東野ワトソン

芸人です。

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記事一覧

呑んで忘れたい6

目が覚めると唇がやけに乾燥している 喉が異常に乾いている不思議なものだ お酒とは液体であり大量に摂取し水分で 満たされている気にはなるが エチルアルコールの…

東野ワトソン
5か月前
2

呑んで忘れたい5

「え、どうするんですか?西蓮寺さん」 「まぁ一応、俺が店長だからぁ詫びを入れに。。」 そういって店長は腰にぶら下げた鍵の一つを 店の奥にある金庫に向けて席を…

東野ワトソン
6か月前
3

呑んで忘れたい4

       呑んで忘れたい4 目が覚めたのは14:07 口と目の乾きを覚えながらも つい先ほど自分が異空間で酒を飲んでいたこと 自覚する、ずいぶんと昔のこ…

東野ワトソン
6か月前
5

呑んで忘れたい3

「アンタモノミナサイヨ」そう言われて もうすでに空になったシャンパンが並べられた 席に焦りを感じながら座る。 西蓮寺さんがすでに仕上がった表情をうかべ 2人の確…

東野ワトソン
6か月前
2

呑んで忘れたい2

「名前どうする?」店長から問われる 「別にこだわりないです本名でもいいです」 それを聞いて顎に手を当て何かを考える店長 なぜか指を折りながら数えている。 「…

東野ワトソン
7か月前
7

呑んで忘れたい

街を歩けば人目もはばからず まだ日が昇る前は浮かれていた者の 吐瀉物をカラス達が掃除している この街は金と欲望がいくえにも 交差する歌舞伎町。 「頭痛てぇ…

東野ワトソン
7か月前
5

ねぇ、春。#1

奪う勇気を捨てた者たちは 寄り添うこともなく にわかに夜は消えた 202X年4月 僕は、夜の桜を眺めている。 周りには必要以上の声量で会話をする若者 ワンカップの酒…

6

2021年を振り返る

世間が緊急事態宣言発令時 僕は何をしていたのだろう思い返してみる 1月神保町よしもと漫才劇場がまだ 花鳥風月システムだった。 風ランクであった元コンビ712は 鳥クラス…

7

DMと君と。♯14

公園で相方とネタ合わせをする。 昨日、急に電話したせいかすこし 互いに漫才のテンポが合わない 確実に僕のせいだろう。 僕の中で何か変わったことがあったとはいえ コン…

5

DMと君と。♯13

駅内が一瞬凍りつく。 叫び終わった時、自分の突発的な行動が 迷惑行為だと気付かされる。 「私のこと呼びましたか?」 腰の曲がったお婆さんが話しかけてくる いえ、違い…

4

DMと君と。♯12

僕は頭の中が飽和状態になる。 目の前にいる人物が自分の 娘であるという驚愕の事実を知らされたからだ。 某番組の悪いドッキリじゃないか いや、売れてない芸人にそんな…

6

DMと君と。♯11

店を出ようとする父の手を掴んだ 「私の話をちゃんと聞いて」 私の名前は向井彩奈 令和4年生まれの24歳 職業は警視庁科学調査班に所属する警察官だ。 令和20年より試験…

4

DMと君と。♯10

体が重い。そう表現したくなる朝 時刻は11:21 結構寝てしまった。 相方からラインが来ている。 10:00に今起きたと、了解と返す。 ライブまでの流れは食事→トイレ→一服 …

5

DMと君と。♯9

右脳の痛みが走り目が覚める。 テーブルを見ると飲みかけのチューハイが 並べられている。 吐き気もしてくる、水の味が苦い。 現在18:02朝の出来事から半日が経っていた …

4

DMと君と。♯8

ジュ~という音で目が覚める 自分よりも早く起きて朝食を作っている元彼女 僕は見失ったパンツを探す。 「あ、起きたんだ。」 優しく笑いかける友美の顔を見ながら 付き合…

8

DMと君と。♯7

「おーい、こんばんわたがしーー」 背中に聞き覚えのある声だ。 緩んだ表情筋を引き締めて後ろを向いた 「おつかれ、いつまで経っても終電帰りなんだな」 「私、バリバリ…

