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現場で使えないコーチング

97年にコーチングと出会い、学校現場で使っていましたが、最初は思ったような成果が得られませんでした。

「やっぱり学校では無理なのかな〜」
「理想論かな〜」
と、諦めかけた2年目に、やっとポイントに気づき始めます。

今日は、その時のお話です。

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当時私はサッカー部のコーチをしていました。僕がコーチしていたチームは小学校でサッカー経験をしている生徒がほぼなく、よく試合では負けていました。

僕は、サッカーをやっていた経験もあるので、彼らよりもサッカーを知っていて彼らを勝たせたい一心で、試合中は、よく声をだして選手に指示をしていました。

「左だろ」「逆へふれー」

「違う、右だろー」「左にボールを回せー」など、

選手のプレー中に指示命令するので、選手たちもやりにくかったのではないかと、今になっては思います。

そんな中、コーチングと出会い、コーチングを生徒に使い始めましたが、残念ながら、期待していた通りのイメージでは最初は使えていませんでした。

質問しても変わらないし、褒めてもそんなに劇的に変わるものではないので、結果重視のスポーツ指導では使えないかもしれないと思って、使用を半分あきらめかけていました。

しかし、ある時、転機が訪れます。

僕のチームのサッカー指導者は、もう一人、僕と似たような歳でサッカー経験者の教師がいて、私とおなじような、結構叫んで選手を動かすタイプの指導者がいました。

コーチングを学んでからというもの、彼が練習中に叫んでいる場面を見ると、「これでは、選手が混乱してしまうよなあ」ということを感じ始めていました。
自分もそうだったのですが・・・。

そう思うと同時に、いつもとは違う視点が目に入ってきました。

ボールを扱うサイドにはいない選手が、相手を引き付けるような素晴らしい動きをしていたのです。

いつもならば、「~がいい動きをしているので、見ろー」と叫んでいたのですが、その時は、どうしてそのような動きをしているのか、彼に聞きたくなりました。

そこで、全員を集合させて、みんなの前で彼に質問してみました。


「逆サイドで、~という動きをしていたけど、どうしてそんなことをしたの?」

そうすると、彼は、流ちょうにその理由を語りだしました。

それを聞いていた、そのほかの選手が「へー」と感嘆の声をあげながら、聞いていました。

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いつもならば、その場所で私が解説したりして教えていたのですが、今回は教えるのは一切やめ、質問に徹しました。

そうしたら、そのあとの選手の動きが、今までとまるで違う。

水を得た魚のように動き回り、先ほどの質問した選手のような動きを何度もトライしていました。

今までは、僕が教えても教えてもやらなかった選手達が、同僚のたった一言で影響を受け、変化したのです。

ちなみに、その彼が言ったことは、何度も私が常日頃から言っている事。

今更、なにを感嘆の声を上げてるんだと、本当は突っ込みたくなる内容でした。

この出来事から、学んだことが、自分が「教えすぎていた」ということ。

教えれば教えるほど、だめだったことが、教えるのをやめ、彼らに質問をし、彼らの言葉で語ってもらうことで、僕が教える以上のクリエイテビティが発揮されたのです。

この出来事から、僕はあまり教えなくなりました。

そして、何より、この出来事からコーチングが使えるものに変わりました。

こうなると、試合後に行うミーティングなども生徒に任せることが多くなってきました。

そういうことを続けていくことで、もっと劇的な変化が訪れます。

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