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女性の感性は組織のバロメーター

現在、人材育成の仕事をしていますが、男性リーダーで、女性部下の指導に悩んでいる方は結構多くいます。

私も学校の教師をやっている時には女子生徒の指導には手を焼きました。

授業などで、「前に集まってくださ〜い」と指示をした時に、男子が近距離で集まるのに対して、女子は半径3mぐらい離れて集まる。みたいなものを皮切りに、僕も意識しすぎている部分が多分にあったのだと思いますが、距離感をとても感じていました。

私が中学校2年生の担任をしていた時の話です。
その年も女子生徒との距離はちょっと遠いなあと思っていた時に、ある問題が起きました。

学校の校門の近くで、女子生徒が大きな声でワンワン泣いていて、女の子が20人ぐらいその周りに集まっていました。

「どうしたの?」と聞くと、「先生は関係ないでほっといて」と周りの女の子が言ってきました。
しかし、あまりにも収集がつかず過呼吸的になってたこともあって、体調面でほっておけないので、その子を保健室に連れて行くという口実で強引に連れだしました。

その泣いていた女子生徒に話しを聞くと、どうも、部活動の顧問から受けた指導でびっくりしてしまい、感情が止まらなくなってしまったそうです。
その場で話を治めることもできたのですが、そのようなことをする顧問の先生ではないと思ったので、直接その先生に会って話しを聞こうと、これまた強引に連れて行きました。

その顧問の先生もその場で、ご自身の指導について謝罪をしたこともあり、互いの誤解も晴れ、その子はスッキリしたらしく、その件はそれで解決しました。

しかし、次の日から違ったのが、他の女子生徒達の私への近寄り度でした。

いつもは、私の半径3mぐらい周りに女子の円ができていたのですが、1m圏内まで近く寄ってくるようになりました。

なにかあると状況を報告してくれるようになったり、その後も自主的に動いてくることが多くなりました。

どういう噂が流れたのかわかりませんが、こういう時の情報伝達は女子間では早いです。


私自身がリーダーシップを取って問題解決に向けて動いたことで、「安心感」が女子生徒との間にできたのだと思います。

女性はそういうのに敏感です。この人は、勇気を持って、私を守ってくれる人かどうか?を見ていますし、直感的に感じています。
そして、いろいろと行う行動については、噂が瞬く間に広がります。

このことから学んだことが、女性は「不安」に敏感だということです。

男性から見ると、陰口を言って組織のモチベーションを下げたり、パフォーマンスが気分に左右されたり、仲間同士でつるみすぎているのが異様だったりするので、そこを直接変えたくなってしまうのですが、それらの行動は、組織に不安があふれているから起こる行動かもしれません。

グループ運営に携わってきた経験上、それらを直接的に変えようとしても、うまく行った試しはありません。それどころか、それらを直接的に扱って人間関係が泥沼化していく所を何度も見てきました。

それらの行動を見た時に、社会人として注意・指導することは大切ですが、無理に修正させようとしたり、個人的に責めすぎたりするとドツボにはまります。
そういう時は、「そうか、組織的に、何かうまく行っていない部分があるかもしれないぞ」と、まずは組織全体をチェックするようにしています。
しばらく放っておくと消えて行ったりすることもありますし、何かプロジェクト的な取り組みを入れることで組織が活性化していくうちに消えていくこともあります。
その他の大きな問題が起こると気にならなくなったりもします。

何よりもリーダーとして、自分自身がきちんと責任を取って行動しているか?逃げていないか?ということをチェックすることが大切だと思います。
リーダーが逃げ腰だと組織のリーダーが不在になり、不安が横行するのは当たり前の事です。その不安が原因となって、それぞれに抱えている問題が勃発するという仕組みです。

いい組織には、安心感が流れています。何があってもリーダーが守ってくれる、他の人が助けてくれる。そういう雰囲気が組織に流れている所は、持ち味や良い面が出てくるのです。そういう雰囲気に敏感なのが女性なのです。

女性の感性は組織の心理的安全性のバロメーターだと思います。


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