5
呑んで忘れたい6

呑んで忘れたい6

目が覚めると唇がやけに乾燥している

喉が異常に乾いている不思議なものだ

お酒とは液体であり大量に摂取し水分で

満たされている気にはなるが

エチルアルコールのせいで逆に

水分がなくなっているのだ。

コップ一杯の水を口へ流す

喉から食道へ食道から胃へ水が

走っているのが分かる。

どうしてだろう、このコップ一杯の水以上に

美味しい飲み物などないのに

人は日が沈

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呑んで忘れたい5

呑んで忘れたい5

「え、どうするんですか?西蓮寺さん」

「まぁ一応、俺が店長だからぁ詫びを入れに。。」

そういって店長は腰にぶら下げた鍵の一つを

店の奥にある金庫に向けて席を立つ。

「諭吉が一枚、二枚・・百枚と」

「百万円?そういうものなんですか?」

西蓮寺が申し訳なさそうな顔をしながら俯く

「百万じゃ怖いから200諭吉持ってか」

「二百万ですか?!」

「じゃあタクトいくよ」

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呑んで忘れたい4

呑んで忘れたい4

       呑んで忘れたい4

目が覚めたのは14:07

口と目の乾きを覚えながらも

つい先ほど自分が異空間で酒を飲んでいたこと

自覚する、ずいぶんと昔のことのように感じる。

充電を忘れたスマホは青く光っている

通知が6件きている。

「今日も来てねぇ」と店長からである

そうか自分は歌舞伎町で働くのかと改めて

認識してしまう。

歯を磨き少し伸びた髭を剃って家を

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呑んで忘れたい3

呑んで忘れたい3

「アンタモノミナサイヨ」そう言われて

もうすでに空になったシャンパンが並べられた

席に焦りを感じながら座る。

西蓮寺さんがすでに仕上がった表情をうかべ

2人の確実に成功者と思われる女性二人を

相手にしている。

「エレンくん紹介するね、こちらチョウ社長と

 イー社長、お金もちだぞ!」

「コラ、ワタシタチヲカネデミテルノカ!」

なんとも愉快な空間だ。

「カワイイ、カオシテルネ、シン

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呑んで忘れたい2

呑んで忘れたい2

「名前どうする?」店長から問われる

「別にこだわりないです本名でもいいです」

それを聞いて顎に手を当て何かを考える店長

なぜか指を折りながら数えている。

「好きなものとかないの?」

「え、音楽とかアニメは好きですかね」

「好きなアーティストは?」

「OasisとかQUEENとか」

「あ、知らないな俺、椎名林檎しか聞かないし」

・・・マジで知らんし。

「アニメ

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呑んで忘れたい

呑んで忘れたい

街を歩けば人目もはばからず

まだ日が昇る前は浮かれていた者の

吐瀉物をカラス達が掃除している

この街は金と欲望がいくえにも

交差する歌舞伎町。

「頭痛てぇ・・」

木南秀(きなみすぐる)は

自分の店の照明とは違う太陽のまぶしさに

目を細めていた。

その町にはもう電車が動いているのにも

関わらず緑茶割りのロング缶をもって

床につけば記憶に残りもしない会話をす

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ねぇ、春。#1

ねぇ、春。#1

奪う勇気を捨てた者たちは
寄り添うこともなく にわかに夜は消えた

202X年4月
僕は、夜の桜を眺めている。
周りには必要以上の声量で会話をする若者
ワンカップの酒を片手にタバコを吸う老人
人の目を気にせずペットボトルをマイクに見立て
漫才を練習する若い二人・・・

僕の名前は吉武孝弘、31歳になる
社会人2年目の何者でもない男だ。

この季節になる度、あらゆる所から
「何かの始まり」という名の

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2021年を振り返る

2021年を振り返る

世間が緊急事態宣言発令時
僕は何をしていたのだろう思い返してみる

1月神保町よしもと漫才劇場がまだ
花鳥風月システムだった。
風ランクであった元コンビ712は
鳥クラス昇格に向け互いを鼓舞していた

1/7 風~戦 堂々の一位

今では想像できないあれですね😅

1/25 風~戦 ランク外

まさかのギリギリ入れ替え戦参戦

1/30 戦 鳥×風

奇跡的に鳥クラス昇格

2月鳥クラスとして

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DMと君と。♯14

DMと君と。♯14

公園で相方とネタ合わせをする。
昨日、急に電話したせいかすこし
互いに漫才のテンポが合わない
確実に僕のせいだろう。

僕の中で何か変わったことがあったとはいえ
コンビとしての日々は何一つ変わらない
未来人という存在、おまけに娘という
衝撃的なシチュエーションを体感したとしても
僕の中で起きた小さな話だ。

