綸-イト-

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詩人。配信者。言葉と音と色を食みます。 興味を持っていただいたらnoteのフォローお願い致します。 不定期更新中。

最近の記事

    • 天国インター・ネット地獄篇

      笑われるかもしれませんが、 子供の頃、僕が作ったもので世界中の子供が救われたら、と本気で考えていました いえ、笑われてもいいのですが。 大人になり、現実は非情である、というあの名言が理解出来るくらいには「自分は特殊な人間ではなくただ目敏いだけが取り柄の偽物」と達観したものです。 どちらかと言うと幼少期から僕は同年代より達観していた自覚はあったものの、大人(一般的な成人)になってからはそれを意識的に制御していたように思います。 驕りは回り道だと分かっていたし、 他人を煽

      • 新駅のホームドアと自殺について。

        2023年、うめきたの新駅開業に伴い 世界初の全面ホームドアの運用が始まる。 ホームドアについて少し。 ホームドアは1961年 、 ソビエトのレニングラード地下鉄での運用を皮切りに、日本では1970年万博の開催に伴いモノレールに施行された。 運用目的としては線路への転落や電車との接触を避ける目的とされている。 この辺はwikiでも分かることなので参照のこと。 話は少し逸れるがJR西日本のプラットホームにはイスが向かい合わせに設置されている駅があり、 何故かと言うと電車に向

        • 必要のない

          必要ないものを買う 日銭を稼いでは、 必要のないサブスクに加入し、 成分の知らない高いシャンプーとコンディショナーを買い、 時間を買う為に電車に乗る。 使わない調理器具を選別し、 この季節にしか着ないオシャレな服を、少し高くても買う。 他人より少しでもいい物を。 スタバで期間限定の飲み物を飲んでSNSに写真をアップしたり、 並んで流行りの遊園地に行ってみたり、 IKEAや北欧家具をカタログ買いしては、これじゃなかったと、 もう一度買い直したりする。 SNSに写真を上げ

          産まれた日のこと。

          僕が産まれた日 母は死の淵を彷徨った。 産後の肥立ちが悪く、血液を大量に失った母は輸血をした。 旧ミドリ十字製の血液製剤。 フィブリノゲン製剤は後に薬害問題に発展する混合血だった。 C型肝炎ウィルス。 産まれながらに僕は親の寿命を縮めた。 と、苦しんできた。 数年後表面的には快方に向かっていた母は当時付き合っていた男性との間に1人の子供を孕んだ。 母体は子供を産めるような身体ではなく、 子供は堕胎された。 僕の、弟か妹になるはずだった命。 僕が生まれながらにして奪った命の

          産まれた日のこと。

          インターネットに思うこと。

          noteという媒体 spoonという配信媒体 Twitter Instagram あるいは別のSNSコロニーを漂流するうち、 結局、感受性とロジックのバランスでしかない事に疲弊する。 他人を否定する人(僕を含む) 他人を賞賛する人(僕を含む) 他人を軽視する人(僕を含む) どこまで行っても他者と自分の対比構造でしかない。 或いは他人と他人の。 それを客観視し、傍観し、批評し、思い思いの基準を書き殴って、 誰もが投稿する。発信する。 ちり紙の裏で代用が効くもの。 答えが

          インターネットに思うこと。

          無名密抄

          鏡に映った視線が眩しくて、目を逸らす 声を出してみる 反復。 ひと握りの『同じだね』。 わかってる。 沢山の『違うね』をなぞりたい。 鏡に映った言葉が反射して、目を凝らす 声を聴いてみる 暗唱。 今度、じゃなく今日 いつか、じゃなく今 あかりを落とそうか 鏡に映らなかった視線と言葉が宙を舞う前に 服は着たまま 君が色づく前に ほんの、もう少しだけ 鏡に映った君と 指先を絡めたいのです

          無名密抄

          乖離籠絡

          「君がいない事に吐き気がするんだけど。」 言葉にされなかった音をなぞってみたけれど、 そこに熱も湿り気もなく 「もういっかい、しとく?」 なんて、いなかったことに、なかったことにできるだけの理由を消そうとして でも剥離していく、君が 僕が 一生わかんなくったって 一生わかんなくったって 答えなんてでない事の方が、ない事の方が多いのだから 「……」 そうやって少しだけ泣いた君の熱が 言葉にならないことが大切だって思えるから ねえ 「吐き気がするんだけ

          乖離籠絡

          散文詩推敲無(タイトル無)

