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DMと君と。♯10

体が重い。そう表現したくなる朝
時刻は11:21 結構寝てしまった。
相方からラインが来ている。
10:00に今起きたと、了解と返す。

ライブまでの流れは食事→トイレ→一服
→歯磨き→髭剃り→髪のセット
このルーティーンを自然とやっている

準備を終え家を出た
今日は人が少なく感じる
駅までの道が自分のためにあるかの様に
駅に着いて飲み物を買う。

電車が予定通りの時間にくる
運良く席に座りスマホでネタの台詞を確認する
今日のライブで今月は最後。
来月にいいイメージで持っていけるよう…

そんなことを考えていると
あっという間に劇場についていた
少し早めに相方が入っており
ネタ合わせをした、相方の要望にも
いつも以上に素直に応じた。

出番は3番目今日はお客さんが温かい
アドリブでツカミにボケ入れようかな…
出囃子が鳴る、相方は先に出ていく
ツカミしようかな…どうしよう…

悩んでいると相方は自己紹介で
コンビ名を豪快に噛んだ、変な笑いが起こる
ツカミはやめよう…。

その流れのまま漫才は終わり
終始ウケていた、噛んだことは怒りたいが
その空気を作ってくれたことには感謝だ。

出番終わりに喫煙スペースで
二人ともタバコを吹かす。
会話がとくにあるわけでもないが
僕は意を決して話す

「今日、出待ちしてくれる人いるやけど
     一緒にやってくれないかな?」

「やだ。パチンコ行きたいから」

はい、終了、こういうとこ嫌い。

ライブが終わり劇場外に出る
いたいた、アヤメンタルこと向井さんが
「ここで話すのはあれなんで喫茶店に」
と向井が言ってくる。

良くないお笑いファンだと思う
喫茶店までは行ってやろう
そして最後に言ってやるんだ
「金輪際、この様に直接会うことはない。」と
一度会ったことでもう会えるとでも思ってる

劇場から少し離れた喫茶店で
アイスコーヒーを頼んだ
強気な姿勢を見せようと思った僕は自分から
「で、話すことって何?」

彼女は躊躇うような表現でいう
「私があなたに近づいた理由は分かる?」

「分からないなぁ」

「私が…変なこと言っても信じてくれる」

「内容によるかな、」

「私ね、」

「うん。」

「この未来から来た人間なの」

「は?」

「あなたに辛い思いをしてほしくなくて」

「えぇ。」

「未来から来たの。」

理解が出来ない。
イカれてるファンもいるものだ
本当に怖い人間だ。

「ねぇ信じてよ」

「そんなこと言われてもなぁ」

「あといい加減に気付いてよ」

「はい?」

「お父さん…私のお父さん。」

「…ちょっと店でるよ。」

(つづく)

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