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放送作家ヒロハラノブヒコの全企画書

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業界歴20年ちょっとの放送作家ヒロハラノブヒコが、今まで作った企画書をフルオープンにした連載です。各記事に付いている「ひとことコメント」はよく読むとちょっとした「テレビに関するコ…
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2020年1月の記事一覧

その29「アーティストのファンなら(たぶん)一番観たい音楽番組」の企画書

その29「アーティストのファンなら(たぶん)一番観たい音楽番組」の企画書

【はじめにひとこと】サブスク時代。

好きな音楽を好きなだけ聴けるからこそ、逆にそこでしか体験出来ない「ライブ」の重要性が高まっているという。

この企画はそんな「コト消費」の一歩先を行く、選ばれし者しか体験出来ない「コト」に潜入、疑似体験する企画。

MCは「エレキコミックやつい」がイメージ。

ライブの数だけ、打ち上げがあるー。

音楽ライブだけでなく、下北沢で毎日のように行われている劇団の打

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その28「三国志を全く知らない女性のための三国志バラエティ」の企画書

その28「三国志を全く知らない女性のための三国志バラエティ」の企画書

【はじめにひとこと】

本日(2020年1月30日)
ロンドンブーツ1号2号復活会見を観ながら思い出した企画書。

ヒロハラの放送作家としてのキャリアの始まりを聞かれたら、ロンドンブーツ1号2号の冠番組「ロンブー龍」(1998年〜2004年)だと答えるようにしている。

番組ではさんざん色んな企画を試させてもらったし、なによりロンブーの2人には、ひょんなことから自分の婚姻届の保証人にもなってもらっ

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その27「放送作家が考えたカーナビ」の企画書

その27「放送作家が考えたカーナビ」の企画書

【はじめにひとこと】

放送作家という仕事を長く続けているとたまに「あれ?なんでこんな企画書書いたんだっけ…」という瞬間がある。これもそんな企画。

確か発注とかではなく、数年前、仲良しのプロデューサーが「今日、カーナビメーカーのエライ人とメシ食うから」という事で「土産代わり」にヒロハラが急ごしらえで持たせたものだと思い出した。

おそらく、テレビ番組で言うところの「わらしべ長者」企画のように、1

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その26「数字の残酷さを体感出来るスタジオシステム」の企画書

その26「数字の残酷さを体感出来るスタジオシステム」の企画書

【はじめにひとこと】

数字とは残酷だ。
そんな「数字」だからこそ、演出次第ではどんなホラー映画よりも恐い「映像作品」になるのではないか?と考えた。
(最初はAKB48グループを集めてビビらせようと思ったのだが…)

もし自分や隣にいる人が大きな病気にかかったら…犯罪に巻き込まれたら…。その恐怖を知る事で「生きている実感」を味わう事が出来るはず。

スタジオに集められた100人。
該当者の数だけ頭

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その25「池上彰さんを意外な使い方してみる番組」の企画書

その25「池上彰さんを意外な使い方してみる番組」の企画書

【はじめにひとこと】ミスター説得力。
池上彰さんにはそんな肩書きが相応しい。
選挙の開票速報や世界情勢に何らかの変化が起きたタイミングで緊急特番に登板。なんでも、ずーっと前から知っていたかのように解説してみせる。
そんな池上さんだが、その説得力、ニュース解説だけに発揮するのではもったいない。
世のため人のため、お困りの芸能人のため、池上さんを「ちょっと変わった使い方」してみよう…と考えた。
以前も

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その23「みのもんたFOREVER!おもいっきり世界が見える番組」の企画書

その23「みのもんたFOREVER!おもいっきり世界が見える番組」の企画書

【はじめにひとこと】2020年、春。
報道された通りなら、一人のテレビ戦士がその長きに亘る終わりなき戦いの幕を閉じようとしている…。

別に亡くなったわけではないので、特段の「しんみり」を感じる必要もないかもしれないが、平成のテレビに携わった人にとっては「ありがとう」しかないんじゃないかな。

そんな感謝の意味を込めて、こんな企画を。
あの「伝説の番組」の名物コーナーをこんな風に飛ばしてみたら…

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その24「高齢化社会に一石を投じるロケバラエティ番組」の企画書

その24「高齢化社会に一石を投じるロケバラエティ番組」の企画書

【はじめにひとこと】

おじいちゃん、おばあちゃんが、とにかく元気だ。
ボケ防止&長寿の秘訣は「よく喋る事」と「よく歩く事」と聞いた事がある。
つまり、喋って歩く「ぶらぶらロケ」こそ、そんな長寿の秘訣が詰まった、まさに「撮る健康法」とも言えるのではないか。
そこで!「人生100年時代」に送る、元気な老人達による、こんな番組があっても良いだろうと考えた。