          女が死んだ スマホでいくつか詩や歌を作っていた女だったが、 インターネットに喰われて死んだ かつて少女だった女は、何人かの男を渡り歩くうち 自分の価値が他人に映った心象ではなく 即物的な体感にあると思い知らされたものだった。 同時にそれを利用して自らの独り身を呪うことに終始した。それが救いであったし、生きづらさを自らの体と共有出来たからだ。 そういうものだった。 これまでの人生がそうなのだから、 これからの人生もそうに違いなかった。 多少の幸せでは何も変わらない事を理解し

          散文詩推敲無(タイトル無)

          夜日秘事

          あの子に才能がない事だったり 帰り道に急にひとりぼっちに触れる事だったり 明日日曜だからって自分に甘くなる事だったり 震えた声の分だけ涙が溢れる事だったり 変わらない自分と変わっていく人の事だったり 同じタイミングで決まって急に言えなくなる言葉だったり それを振り返るのは 唯一過ごした時間に明日を含ませたから だけど 声が漏れだした口を抑えた君が流した涙の分だけ 明日の微睡みを甘言で塗り潰したとしても ひとりぼっちの才能だけは僕が殺してあげるから 同じ

          夜日秘事

          虚構哀歌

          自分を切り売りする度に、消費されていく。 貴方の時間、貴方の性、貴方の言葉、貴方の声。 貴方のイデア。 鏡に映るのは誰かが欲しい貴方で、 そうやって都合よくパッケージされた「それっぽい何か」をみんながありがたがって口にした。 貴方がまた消費されていく。 売れ残った誰も必要としない貴方こそを 僕は愛でよう。 手に取らなかった全ての人を、世界を呪いましょう。 そうしてひとしきり充足と欠損を繰り返して また声を出しましょう。 物売りのあの、祝詞のような呪言のよ

          虚構哀歌

          白識想白

          距離感が分からない 言葉を、距離を詰める道具として使う度に嫌悪する 泣きたくなる やっと欲しかったものを手に入れたと思っても スルスルと手から滑り落ち 本当にこれでいいのかという葛藤が淀む 視界が歪む。視線が、零れ落ちる。 出会いだとか別れがあったとして。 同じ人はいなくてひとつひとつの心の破片を拾っては どんな色か確かめる度に 自分の色が失われていく ただ白く 白くなりたい 何物にも染まらない白に。

          白識想白

          少しお勉強期間ですので更新が乱雑になります。 みなさんよいnoteライフを。 と言いましても今日お仕事から帰ったら更新していると思いますー

          少しお勉強期間ですので更新が乱雑になります。 みなさんよいnoteライフを。 と言いましても今日お仕事から帰ったら更新していると思いますー

          絵描恋歌

          線を引く 君との間に線を引く 出来うる限り歪な線を引く 交わって離れて交わって また離れて。 色を塗る 君に色を塗る 変わっていく君が色付く 線形が複雑に交差して変化しながら 君の感情が色を紐解き始めた 色を抜く 世界から色を抜く 格子状に黒が墜ちる 君だけが色を取り戻していく 雪のように白い肌に 黒い髪 頬に紅を刺し 唇には妖いくらいの真っ赤な血を。 舌で唇をなぞる君がアイロニカルに嘲笑う度 僕に死化粧が施されて 世界が喧騒を取り戻し

          絵描恋歌

          接続器官

          人がどんな気持ちだったかなんて分からないもので もう自分があの時どういう気持ちだったのかも定かではない 定かでしかない。 反語。 過去の気持ちは過去の物 今の気持ちは今の物 常に新しさを要求される世の中で 日々の慌ただしさにバグが集積するもので 新しい機能に追いつけなくてアップデートを先延ばしにした結果、老廃物の自分だけが残る。残る。 毒は甘美さを含んでいなければ美しくなく。 甘美でない毒など醜いだけで、 美しかった毒だけが身体に周り、 そういったウィルス

          接続器官

          無縁吐露

          吐きダコの残る君の手の甲に秋波を送る 指先には違う人の指輪 婚約でも結婚でもない指輪 別れた男に貰った思い出の指輪 『息の仕方が分からないの』なんて ありふれた現代言葉でしょ? そうやって他人の言葉を呑み込んでは吐く君の首筋に どうか上手な呼吸のやり方を。 ほら 吐きダコと一緒に指輪も消えると良いねなんて 他人行儀に。 他人だから。 他人の癖に。 ちゃんと他人でいさせてよ。 君の背中をさすりながら。 何やってんだろうねなんて笑い合う午前3時45分

          無縁吐露