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詩人。配信者。言葉と音と色を食みます。 興味を持っていただいたらnoteのフォローお願…

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詩人。配信者。言葉と音と色を食みます。 興味を持っていただいたらnoteのフォローお願い致します。 不定期更新中。

記事一覧

晩夏燦々

今年の夏が最期だね、なんて 涼しげでいて夕景はどこか熱っぽく 肌の滑らかさが汗でザラついて 前髪なんて気にしないで 僕の影が黒いのは 喪服だからと 君のまつ毛の方が…

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5日前
8

結婚マウントエトセトラ

最近、 子持ち様という言葉というかネットミームというか、があるらしい。 所謂、子を持つ親に対しての批判的な見方から生まれた言葉のようで、その優位性であるとか、社…

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7日前
4

ありがとうの瞬発力

職場で差し入れをしてくれる上司がいるんです。 近くのコンビニで買った珈琲缶。 同僚は「そんなことしなくていいのに」、と 恐縮しながら言う。 僕はと言うと、躊躇なく嬉…

綸-イト-
12日前
7

表現する、ということ。

人類総配信者(望む望まざるに関わらず)と言っても過言では無いと思っていて、 (配信の定義はライブ配信、ライバーというよりもっと広義だと思う。表現全般と言っていいと感…

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3週間前
5

疑問・雑記

生まれた時から人は独りだと言うのですが、 死が二人を分かつまで、と言うそうです 婚姻の意味とか 人間を超克する事とは孤独を克服する事でしょうか 幸せの意味とか …

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3週間前
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散文

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8か月前
10

天国インター・ネット地獄篇

笑われるかもしれませんが、 子供の頃、僕が作ったもので世界中の子供が救われたら、と本気で考えていました いえ、笑われてもいいのですが。 大人になり、現実は非情で…

綸-イト-
9か月前
7

新駅のホームドアと自殺について。

2023年、うめきたの新駅開業に伴い 世界初の全面ホームドアの運用が始まる。 ホームドアについて少し。 ホームドアは1961年 、 ソビエトのレニングラード地下鉄での運用を…

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1年前
12

必要のない

必要ないものを買う 日銭を稼いでは、 必要のないサブスクに加入し、 成分の知らない高いシャンプーとコンディショナーを買い、 時間を買う為に電車に乗る。 使わない調…

綸-イト-
1年前
12

産まれた日のこと。

僕が産まれた日 母は死の淵を彷徨った。 産後の肥立ちが悪く、血液を大量に失った母は輸血をした。 旧ミドリ十字製の血液製剤。 フィブリノゲン製剤は後に薬害問題に発展す…

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1年前
22

インターネットに思うこと。

noteという媒体 spoonという配信媒体 Twitter Instagram あるいは別のSNSコロニーを漂流するうち、 結局、感受性とロジックのバランスでしかない事に疲弊する。 他人を否…

綸-イト-
1年前
12

無名密抄

鏡に映った視線が眩しくて、目を逸らす 声を出してみる 反復。 ひと握りの『同じだね』。 わかってる。 沢山の『違うね』をなぞりたい。 鏡に映った言葉が反射して、…

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2年前
15

乖離籠絡

「君がいない事に吐き気がするんだけど。」 言葉にされなかった音をなぞってみたけれど、 そこに熱も湿り気もなく 「もういっかい、しとく?」 なんて、いなかったこと…

綸-イト-
2年前
15

散文詩推敲無(タイトル無)

女が死んだ スマホでいくつか詩や歌を作っていた女だったが、 インターネットに喰われて死んだ かつて少女だった女は、何人かの男を渡り歩くうち 自分の価値が他人に映った…

綸-イト-
3年前
28

夜日秘事

あの子に才能がない事だったり 帰り道に急にひとりぼっちに触れる事だったり 明日日曜だからって自分に甘くなる事だったり 震えた声の分だけ涙が溢れる事だったり 変わ…

