稲垣友仁/共創コーチ®

国際コーチ連盟(ICF)プロフェッショナルコーチ、宇都宮大学非常勤講師「共創コーチング…

稲垣友仁/共創コーチ®

国際コーチ連盟(ICF)プロフェッショナルコーチ、宇都宮大学非常勤講師「共創コーチング特論」担当。三重県公立中学校教諭、小学校教諭を経て、三重県教育委員会へ出向。その後、2006年にコーチとして独立。中学校教諭時代はサッカー三重県代表U-14のコーチも務める。

マガジン

  • 教育に使える原理・原則&エビデンス

    教育とは、目の前の人の成長や発達に寄与する意図的な営みです。 そこには、個人の才能や特性、周りの環境、目には見えない人間関係など様々な因子が影響しています。 教育で使える原理・原則やエビデンスを紹介していきます。

  • 人生を変えるコーチング

    1997年アメリカから日本に初めてコーチングが導入された現場に立ち合い、公立中学校教師だった著者が、人の才能を引き出すコーチングに魅力を感じ、教師をやめコーチとして独立。人生を変えたコーチングについて体験談を紹介。

  • 教育とコーチング

    公立中学校教師だった著者が、1997年、アメリカから日本に初めてコーチングが導入された現場に立ち合い、人の才能を引き出す部分にコーチングの魅力を感じ、教師をやめコーチとして独立。 企業の人材育成、子どもの教育など、現場でコーチングを活かす体験談を紹介

最近の記事

  • 固定された記事

金子書房さんの新Webメディア『note』の特集「子どもたちのためにこれからできること」に寄稿しました

    • 「働きアリの法則」に学ぶマネジメント論〜チーム全員を動かすリーダーは何が違うのか ?〜

      優秀な人材がいるだけではチームの成績は上がらない以前、地方の役所のコーチングプロジェクトを担当したことがありました。 僕の役割は、役所のマネージャークラスの方のコーチングをすること。研修や一対一の面談を経て、グループ全体の風土改革を狙います。 その中に、こんな方がいました。 「私の部署では、仕事をきちんとやる人とやらない人が決まってしまっているんですよね。チーム内で凄く差があります」 悩みを話してくださったのは50代の男性。税を扱う部署の課長さんで、当時20人程のチー

      • 伝染の法則

        前回はシーソーの法則を紹介しました。 相手を変えようとした時に、目には見えない関係性の「主体」と「依存」のアップダウンにハマってしまう可能性があるという話でした。 教育する場面で、もう一つ知っておいたほうがいい法則が「伝染の法則」です。 これは、シーソーの法則とは違って、相手を変えようと思っていない時に起こるものです。 遠くへ飛び込め私が小学校6年生の時、水泳の授業で飛び込みスタートの授業がありました。 当時の担任の先生は、何でも子どもに任せるタイプだったので、自分が水

        • シーソーの法則

          人と人が出会うと、相手との関係性において不思議な法則が生まれることがあります。 教育する場面で覚えておきたい一つに、「シーソーの法則」というものがあります。 例えば、分かり易いのが親子関係。 親が盛り上がれば盛り上がるほど、子どもが盛り下がる。 母:「ねえ、宿題やったの、早くしないと寝る時間になるわよ。~君はお風呂に入るまでに毎日やっているっていってたわよ。それと、この洋服は何?いつもきちんと洗濯機に入れろって・・・」       ↓ 子ども:「今から勉強やろうと思っ

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        金子書房さんの新Webメディア『note』の特集「子どもたちのためにこれからできること」に寄稿しました

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          3本
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          自分を信じて飛んでみたら、翼が開いた

          独立してから開花された才能がいくつかあります。 今日はその中の一つを紹介したいと思います。 独立したての2006年、ある県の大学生向けコーチング授業を行政から受諾しました。その県には11大学あり、全ての授業に関わらせていただきました。 いろいろなパターンの授業をやっていましたが、キャリアの授業で「’強み’を見つける」という授業が評判よく、次の年のリクエストも多かったです。 その授業は14年たった今でも高校生、大学生向けに行っています。小学校高学年から大人まで幅広い対象に

          自分を信じて飛んでみたら、翼が開いた

          1つ前のキャリアがあなたのライフワークを後押しする

          教師から独立したての頃はパーソナルコーチングのみを行っていて、教員向け講演の依頼もいくつかいただいていたのですが、全て断っていました。 学校教育の世界で14年間行っていた自分が、それをやめてコーチの道を選んだということが、自分の中では学校教育を捨てた裏切り者的な勝手なレッテルを貼っていたのかもしれません。 当時は36歳ぐらいだったので、まだまだ自分よりも年配の先生方に語れるものも持ち合わせていなかったし自信もなかったのだと思います。 そのような中、昔の先輩からコーチング

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          今こそ感動を語れ!

          ————— 「心に火がつけば人は走り始める」 河合文化教育研究所 主任研究員 丹羽健夫氏インタビュー 子どもの学力低下が叫ばれている。 しかし、国も親も教育界も、みな迷走を続けている。 何が問題なのか。 30年以上、予備校の側から教育現場の崩壊を見つめてきた丹羽は、先生や親が、自信が感動した経験を、情熱を持って子どもに伝えていないことが本質だと指摘する。 上っ面のテクニックを押しつけても、人は磨かれない。 今こそ大人は感動を語れ。 それで魂が揺さぶられて、好奇心に火が

          今こそ感動を語れ!

