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難病を告白したら「同情しない」と言われた

とあるネットで知り合った男性との会話のなかで

「そういえばさ、なんの病気なの?」

と聞かれた。


持病が有る人ならば何度も聞かれたことがあるだろう。

私もそう、いつものとおり

「全身性の難病だよ」

と答えた。


少し動作するだけでも心臓がしんどい。

会話や文章を書くなどの頭脳労働でもひどく疲労を感じ、呼吸が浅くなり、自律神経がバグってクラッシュする。

それが痛みや熱などの炎症につながる。

倦怠感がひどいのに睡眠がとれない。

不眠が続くと感覚過敏で音も光も受け付けない。


普通はこう答えると「大変だね」といった言葉を返されておそるおそる普段の生活のことなどを聞かれる。

たまにしつこく具体的な病名を聞き出そうとしてくる人がいるが、そんなときは

「貯金額や住所と同じくらい言いたくないことだから」

とキッパリ返してきた。


今回も何度も経験してきたやり取りになると思ったら

「あぁ、そうなんだ。
まあ俺は同情しないけどな」

ですって。

面食らってしまったよ。

別に悪いことをして生きてきたわけでもないし、ただ幼い頃から苦労ばかりの人生の果てに重度の難病になって20代半ばで寝たきりになった。


それで同情しないと言われた。


しかも

「同情しない。一緒に頑張ろうぜ!て思うね。」

とまで言われた。


「一緒に頑張ろうぜ!」て、
自分は持病ないんだから頑張らなくても日常生活できるじゃん。

闘病していない分際でよく言えたな。

マジで意味わかんなかったなあれ。

「そんなこと言われる筋合いないんだけど」
ってブチキレるほどの体力もないのでそのまま切って彼とはそれっきりになった。


***


「同情」とは。

同情も共感の一種。
悦びや感動といったプラスの感情に気持ちを寄せることを一般的に「共感」というのに対して、人の不幸や不運に胸を痛めることを「同情」というと私は認識している。

世代年齢問わず、同情するのは失礼なことだとか良くないことだと捉えている人が非常に多い。

なぜだろう。


実はこのエピソードはnoteアカウントを開設して一番最初に書いたもので、ずっと下書きに置いてあった。

体力のなさから直接怒れなかったので、
モヤモヤぐるぐる思考して、
これを忘れないで残しておきたくて長文を書くことを始めたとも言える。

ずっと、なぜだろう、の答えが見つからず、公開できなかった。


***


あれから数ヶ月。

彼ほど不躾な言葉を発する人はさすがにいないが、
やはり私を前にして「気の毒」とか「可哀想」といった感情が出そうになると困惑する人がほとんどだ。


でもその感情に蓋をしないでくれないか。


同情のしかたがわからない?

表現のしかたがわからない?

きっと、そういうことだよね。


それなら、教える。

どう悲しみや苦しみに寄り添ってほしいのか、

どういう言葉が嫌でどういう言葉が癒しになるか。


教えるから、そのあとは表現を怖がらないでしてほしい。

まずはわたしにしてみて。

コメントしてみて。スキしてみて。シェアしてみて。


不幸や不運に見舞われた人を哀れむ心は尊いもの。


次の記事を待っててね。




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難病で体が弱いなか無収入で活動しています。サポートは大切に使います(* ᴗ͈ˬᴗ͈)”