綸-イト-
3年前
31

虚構哀歌

自分を切り売りする度に、消費されていく。 貴方の時間、貴方の性、貴方の言葉、貴方の声。 貴方のイデア。 鏡に映るのは誰かが欲しい貴方で、 そうやって都合よくパッ…

綸-イト-
3年前
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晩夏燦々

今年の夏が最期だね、なんて
涼しげでいて夕景はどこか熱っぽく

肌の滑らかさが汗でザラついて
前髪なんて気にしないで

僕の影が黒いのは
喪服だからと
君のまつ毛の方が黒くて
美しかったのに

唇に指先を這わせても
心までは開けないから
夕立に濡れて綻ぶ君
いつか僕の色も褪せて

結婚マウントエトセトラ

最近、 子持ち様という言葉というかネットミームというか、があるらしい。
所謂、子を持つ親に対しての批判的な見方から生まれた言葉のようで、その優位性であるとか、社会的な存在価値に対する妬みから生まれた言葉という事だ。

職場に主婦のパートさんがいて、
年齢は32歳
同世代の旦那さんがいて、2児の母
両父母とも健在で、親たちとは世帯は分けており、現代的な型にハメたような一般的中流家庭の主婦と言った印

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ありがとうの瞬発力

ありがとうの瞬発力

職場で差し入れをしてくれる上司がいるんです。
近くのコンビニで買った珈琲缶。
同僚は「そんなことしなくていいのに」、と
恐縮しながら言う。
僕はと言うと、躊躇なく嬉しいといった様子で少し声のトーンを上げることを意識しながら
「ありがとうございます!」と言う。
言えるようになった。
そういう風に訓練したんです。

何かをしてもらった時に否定ではなく
ありがとうと言える人間になりたかったのだ。
内心

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表現する、ということ。

表現する、ということ。

人類総配信者(望む望まざるに関わらず)と言っても過言では無いと思っていて、
(配信の定義はライブ配信、ライバーというよりもっと広義だと思う。表現全般と言っていいと感じている。)
自分から発信しなくても(自分を含む)誰かの記録がアップロードされて世界中に拡散されて、
というようなことは日常に溢れていて。
例えば街中のライブカメラにそれとは知らず自分が映り込んでいて未来永劫残る可能性は、ある。
ただ情

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疑問・雑記

疑問・雑記

生まれた時から人は独りだと言うのですが、
死が二人を分かつまで、と言うそうです

婚姻の意味とか

人間を超克する事とは孤独を克服する事でしょうか

幸せの意味とか

あの子が死んだ時、何も言ってあげられなかった事を悼むのは、驕りでしょうか

死の意味とは

メメント・モリ カルペ・ディエム
生きる事を、思わずしては、人でなしでしょうか

生の意味とは

人に優しくすることが自衛だと定義する事は

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天国インター・ネット地獄篇

天国インター・ネット地獄篇

笑われるかもしれませんが、
子供の頃、僕が作ったもので世界中の子供が救われたら、と本気で考えていました

いえ、笑われてもいいのですが。

大人になり、現実は非情である、というあの名言が理解出来るくらいには「自分は特殊な人間ではなくただ目敏いだけが取り柄の偽物」と達観したものです。

どちらかと言うと幼少期から僕は同年代より達観していた自覚はあったものの、大人(一般的な成人)になってからはそれを意

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新駅のホームドアと自殺について。

新駅のホームドアと自殺について。

2023年、うめきたの新駅開業に伴い
世界初の全面ホームドアの運用が始まる。

ホームドアについて少し。
ホームドアは1961年 、
ソビエトのレニングラード地下鉄での運用を皮切りに、日本では1970年万博の開催に伴いモノレールに施行された。
運用目的としては線路への転落や電車との接触を避ける目的とされている。
この辺はwikiでも分かることなので参照のこと。

