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教育とコーチング

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公立中学校教師だった著者が、1997年、アメリカから日本に初めてコーチングが導入された現場に立ち合い、人の才能を引き出す部分にコーチングの魅力を感じ、教師をやめコーチとして独立。… もっと読む
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今こそ感動を語れ!

今こそ感動を語れ!

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「心に火がつけば人は走り始める」
河合文化教育研究所 主任研究員 丹羽健夫氏インタビュー

子どもの学力低下が叫ばれている。

しかし、国も親も教育界も、みな迷走を続けている。
何が問題なのか。

30年以上、予備校の側から教育現場の崩壊を見つめてきた丹羽は、先生や親が、自信が感動した経験を、情熱を持って子どもに伝えていないことが本質だと指摘する。

上っ面のテクニックを押しつけても、

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女性の感性は組織のバロメーター

女性の感性は組織のバロメーター

現在、人材育成の仕事をしていますが、男性リーダーで、女性部下の指導に悩んでいる方は結構多くいます。

私も学校の教師をやっている時には女子生徒の指導には手を焼きました。

授業などで、「前に集まってくださ〜い」と指示をした時に、男子が近距離で集まるのに対して、女子は半径3mぐらい離れて集まる。みたいなものを皮切りに、僕も意識しすぎている部分が多分にあったのだと思いますが、距離感をとても感じていまし

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コーチ型校長の’巻き込み力’

コーチ型校長の’巻き込み力’

教育関係者向けの講演は、全国から依頼が来て、これまでいろいろなところに行かせていただきました。

講演に行った時は必ずと言っていいほど、校長先生や教頭先生などの管理職の方ともお話をします。

管理職になる方々ですから、流石に話は上手いし、面白い体験談をいろいろと話してくれます。

今日は、2012年に富山県黒部市に行った時の教育センター長さんから聞いたお話です。

その方が教頭先生だった頃、初めて

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WHY?(なぜ?)は女子生徒を遠ざける

WHY?(なぜ?)は女子生徒を遠ざける

これまで、中学校8年・小学校4年、教育委員会2年を経験し、2006年に現在のコーチへと転身しました。

このようなキャリアがあることもあり、学校関係や教育委員会関係からコーチング研修・講演の依頼がよくあります。

これまではほぼ毎年、講演・研修・セミナー合わせて100本以上をこなしていました。

呼んでくれる教育委員会担当の方は、以前、教師だったというパターンが多く、打ち合わせや当日終わった後に教

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お坊さんにコーチング

お坊さんにコーチング

教師から教育委員会へ出向し、そして2006年にコーチとして独立し、いろいろな講演・研修の依頼をいただいていました。

その中でも、2008年に僧侶の方々からコーチング研修の依頼が来たことがあり、大変面白く、今でもその時のことは思い出します。

各お寺では、夏休みに子どもたちを集めてラジオ体操をしたり、説法をしたりするようで、その時に子どもとの関わり方を教えて欲しいということでの依頼でした。

僧侶

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間接承認

間接承認

僕が教師を行っていた地域はとても教育に対して熱を入れてしっかりと取り組んでおり、日本三大教育と呼ばれていた地域の一つでした。

その名残からなのか、どの学校にも名物先生がいて、その先生の授業を見ているととても刺激を受け、その先生のようになりたいなあと思ったものでした。
常に授業を見せ合う交流の機会があり、お互いに切磋琢磨しながら授業の腕を磨いていたと思います。

上手くいかない日々僕が小学校に移っ

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Kちゃんとの関わり

Kちゃんとの関わり

中学校の教師から人事異動で小学校の教師として赴任しました。

最初は5年生の担任になりました。

すごく素直で個性的な子どもたちで、僕にとっては可愛いく愛おしい子どもたちでした。

小学校に来て、子どもの話を理解するためには全身全霊で聞かないと理解ができなかったので、聞くスキルが磨かれたと思います。

そんな担任をしている中で、一人の気になるKちゃんと言う生徒がいました。

周りより少し成長が早く

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「すごい先生のシンプルな授業」

1999年の6月、辻先生のクラス(小学校6年生担任)で行われた理科の授業。
45分ある授業のほんの一部です。
その45分の授業の中で、辻先生がしゃべるのは3回だけ。
最初と途中の軌道修正の質問と最後。
それ以外は、ずーっと子どもたちが授業を進めていきます。
それでは動画をご覧ください。

この先生のインタビューはこちら
→ https://coaching-syst.co.jp/2008/07/2
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小学校の授業で組織開発の基礎を学ぶ

小学校の授業で組織開発の基礎を学ぶ

2000年に人事異動の関係で、中学校から小学校へ移動になりました。

小学校に行ってみたいと思ったのは、下記の動画の子どもたちを見たのが大きいと思います。今でも、この瞬間の雰囲気を鮮明に覚えています。

下記の動画は1999年の6月、辻先生のクラス(小学校6年生担任)で行われた理科の授業。

45分ある授業のほんの一部です。その45分の授業の中で、辻先生がしゃべるのは3回だけ。
最初と途中の軌道修

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マイアミの奇跡を起こしたブラジル人ゴールキーパーコーチから学んだ本当のコーチング

以前、中学校のサッカー部コーチをやっていたころ、三重県代表Uー14コーチも兼任していました。

東海地区の代表チームが集まって東海代表のセレクションも兼ねた練習会が行われる機会に、日本代表ゴールキーパーの川口能活さんの当時コーチであったド・プラドジョゼ・マリオ・ソアレスという(以下マリオ)というゴールキーパーコーチに指導してもらうことがありました。

ブラジルに勝つという奇跡を起こした全日本代表の

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悔しさを味わう

前回のコラム(現場で使えないコーチング)では、僕が中学校のサッカー指導者をしていた頃に、必要以上に教えないことで、選手の主体性を引き出すポイントをつかんだという話でした。

それ以降、私が叫んで教えたり、コントロールすることがめっぽう減っていきました。
そして、その後、成果が出たのか?
というところから今日のお話をしたいと思います。

サッカー部の練習メニューは、日頃、僕が練習メニューを決め、すべ

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現場で使えないコーチング

現場で使えないコーチング

97年にコーチングと出会い、学校現場で使っていましたが、最初は思ったような成果が得られませんでした。

「やっぱり学校では無理なのかな〜」
「理想論かな〜」
と、諦めかけた2年目に、やっとポイントに気づき始めます。

今日は、その時のお話です。

当時私はサッカー部のコーチをしていました。僕がコーチしていたチームは小学校でサッカー経験をしている生徒がほぼなく、よく試合では負けていました。

僕は、

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僕とコーチングの運命的な出会い

公立中学校の教師になって5年目、27歳。ある意味中堅に差し掛かった頃でした。

その頃の自分は、何か自分がやっている教育にしっくり来ていませんでした。

子どもが好きで、教えるのが好きで教師になったけど、そう思える場面が少なく、子どもと交流できる喜びや、教える喜びというものが部活動以外では味わえない感覚があり、日々悶々と生活していたのを思い出します。

自分の好きなことや、良いと思ったことを教える

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