相方はいつも同じところを間違える
何も変わらない、何も産まれない、何もない
それも大切な何

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DMと君と。♯13

DMと君と。♯13

駅内が一瞬凍りつく。
叫び終わった時、自分の突発的な行動が
迷惑行為だと気付かされる。

「私のこと呼びましたか?」
腰の曲がったお婆さんが話しかけてくる
いえ、違います。

そう、お婆さんの先にいる君。
目を開いてこっちを覗いている友美。
完全に社会不適合者と思われてしまった自分は
友美には近づかない。

少し時間が経ってから友美のほうから
近寄ってきた。
「どうしたの急に大きな声出して…」

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DMと君と。♯12

DMと君と。♯12

僕は頭の中が飽和状態になる。
目の前にいる人物が自分の
娘であるという驚愕の事実を知らされたからだ。

某番組の悪いドッキリじゃないか
いや、売れてない芸人にそんなことないか
コーヒーの味がしない。

思い当たるふしも無いわけではない
挨拶の語尾に飲食物をつける癖が
友美にはある、おはヨーグルト等

この向井彩奈のDMの語尾もそうだ。
そして何より声が似ている。
少しかすれた声…白い肌…

どこと

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DMと君と。♯11

DMと君と。♯11

店を出ようとする父の手を掴んだ

「私の話をちゃんと聞いて」

私の名前は向井彩奈
令和4年生まれの24歳
職業は警視庁科学調査班に所属する警察官だ。

令和20年より試験が開始されていた
時差移動式調査に携わっている。
簡単にいうとタイムマシーンである。
令和になり時空移動は研究が積極的に進められ
令和17年は事実上、時空の移動は可能になった。

自主的訓練のもと令和3年に来たのだが
それには理

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DMと君と。♯10

DMと君と。♯10

体が重い。そう表現したくなる朝
時刻は11:21 結構寝てしまった。
相方からラインが来ている。
10:00に今起きたと、了解と返す。

ライブまでの流れは食事→トイレ→一服
→歯磨き→髭剃り→髪のセット
このルーティーンを自然とやっている

準備を終え家を出た
今日は人が少なく感じる
駅までの道が自分のためにあるかの様に
駅に着いて飲み物を買う。

電車が予定通りの時間にくる
運良く席に座りスマ

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DMと君と。♯9

DMと君と。♯9

右脳の痛みが走り目が覚める。
テーブルを見ると飲みかけのチューハイが
並べられている。
吐き気もしてくる、水の味が苦い。
現在18:02朝の出来事から半日が経っていた

今思えば過去に戻ったかの様な
時間を過ごし不思議な気持ちになる
この頭痛が現実に戻ったと改めて知らしめる。

スマホに同期の古賀から連絡が来ている
「20時からライブあるから終わったら飲も」
誘われたら断れない僕…

「おけ」

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DMと君と。♯8

DMと君と。♯8

ジュ~という音で目が覚める
自分よりも早く起きて朝食を作っている元彼女
僕は見失ったパンツを探す。

「あ、起きたんだ。」
優しく笑いかける友美の顔を見ながら
付き合っていた時期を思い出す。

4年前に合コンで出会い
たまたま帰り道が途中まで一緒だったことから
仲良くなり付き合うことになった。

とくに友美自体はお笑いが好きでなく
お笑い芸人と付き合いたいという感覚はなく
シンプルに僕の顔が好き

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DMと君と。♯7

DMと君と。♯7

「おーい、こんばんわたがしーー」

背中に聞き覚えのある声だ。
緩んだ表情筋を引き締めて後ろを向いた
「おつかれ、いつまで経っても終電帰りなんだな」

「私、バリバリのキャリアウーマンですから」

そこにいたのは4年間付き合っていた
元彼女の堀友美であった。
お笑いと私どっちが大切なのという質問に
お笑いと即答してしまったことが原因で
別れた彼女である。

「電車出発しまーす。」
駅員の声で自分の

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