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旅エッセイ

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#哲学

私欲で始めるボランティア ~インドのフリースクールでの出会い~

私欲で始めるボランティア ~インドのフリースクールでの出会い~

昨年から地元の小学生が集まる施設でボランティアをしている。
そもそもはとある不登校の中学生との出会いだった。その子と話しているときに、その子含め何かしらの形で子どもの力になれればと思った。またシンプルに昔から子どもといる時間が好きだ。実際大学時代も児童を対象としたボランティア団体に顔を出していた。だから、私欲ではあるがそんな時間も欲しかった。

その施設に初めて伺ったとき、スタッフの一人から「なぜ

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インドで人生変わらなかった

インドで人生変わらなかった

今日も布団から出るのに15分かかった。
夕方に流れるニュースでは、面長で珍しい苗字のお兄さんが今日もにこやかに笑っている。

インドに行く前も、そうだった。

28日間のインドから戻ると「人生変わりました?」と質問してくる人が沢山現れた。無論、彼らも冗談半分なのだろうが、あまりに依然と代わり映えのない毎日を送っていることにどこか申し訳無さすら覚える。

何も変わらないので、またハウスジャワカレーで

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シク教と石鹸と平等と

シク教と石鹸と平等と

昔の記憶をたどると「匂いまで鮮明に蘇ってきた」なんて思うことがある。匂いすなわち嗅覚は視覚以上に我々を我々たらしめているのかもしれない。

しかし、そんな匂いについて日本は比較的穏便ないしは控えめであろう。香水も他国ほどど浸透していないし、柔軟剤も海外製品からしたらもはや無香料のようなものだ。

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シク教総本山の黄金寺院に入るには、何人も手足の洗浄が必要らしい。

逆に言えば、手足さえ洗え

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新しいものを探す目

新しいものを探す目

ボスニアの博物館で英語のキャプションを読めると気づいたとき、一所懸命に英語を勉強して本当によかったと思った。そのとき私は20歳だった。
昨年、27歳の私はウズベキスタンの博物館で「俺が一所懸命読むより、画像翻訳のほうが早くて正確じゃないか?」と思っていた。

そのとき、なんとなく海外旅行の価値が下がった。

私は割と海外旅行に出るほうだと思う。
ただ年々海外旅行で何を見たいだの、食べたいだのといっ

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インドで人生変わる前に

インドで人生変わる前に

生まれて初めて、旅行に出る前にその旅行に関する文章を書いている。
というのも、近々インドに行くからだ。

巷でも、そして私の友人界隈でも、インドに行くと人生が変わるなんて噂がある。果たして本当なのだろうか。まだ私は半信半疑である。ただ、もしや帰国したらカレー屋をはじめてしまったりするのでは・・・

ということで、私の人生がインドで変わったと仮定して、未来の自分に向かって文をしたためておこうと思う。

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