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リピート③

1月。半分が過ぎた。
今年の目標なんて考えてもいない。
体感的には、明日を生きられるのかどうかそれすら危うい。
後ろを振り返れば「終了のお知らせ」というプラカードを掲げた死神が驚くほど距離を詰めて笑って立っているのだろうと思うと、怖くて後ろを見ることができない。

このコロナ禍で浮き彫りになったいくつもの現実と自分の立ち位置。

使い古された祈りで生き残れると思うな。
世界観にあぐらをかくより核を持て、忘れるな。
雑音から逃れるため装着したはずのヘッドホンから爆音で語りかけてくる声。
うまく処理されずに心の底に溜まっていたゴミたちが意思を持ち始める。

マウント取り返すんか?
何者かになった気で物申す系か?
評価なんてくそくらえか?
言い訳が通用するほど甘ないで。
誰も見てないけど自分が見てるってほらあの人が言うてたやん。
そこで誤魔化したあとのブーメラン何よりも痛いの知ってるやろ。
他人の価値基準で図られたご意見何気にしとんねん泣くな逃げんな開き直んな。


朝起きたって昨晩の爆音が耳に残っている。
一瞬目を瞑っていただけらしい。
青臭い若いって鼻で笑う自分踏み潰すようにベッドから這い上がって今日も一人分のお弁当。

暗闇の深海から、快晴の地上とは違う所に出てしまった。
背後の気配を取り払うかのようにヘッドホンを着ける。
思い出せ、きっと空は青かったはずだ。

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