タビカケンチクカ

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「旅は人を成長させる」のか?

1998年の冬のある日、3年間勤めた会社を辞めた26才の私は、成田からロンドンに向けて旅立った。バックパックと3ヶ月後の帰国便の航空チケットを握りしめて...。

こう書くと、社会に馴染めない人間が自分探しの旅に出たようであるが、実際には円満退社であり次の就職先も決まっていた。その間3ヶ月あったので、「欧州に行ってみよう」という軽~い動機であった。

とは言え、一泊目のホテル以外は何も決めていない

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【街】ドラオア(Dragør)

ヨーロッパの他の都市と同様にコペンハーゲンも古い街並みが残るが、そうは言っても人口80万人の首都である。都市圏で言えば200万人以上にもなる。要するに都会だ。実際のところ現代建築も多いし、旧市街も世界のどこにでもあるチェーン店の看板で溢れている。

そんなコペンハーゲンからわずか12km、コペンハーゲン空港の南にある街がドラオア(Dragør)だ。コペンハーゲンからは路線バスで30分程で行ける。

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【建築探訪】ヘリタンス・カンダラマ

普段、海外旅行では出来るだけ安いホテルに泊まることにしているが、スリランカは例外であった。なぜなら、建築家ジェフリー・バワのリゾートホテルに泊まることが目的だからである。
そのホテルの一つ、ヘリタンス・カンダラマはバワの代表作として知られる。日本でもメディアで紹介されているので、建築に詳しくない人にとっても、スリランカ観光の目的になっているだろう。

ホテルは人造湖であるカンダラマ湖畔にある。ガイ

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【建築探訪】パリッシュ美術館

ロングアイランド。地図ではニューヨーク市から右に飛び出ている島である。ここはセレブが住むエリアであり、ニューヨーカーの避暑地でもある。どちらも私には全く縁のない場所だ。パリッシュ美術館はそんなロングアイランドの町・Southamptonにある。

マンハッタンからSouthamptonの駅までは列車で約2時間30分。駅から美術館までは3km程あるので、移動はタクシーがベストであるが、ケチって歩くこ

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【建築探訪】ブレゲンツ美術館

オーストリア・フォアアールベルク州の街ブレゲンツ。ボーデン湖畔にある美しい街だが、ウィーンやザルツブルクからも遠く、観光としてはマイナーであろう。
もし人々がこの街を訪れるとしたらその目的は二つのいずれか。ブレゲンツ音楽祭か? あるいはブレゲンツ美術館か? 私はもちろん後者だ。

ブレゲンツ美術館はBregenz駅とBregenz Hafen駅の中間にある。どちらからでも徒歩5分程である。ズントー

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【建築探訪】オーフス市庁舎

いつだったか「ココ良いでしょ!」と見せてもらったあるケンチクの写真。そこには北欧らしい木のぬくもりのある空間があった。それ以来そのケンチクは、いつか訪れてみたい場所の一つとなる。
そして数年後のある日、私はオーフスを訪れた。抜けるような青空という表現がピッタリの日だった。
オーフスはコペンハーゲンから電車で3時間半。デンマーク第二の都市である。

駅を出ると地図で市庁舎の場所を確認しようとしたが、

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【建築探訪】ベス・ショロム・シナゴーグ

古都フィラデルフィア。
美術館や独立記念館など観光施設には事欠かないが、その中で私が選んだのはベス・ショロム・シナゴーグ(Beth Sholom Synagogue)。フランク・ロイド・ライト最後の作品の一つであり、現役のシナゴーグである。National Historic Landmarkにも指定されている。
シナゴーグとはユダヤ教徒の会堂、Beth Sholomとはヘブライ語で「平和の家」と

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【街】Sauda

アルマナユヴァ亜鉛鉱山博物館を見学するために訪れたSauda。
読み方はセウダ?サウダ? まあ誰も興味だろうが、せっかくなので、備忘録も兼ねて訪問記として書き留めておく。

Saudaはフィヨルド奥にある人口4,600人の小さな町である。
車だとベルゲンから4時間、ハウゲスンからでも2時間かかる。公共交通機関の場合、これらの都市から路線バスを乗り継ぐか、スタヴァンゲルからフェリーで移動する。いずれ

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【建築探訪】アルマナユヴァ亜鉛鉱山博物館

ピーター・ズントーによるアルマナユヴァ亜鉛鉱山博物館(Allmannajuvet)は、ノルウェーのフィヨルド奥の小さな町Saudaにある。
Saudaの人口は約4,600人。山に囲まれたこの町には川や滝が多くあり、かつてはこれを利用した水力発電と山で採掘した亜鉛の精錬が主要産業であった。既に亜鉛鉱山は閉山されているが、現在でも工場施設をそのまま利用し、船で運ばれる鉱物の精錬を行っている。また冬はス

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