話は少し逸れるがJR西日本のプラッ

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必要のない

必要のない

必要ないものを買う

日銭を稼いでは、
必要のないサブスクに加入し、
成分の知らない高いシャンプーとコンディショナーを買い、
時間を買う為に電車に乗る。

使わない調理器具を選別し、
この季節にしか着ないオシャレな服を、少し高くても買う。
他人より少しでもいい物を。

スタバで期間限定の飲み物を飲んでSNSに写真をアップしたり、
並んで流行りの遊園地に行ってみたり、
IKEAや北欧家具をカタログ買

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産まれた日のこと。

産まれた日のこと。

僕が産まれた日
母は死の淵を彷徨った。
産後の肥立ちが悪く、血液を大量に失った母は輸血をした。
旧ミドリ十字製の血液製剤。
フィブリノゲン製剤は後に薬害問題に発展する混合血だった。
C型肝炎ウィルス。

産まれながらに僕は親の寿命を縮めた。
と、苦しんできた。
数年後表面的には快方に向かっていた母は当時付き合っていた男性との間に1人の子供を孕んだ。
母体は子供を産めるような身体ではなく、
子供は堕

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インターネットに思うこと。

インターネットに思うこと。

noteという媒体
spoonという配信媒体
Twitter
Instagram
あるいは別のSNSコロニーを漂流するうち、
結局、感受性とロジックのバランスでしかない事に疲弊する。

他人を否定する人(僕を含む)
他人を賞賛する人(僕を含む)
他人を軽視する人(僕を含む)

どこまで行っても他者と自分の対比構造でしかない。
或いは他人と他人の。
それを客観視し、傍観し、批評し、思い思いの基準を書

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無名密抄

無名密抄

鏡に映った視線が眩しくて、目を逸らす

声を出してみる

反復。

ひと握りの『同じだね』。

わかってる。

沢山の『違うね』をなぞりたい。

鏡に映った言葉が反射して、目を凝らす

声を聴いてみる

暗唱。

今度、じゃなく今日

いつか、じゃなく今

あかりを落とそうか

鏡に映らなかった視線と言葉が宙を舞う前に

服は着たまま

君が色づく前に

ほんの、もう少しだけ

鏡に映った君と

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乖離籠絡

乖離籠絡

「君がいない事に吐き気がするんだけど。」

言葉にされなかった音をなぞってみたけれど、

そこに熱も湿り気もなく

「もういっかい、しとく?」

なんて、いなかったことに、なかったことにできるだけの理由を消そうとして

でも剥離していく、君が

僕が

一生わかんなくったって

一生わかんなくったって

答えなんてでない事の方が、ない事の方が多いのだから

「……」

そうやって少しだけ泣いた君の

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散文詩推敲無(タイトル無)

女が死んだ
スマホでいくつか詩や歌を作っていた女だったが、
インターネットに喰われて死んだ
かつて少女だった女は、何人かの男を渡り歩くうち
自分の価値が他人に映った心象ではなく
即物的な体感にあると思い知らされたものだった。
同時にそれを利用して自らの独り身を呪うことに終始した。それが救いであったし、生きづらさを自らの体と共有出来たからだ。

そういうものだった。
これまでの人生がそうなのだから

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夜日秘事

あの子に才能がない事だったり

帰り道に急にひとりぼっちに触れる事だったり

明日日曜だからって自分に甘くなる事だったり

震えた声の分だけ涙が溢れる事だったり

変わらない自分と変わっていく人の事だったり

同じタイミングで決まって急に言えなくなる言葉だったり

それを振り返るのは

唯一過ごした時間に明日を含ませたから

だけど

声が漏れだした口を抑えた君が流した涙の分だけ

明日の微睡みを

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虚構哀歌

自分を切り売りする度に、消費されていく。

貴方の時間、貴方の性、貴方の言葉、貴方の声。

貴方のイデア。

鏡に映るのは誰かが欲しい貴方で、

そうやって都合よくパッケージされた「それっぽい何か」をみんながありがたがって口にした。

貴方がまた消費されていく。

売れ残った誰も必要としない貴方こそを

僕は愛でよう。

手に取らなかった全ての人を、世界を呪いましょう。

そうしてひとしきり充足と

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