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いよいよラストスパートへ向けてという時だが、まるで身が入らないでいる。あれもこれも段取りが遅延気味だ。

先日個展会場となるギャラリーへDMを届けに行った。
兵庫県立美術館などへも設置協力してくださるとのことで、県立美術館は大好きなのでとてもうれしかった。
改めて内覧させてもらったギャラリーはやはり広かった。
高架下に位置しているため、天井が高い。それで余計に広く感じる。

ギャラリー周辺は繁華街ではないが、こぢんまりした感じのいい店がここそこにある下町だ。
近くの動物園は桜がきれいということもあり、春は特に人の往来が多い。

去年の春は静まり返った動物園だった。
動物たちも、狭い檻の中だが少しは安らげただろうか。
飼育員さんは緊急事態宣言であろうと休みなどなかっただろう。動物園の動物たちは人間がいなければ生きていけない。

個展会期中、桜の開花は微妙なラインだ。
最近の気候はよくわからないのでもしかしたら会期後半は咲いているかもしれない。
未知のウイルスも何も関係なく季節の移ろいと共に咲き誇る花々は、私に生きていくための勇気をお裾分けしてくれた。
スーパーからの帰り道、大きなレジ袋を手に桜を眺めた。それが唯一のお花見。
きっとみんな同じだ。静かな街に咲き乱れていた。それでいいのだと思った。

人生で、何かを成し遂げなければいけないということはない。
作家で成功することや、もっと言えば頑なに作家でい続ける必要もないのだろう。
それでもその道を選ぶのはただの私の意思だ。
私は自分の宿命というものについて、少しばかり理解したように思う。

春になると、庭の花が咲き誇り桃源郷のようだと知らせてくれた。
あの花たちは何も変わらず咲いては枯れてと繰り返すのだろう。
しだれ梅が開花したが、間に合わなかった。
池に石を投げたあとの波紋。姿は見えなくなっても周囲に響く影。



大西けい人形作品展 / calling

2021年3月25日(木)-30日(火)
cultivate gallery
(最寄り:阪急神戸線王子公園駅・JR神戸線灘駅)

3年ぶりとなる個展を地元神戸で初開催。
自身が長年深い思いを抱いている「人形」と向き合い見えてきたもの。たしかな声。

※会場内の換気、消毒など感染症対策を徹底して行います。ご来場の際はお出かけの前の検温、マスクの着用を必ずお願い致します。

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