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コム活日記☆

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半僧半俗である虚無僧の俗人目線で虚無僧活動を綴ります✏️
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#エッセイ

歩く供養塔☆の話

歩く供養塔☆の話

最近、あちこちにある石塔やら石仏やらを調査していたら、自分もなんだか石塔やら石仏になったような気がしてきた。

時代錯誤も甚だしい格好で、江戸のかけらも無い真新しい街中に立っていると、虚無僧は石塔並みかも知れない。

ということで、

ワタクシ石塔です。

なんて気持ちで吹いていた。

この日は吉祥寺駅周辺エリア。

すると珍しくいつもより反応があった。

年齢層の幅も広く、若い人から年配の方まで

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ついていないコム活☆

ついていないコム活☆

某地下道にて。しばらく吹いていてもいつものことだが人々の反応はない。オバチャンが10円くれただけだった。

場所を変えようと、隣の駅に行く。

ここは、後ろが壁で、高架下のため音がよく通るので、誰かしら聞いてくれる場所ではある。

が、

眼の前に、下校途中の高校生が5、6人たむろしはじめた。

元気な高校生の話し声には負けてしまう。

そして、何やらチクリとすると思ったら、蚊が飛び立っていった。

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路上の人々★

路上の人々★

駅前で何か活動をやっている人というと、募金活動や署名活動、政治家の辻立ちや、物販、演奏活動やパフォーマー等々。

あとは、宗教活動者だ。

誰でも見たことのあるキリスト教系の二人組、富士山の写真のチラシを配る人。

虚無僧なので私もそのひとりになるのかも知れない。網笠に絡子、偈箱の「不生不滅」は仏教感あふれている。

先日、とある女性が話しかけてきた。

「あなたはもしや2〜3年前、吉祥寺でも活動

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男の人と、男の子。

男の人と、男の子。

最近のコム活ばなし。

とある駅前で、吹いておりました。

仕事帰りではなさそうな感じの(編み笠からは足元しか見えませんが、サラリーマンぽくないゆるい格好の)男性たちが、どこの居酒屋に行こうか相談しているようだった。  

しばらくして私に気がついて、目の前で立って聞きはじめた。

一曲吹き終わっても、立っている。

これは吹きつづけた方がいいのかな、

ともう一曲、短めの「大和調子」を吹いてみる

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夜の虚無僧☆中央線・総武線篇

夜の虚無僧☆中央線・総武線篇

高円寺〜大久保〜新宿〜飯田橋

普段はあまり夜は虚無僧しませんが、この8月は夕方5時過ぎても30℃超えが続き、流石に日が沈んでから行くことにする。

何故、夜やらないかって、

編笠かぶった全身黒尽くめの格好をした虚無僧が夜、駅前に立ってたら怖い。

周りにマンションあるような駅だと通報されやすい。

朝3時半起きしている。

というわけで、

夜は周辺に住宅のない賑やかな駅を選びます。

神楽坂

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夏のコム活☆夕暮れ時の人々

夏のコム活☆夕暮れ時の人々

いやはや、永遠にこのまま暑い日々が続きそうです。

あまり暑すぎると野菜の成長が止まってしまうのだそうだ。

そう言えば我が家のベランダ菜園のインゲンもキュウリも全然大きくならない…。

ピーマンも暑さで傷んでしまっている。

その代わり、この晴天続き。

梅干しは干し放題だ。

ということで、

ご飯と梅干しの日々が続くのか。

ま、我が家の事情はいいとして…、

あまり気温が高すぎるとコム活に

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乞う。を考ふ☆地下街の洋服屋の前で

乞う。を考ふ☆地下街の洋服屋の前で

コム活中、あまりの暑さで朦朧としてしゃがみ込んでいたら、目の前の偈箱にチャリンと入れてくれた人がいた。

後ろ姿は、見るからに日本人ではない海外の人。

しゃがんでいるだけでくれたということは…、

改めて自分の姿を見てみるに、完全にボロをまとった乞う人。

夏仕様の虚無僧スタイルは、上着はかなり使用感のあるインド綿の黒の羽織のようなもの。パンツはもんぺ型で作った黒パンツ。黒布が足りなかったため二

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お腹の減らない方法☆コム活日記☔ある地下道にて。

お腹の減らない方法☆コム活日記☔ある地下道にて。

生きているとお腹が減る。

尺八なんか吹いてたらさらにお腹が減る。  

  