タイトルは声に出すとちょっと刺激的に。

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その22「記者会見をある種の格闘技にしてしまう番組」の企画書

その22「記者会見をある種の格闘技にしてしまう番組」の企画書

【はじめにひとこと】記者会見。
それは芸能人の「起死回生」にもなれば「命取り」にもなる「勝負の場」である。
無数の瞬くフラッシュを浴びながら「転落か浮上か?」を賭けた、有名人と記者達の一か八かの「心理ゲーム」が今日も繰り広げられる。
謝罪会見はもちろん、幸せなハズの結婚会見でさえ、なんらかの粗相があると、人心は一気に手のひらを返し、その人物の株を奈落の底へと叩き落とす。

そんな記者会見を、どうせ

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その21「声優達が声を奪い合う、新感覚ゲーム」の企画書

その21「声優達が声を奪い合う、新感覚ゲーム」の企画書

【はじめにひとこと】アナタなら、好きな声優さんにどんな台詞を言わせたいですか?

小学生の頃、にわかパソコン少年だった私は、広島の小さなソフトメーカーを営んでいた叔父から当時最先端のパソコン、NECの「PCー6001MARKⅡ」を入手した。
その目玉機能が(今でこそ当たり前だが)当時は画期的。BASICと言うプログラムを走らせるとなんと「言葉を話す」事が出来た。
と言っても抑揚のない完全なロボット

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その20「ニュースセンスをカードゲーム感覚で競う報道バラエティ」の企画書

その20「ニュースセンスをカードゲーム感覚で競う報道バラエティ」の企画書

【はじめにひとこと】報道番組で報じられる「ニュースの順番」って
どうやって決まるのだろう?

被害者が多いか少ないか?
日本人が関係しているかどうか?
社会に与える衝撃度?
自社(番組)のポリシーに沿っているかどうか?

それを決めている人たちに直接確認した事はないが、恐らくそういう複雑な「センス」が作用しているのだろう。

そんな一件不可解な「ニュースの順番」を決める作業を通して、芸能人達の持っ

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その19「毎週有名人が主人公のアニメが観られるバラエティ」の企画書

その19「毎週有名人が主人公のアニメが観られるバラエティ」の企画書

【はじめにひとこと】折からの「働き方改革」はテレビ界から、ある大事なものを消し去ろうとしている。
それが「再現ドラマ」だ。
観ている分には気づきにくいかもしれないが、再現ドラマには想像以上の手間と暇がかかる。
1時間の連ドラと違って僅か数分の放送尺だが、こだわればこだわるほど、通常のドラマ並みのカロリーがかかる事も。当然働くスタッフへの負担も半端ではない。(だから「仰天」とか「スカッとジャパン」な

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その18「日本サッカー界の明日を変えてしまうのに今まで誰もやらなかったプロジェクト」の企画書

その18「日本サッカー界の明日を変えてしまうのに今まで誰もやらなかったプロジェクト」の企画書

【はじめにひとこと】何年経てば「にわか」と呼ばれなくなるんだろう。
私は「にわか」サッカーファンだ。20年来の。
意外と見落としがちな真実だが、サッカーとは「キーパーが点さえ取られなければ負けない」スポーツだ。(リーグ勝ち抜けられるかは別の話)
たとえFWがダメでも0点で抑えれば勝ち点1。PK戦ならキーパーが守り切れば、勝ち点3。
そう!野球にとって投手が特別な存在であるように、サッカーにとっては

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その17「ただのグルメ番組じゃない。奇跡を味わうグルメ番組」の企画書

その17「ただのグルメ番組じゃない。奇跡を味わうグルメ番組」の企画書

【はじめにひとこと】美味しい料理と出会ったとき、いつも思う。

ガーナのカカオ畑で働く若者。
ハンガリーのハチミツ農園のお母さん。
セーヌ湾で舌平目を獲る漁師さん。
ヒマラヤの岩塩売りのお婆ちゃん。
イベリア半島の豚飼いのお爺さん。

全ての食材の裏には、人がいる。

しかし彼らは自分たちが送り出した食材が世界の片隅の、東京の片隅の、レストランの片隅の、このお皿の上で、一つに融合している姿を知らな

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その16「時代を加速させるかもしれないアカデミックバラエティ」の企画書

その16「時代を加速させるかもしれないアカデミックバラエティ」の企画書

【はじめにひとこと】数年前、時の政府が行った「事業仕分け」が話題になったが…
「いやいや、これからの時代に必要なのは、ブレーキをかける事よりアクセルを踏む事じゃないかな」(特に科学部門)と思って考えた企画。
時間は有限。
老い先が短い我々おっさんが、これからの未来を生きる若者の足を引っ張るような事をしてはいけない。
MCには、時間のムダが大嫌い、せっかちなあの大御所を。

それでは5年ほど前に作っ

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