          独立失敗 〜決める力〜

          現在、プロフェッショナルコーチとして仕事をしていますが、以前は中学校の教師をやっていました。 「公務員から独立するには、大変な勇気がいったでしょう」 と、よく言われます。 確かにそうだったのですが、自分自身の勇気よりも、もっと大変だったのが、自分にとっては、親の説得でした。 僕は、独立に向けて4年の歳月をかけて準備をしてきました。 実は、2年目で独立出来ると計算していたのですが、その時、親の大反対に会い、あえなく撃沈していた事があります。 やりたいことをとことんやるそ

          独立失敗 〜決める力〜

          iP-Uコーチング①〜近未来の科学技術人材育成の形〜

          2014年に宇都宮大学の共創コーチング特論を一緒に担当していただいている先生からお話があって、今度、JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)が助成をして行う事業に応募するので、ぜひコーチングを教育の主軸にして他大学との差別化を測りたいということで、コーチングの部分について担当することになりました。 その応募した企画は、「グローバル・サイエンス・キャンパス」と呼ばれます。 大学が、将来グローバルに活躍しうる傑出した科学技術人材を育成することを目的として、地域で卓越した意

          iP-Uコーチング①〜近未来の科学技術人材育成の形〜

          どうして、国立大学で’共創コーチング’の授業が生まれたのか

          2008年11月26日に日経新聞に掲載されました。 大学の正式な授業としては全国初になったコーチング授業を、2008年11月から受け持つことになりました。 ことの経緯は、当時、大学では、FD(ファカルティ・ディベロップメント Faculty Development)と言って、大学教員の教育的な資質向上を求められており、各大学それぞれ授業評価システムを導入して、学生に授業の評価をしてもらうなど、それぞれ独自の取り組みを行っていたと聞いています。 特に宇都宮大学では、大学院

          どうして、国立大学で’共創コーチング’の授業が生まれたのか

          お寺で学んだ’引き算の美学’

          当時、コーチとして独立することを決めていた私ですが、独立して本当にコーチとして成功出来るかどうか不安でした。 それは、私がやりたいライフコーチングがまだ日本では普及されるまでには至っていなかったからです。 2003年当時の日本では、ビジネスコーチングが流行り始め、企業でのコーチング研修が増えていた頃でした。 「コーチング研修を受けたい」「コーチングを学びたい」人はいても、パーソナルコーチングを個別に受けたいというニーズは、当時は少なかったように思います。 アメリカでは

          お寺で学んだ’引き算の美学’

          ビジョンの力

          僕が小学校の教師をやっている時に、妻が2002年からコーチとして活動し始めました。 当時、コーチと言う仕事をしている人は少なく、HPを持っている人もほぼいない時に、妻はHPを作って成功していきます。 妻から企業内の人間関係のいざこざや、教育についての相談に乗っている時に、自分もコーチとしてやってみたい。いや、やれる。 そう言う思いがふつふつと湧き上がってきたある日、コーチとして独立することを決意します。 その時に、独立に向けてビジョンを描いてくれるコーチを雇いました。

          女性の感性は組織のバロメーター

          現在、人材育成の仕事をしていますが、男性リーダーで、女性部下の指導に悩んでいる方は結構多くいます。 私も学校の教師をやっている時には女子生徒の指導には手を焼きました。 授業などで、「前に集まってくださ〜い」と指示をした時に、男子が近距離で集まるのに対して、女子は半径3mぐらい離れて集まる。みたいなものを皮切りに、僕も意識しすぎている部分が多分にあったのだと思いますが、距離感をとても感じていました。 私が中学校2年生の担任をしていた時の話です。 その年も女子生徒との距離は

          女性の感性は組織のバロメーター

          コーチ型校長の’巻き込み力’

          教育関係者向けの講演は、全国から依頼が来て、これまでいろいろなところに行かせていただきました。 講演に行った時は必ずと言っていいほど、校長先生や教頭先生などの管理職の方ともお話をします。 管理職になる方々ですから、流石に話は上手いし、面白い体験談をいろいろと話してくれます。 今日は、2012年に富山県黒部市に行った時の教育センター長さんから聞いたお話です。 その方が教頭先生だった頃、初めて教頭として赴任してから3ヶ月ぐらい経った時に、校長先生がツカツカと寄ってきて、

          コーチ型校長の’巻き込み力’

          WHY?(なぜ?)は女子生徒を遠ざける

          これまで、中学校8年・小学校4年、教育委員会2年を経験し、2006年に現在のコーチへと転身しました。 このようなキャリアがあることもあり、学校関係や教育委員会関係からコーチング研修・講演の依頼がよくあります。 これまではほぼ毎年、講演・研修・セミナー合わせて100本以上をこなしていました。 呼んでくれる教育委員会担当の方は、以前、教師だったというパターンが多く、打ち合わせや当日終わった後に教育話で盛り上がります。 「講演を聞いて思い出したんですが」と言ってご自身の体験

          WHY?(なぜ?)は女子生徒を遠ざける

          お坊さんにコーチング

          教師から教育委員会へ出向し、そして2006年にコーチとして独立し、いろいろな講演・研修の依頼をいただいていました。 その中でも、2008年に僧侶の方々からコーチング研修の依頼が来たことがあり、大変面白く、今でもその時のことは思い出します。 各お寺では、夏休みに子どもたちを集めてラジオ体操をしたり、説法をしたりするようで、その時に子どもとの関わり方を教えて欲しいということでの依頼でした。 僧侶の中には、大学で教鞭をとる方もいて、寝てる生徒に対してどうしたらいいのか?など、

          お坊さんにコーチング