時々、コム活中に、お腹が減ったという感覚を強烈に自覚するということがある。

シャリバテというやつだ。

ちょうど劇団Pカンパニーによって公演された作・別役実の『招かれなかった客』『消えなさいローラ』2本立てを観た日のこと。

演出は冨士川正美氏。音楽は日高哲英氏のゴールデンコンビで、共にフリーの大道具の頃にとてもお

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コム活日記☆デタラメも悦に入れば…。

コム活日記☆デタラメも悦に入れば…。

辻立ち虚無僧で吹く曲はだいたい決まっている。
調子、虚鈴、大和調子、阿字観と続けて吹いて、その後は、虚空や瀧落、三谷に志図の曲、鉢返しに紫鈴法、筑紫鈴慕、奥州三谷、布袋軒鈴慕などなど。

いつどこで誰が聞いているか分からないので、一応真面目に吹く。

結構、知っている人に聞かれていたりするかも知れない。

何故ならこの数年の間、私の吹いている曲名を知っていた、3名の尺八奏者に路上で声を掛けられたの

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世界一重たい五十円玉。

世界一重たい五十円玉。

辻立ちを終え、編み笠をとり、絡子(袈裟)を外したりして、帰り支度をしている時に、たまに「はい」とお布施を頂くことがある。

「あ、...どうも。」なんて不意をつかれたように固まってしまう。

いつも偈箱に入れてもらっているので、素手でもらうのに抵抗があったりもする。

この日は、少女とも大人ともつかない面立ちの女性が、手に五十円玉を持って、しゃがんでいる私の方に差し出している。

ややうつむき加減

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ひさびさコム活☆高山にて

ひさびさコム活☆高山にて

中央道を関東から西へ西へ。

八ヶ岳も久しぶりに拝みました。

美しい。

秋ですなぁ。

先週、先々週と週末に台風が2週続けてきましたが、今週末は爽やかな秋晴れ。陽射しの下では暑いくらいでありました。

高山の観光地独特の和やかな雰囲気の上三之町にて、辻立ちコム活。

目の前にはたくさんの人々がそぞろ歩きをしております。

コムジョスタイルが、高山の古い町並みに溶け込みすぎて、ただ写真だけ撮って

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そんな大人にいったいいつなれるんだろう。

そんな大人にいったいいつなれるんだろう。

某駅前で辻立ちをしていたら、白髪のご婦人が少し離れたところで何やらゴソゴソしていて、そしてツツツと近づいてきて、白い紙に包んだものを偈箱に入れてくださった。

おお、恐れ入ります。

一礼すると、

私はお箏を弾いてたのよ、尺八の音が懐かしくて、綺麗な音ね。なんて話しかけてくださった。

良かった。お箏を弾く方にちゃんと尺八の音だと分かっていただいて。

と安心した。

家に帰り、その白い紙を見て

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尺八とジェンダーギャップ🌈

尺八とジェンダーギャップ🌈

某駅前にて。
一曲吹き終わり、編み笠を上げて見やると、今風の可愛いセーラー服を来た女子中学生が私の横に立ち、パチパチ手を叩いてくれていた。

「綺麗な音がするな〜と思って・・・」

あら嬉しい❤️

「2年前も尺八吹いているのを見ました」とのこと。

おお、覚えててくれてたの、ありがとう❤️
また会えたなら偶然だねぇ。

「この長い棒は何ですか?」

ああ、このつっかい棒ね。前も、お父さんが尺八奏

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辻立ちを排除された駅に、暫くしてからまた辻立ちに行ってみる。

辻立ちを排除された駅に、暫くしてからまた辻立ちに行ってみる。

雨降りは虚無僧ができる場所が限られるのである。

なので、以前警備員さんに排除された場所にもう一度行ってみたりする。
性懲りもなく。

何度も行っていたけど、ある日突然警備員さんがやって来て「ここは禁止です」なんて言われたりする。

しかしながら、こちらにとって良い場所というのがあるのだ。

何故良い場所かというと、その雨降りでも出来る屋根がある場所ということ。そして下校の子どもたちが大勢通るのだ

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