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考え方

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自分にとって、好き嫌い、支持不支持、善悪などの評価如何にかかわらず、考えさせられた、新たな視点を学んだ、考えるに値する重要さがあったと感じた記事を記録しておく場所です。この記事リ…
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#中国

メモ 「東洋的専制政治」とは何か、なぜ地理と関連するのか?

メモ 「東洋的専制政治」とは何か、なぜ地理と関連するのか?

東洋的専制政治(oriental despotism)とは、ヨーロッパの政治学史で古くから使われてきた政治体制の類型であり、被支配者の恐怖心、暗黙の同意、そして奴隷的な無権利状態に依拠する「東洋的」な政治体制を指して使われます。この類型を使って地理が国家形成に与える影響を論じた研究として、カール・ウィットフォーゲルの主著『オリエンタル・デスポティズム(Oriental despotism)』(19

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中国人にとっての「面子」とは何か

中国人にとっての「面子」とは何か

先日、牛乳屋さん(Twitter:@milkshop)のnoteにて、僕の書いた記事を紹介していただきました。謝意を評します(冷静ぶって書いていますが、引用されたのを見つけた時はうれしくてニヤついていました)。

さて、こちらのnoteにこんな一節がありました。

「メンツ=見栄」と思いがちですが、残念ながらメンツは見栄の一言では片付けられません。メンツはプライドでもありますが、もちろんプライドの

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共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会(4)

共産党員のエリート意識と中国という学歴偏重社会(4)

中国は、昔から「科挙」で選抜された受験エリートが皇帝直属の官僚となり、広大な領土を直轄統治してきたのです。「科挙」に受かったエリートたちは、自らの知力と正当性に圧倒的な自信をもっていました。日本の世襲の役人による地方自治的な封建主義とはそこが違うのです。日本ではそのことによって多様な地方文化が花開きましたが、中央集権の直轄統治を可能にしてきた「科挙」(その実態は腐敗していたかどうかは、余り重要では

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富の追求と分配・再分配

NHKスペシャル「混迷の世紀」で、「民主主義の弱体化」と「強権主義の台頭」が指摘されていた。かつて、歴史の必然とまで考えられていた民主主義が、なぜこんなに弱体化し始めたのか?私が思うに、分配(再分配)にあるように思う。意外なことに、強権主義の方が分配に成功している面がある。

イギリス、アメリカの両国は民主主義の国ではあるが、貧富の格差が著しい。この2国は民主主義とは別に、新自由主義を採用し、政府

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