然が偶然を呼び、想像もしなかったようなところへ誘われ、そこで出会う人や物。
スピリチュアルはよくわからないけれど、誤魔化せない波長なようなもので通じるのだろうなというのは結構素直に思ったりする。

大小かかわらず、何か一つリミッターを外してみたらそこから流れ込んでくるもの。

ほっておいても変わりゆくものもあ

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life_is_beautiful

life_is_beautiful

様々な思い出。
大阪。新宿。
引っ越したての何もない部屋。
思い出は、鮮やかに蘇ったりしない。
ただの過去としてそこに在る。

一つの節目。漠然と横たわる恐怖のようなもの。
この世に在る何ものとも同一になることはない、全くの別個体。
いつまでも取り扱いに手こずっているけど、哀れだとは別に思わない。

何かを成し遂げる必要もない。
何者かになんてならなくてもいい。
強がりじゃない。
醜い開き直りはし

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幻影

幻影

今、懐かしい地で珈琲を飲んでいる。
中途半端に時間が余ってしまい、昔何度も足を運んだこの地に来てみたのだ。

耳馴染みのある駅名を頭に浮かべると、降り立った時の様子や街の空気感が悠々と蘇る。
駅前には確かファミレスがあった。時間を潰すにはもってこいだと思い、その店を目指すことにした。

「お好きな席へどうぞ」
私は瞬時に、自分に襲いかかる事態に身構えた。
この店、なんか無理や。
店内から放たれる澱

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リピート④

リピート④

梅雨入りの早さに驚いてはいるのだが、それよりも梅雨らしくちゃんと雨ばかりなことにもっと驚いている。
梅雨入り宣言をするとだいたい晴れが続き、このまま梅雨を飛ばすのか?という頃からやっと雲行きが怪しくなり、そして七夕くらいまではぐずぐずと悪天が続く。それが私の知っている梅雨だ。

こんなに早く、そして律義に雨ばかり。早くきた分早く明けるのだろうか。そうだとしたら今年の夏は長いのだろうか。
夏は短いか

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音のない部屋

音のない部屋

雨。

朝、目の違和感で目が覚める。久しぶりにめばちこが出来ていた。

昨日は両足に不明の痣がたくさんできていた。矯正治療のため口内は切り傷だらけで惨状だ。心身に、蚊に刺された程度の不調が続いている。

「こればかりは仕方がない」という言葉を目にすることすらもう嫌になる。その言葉を発している人には何の罪もない。

悲しい言葉を見すぎてめばちこができたのかもしれない。

そんな一言で割り切れるような

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calling

calling

個展最終日の終了時刻、17時ちょうどにバイト先のスタッフからLINEが連投された。
トラブルがあったのだとすぐに解る。現実への引き戻され方が半端ではない。
明日からバイトに行ってトラブルを解消しなくてはいけない。
残念だとか台無しだとかは思わなかった。そのスタッフは私がこんなことをしていると知らない。帰ってこいということだ。
見ていたかのようなタイミングに笑ってしまった。

もうずっと昔のことのよ

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最後の金曜日

最後の金曜日

個展までいよいよ1週間を切りました。

このnoteは、個展へのプロモーションとして開始しました。
実際に作品を見てみたいと思うきっかけになってくれれば、作品を好きでいて下さる方が、より好きを深めてくれたら。
私が語りかける言葉があなたのどこかに少しでも引っかかり、そしてその引っかかりを残したまま会場に来て下されば、会場の空気と作品たちがその引っかかりを全て回収する。絶対に後悔させない。そういう心

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魂を象った人形をもとめて

魂を象った人形をもとめて

個展を数日後に控え、思いもよらぬサプライズがありぶるぶる震えています。
今や球体関節人形を語る上で欠かせない存在の珈琲舎・書肆アラビク オーナーの森内さまから、作家大西けい並びに作品への推奨文をいただきました。

素晴らしい文章に読者として読み入ってしまい、自分の事なのかと喜びを噛みしめています。本当にありがとうございました。

以下推奨文

魂を象った人形をもとめて
森内憲(書肆アラビク)

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蕾

いよいよラストスパートへ向けてという時だが、まるで身が入らないでいる。あれもこれも段取りが遅延気味だ。

先日個展会場となるギャラリーへDMを届けに行った。
兵庫県立美術館などへも設置協力してくださるとのことで、県立美術館は大好きなのでとてもうれしかった。
改めて内覧させてもらったギャラリーはやはり広かった。
高架下に位置しているため、天井が高い。それで余計に広く感じる。

ギャラリー周辺は繁華街

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リピート③

リピート③

1月。半分が過ぎた。
今年の目標なんて考えてもいない。
体感的には、明日を生きられるのかどうかそれすら危うい。
後ろを振り返れば「終了のお知らせ」というプラカードを掲げた死神が驚くほど距離を詰めて笑って立っているのだろうと思うと、怖くて後ろを見ることができない。

このコロナ禍で浮き彫りになったいくつもの現実と自分の立ち位置。

使い古された祈りで生き残れると思うな。
世界観にあぐらをかくより核を

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本日、暗闇からお届けします。

本日、暗闇からお届けします。

年が明け、お正月が終わり、仕事が始まり、日常が帰ってきた。
日常の根幹が様変わりしてしまったとはいえ、繰り返されるべきリズムがあり、自分がそこに合わせていくということには安心感がある。
安心を守れるというのは大切なことだ。

安心は安全であり、安全は安定と言える。
安定は停滞というのもよく言われる。そして停滞は、どちらかといえば良くないものとして扱われる。

私は今完全に停滞している。下の方で。

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大晦日

大晦日

朝、結露した窓を開けると向かいの屋根に雪がうっすら積もっていた。
昨夜お風呂場で洗ったルームシューズを外に干して寝たので、それはベランダで凍っていた。
寒い寒い大晦日だ。

日頃より丁寧に、普段行き届かないところまで掃除をする。
掃除に飽きたら書類の整理をする。
懐かしい物が出てくるたびに作業の手が止まる。
勤続の表彰状を捨てた。
厄払いの時に頂いた一式は、来年すぐに神社に返しに行こう。

いつも

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人形と私

人形と私

私は人形になりたかった。

何かに感情を揺れ動かされることもなく、微動だにせずただそこに居るという孤高の存在に憧れた。

人形には感情がない。
だから私と人形は相思相愛になることがない。一生一方通行だ。
どれだけ追いかけても絶対に追いつけない。わかりえない。手が届かない。
私はそういうものに恋い焦がれ、憧れた。

私にとって憧れとは、対象そのものになりたいということと同義だった。
そこに自分らしさ

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リピート②

リピート②

急激に冷え込んだ1週間。
バイト先では膝丈のキュロットを履かなくてはいけないのでこの時期は辛い。
リボン付きの薄ピンクのブラウスにチェックベスト。今が令和だということを忘れそうになる時代錯誤な制服。
こういうのはいつになったら滅ぶのだろう。

家の冷蔵庫の中に、調理しきれなかった大根が半分横たわっている。
料理のレパートリーを増やすことにあまり関心がない。大根は、炊くものだ。
半分炊いて食べきった

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