Hiroshi Kawajiri

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カッコよき哉、高架鉄道 シカゴ・L

シカゴ・L(Chicago 'L')とはシカゴのダウンタウンを走る高架鉄道である。'L'は「elevated」つまり「高架」の略。 今回シカゴには一週間滞在していたが、毎日ダウンタウンを散策していて、高架の気になる光景が見に入る度に飽きもせず写真を撮っていた。 中心部はループと呼ばれ、一周約3kmの環状になっている。 環状と言っても円形ではなく四角形。なので列車はほぼ直角のコーナーを曲がる時には車輪とレールが擦り合い、キーキーうるさい音を立てて通り過ぎる。 駅もまたレ

    • 【建築】分かっていたのに感動してしまったユニティ教会(フランク・ロイド・ライト)

      2014年3月、シカゴ郊外のオークパークを訪れた。フランク・ロイド・ライトの自邸スタジオや彼が設計した住宅が数多くある街だ。それら彼の建築を見て回っていた時、近くに代表作の一つであるユニティ教会があることを知った。 早速教会を訪れたが、残念ながらその日、教会のドアは閉ざされていた。 仕方ない。事前に調べていなかった自分が悪いのだ。私は素直にその場を離れた。「いつかまた必ず訪れるぞ!」と誓いながら。 時は流れて2024年5月、今度はしっかり見学予約をしてユニティ教会に向かっ

      • 【建築】早朝からテンションMAXな建築探訪はクリーブランド・アーケード

        その日、オハイオ州クリーブランドに着いたのは早朝6:30。 朝食も食べず(というかどのお店もまだオープンしておらず)、真っ直ぐ向かった先はダウンタウンにあるショッピングセンター。その名もThe Arcade。 生憎の雨模様で外観は映えない。しかしこの建築の見所は内部だ。 中に入ると圧巻の空間が出迎えてくれる! 朝7:00からテンションMAXである。 クリーブランドのこのアーケードは1890年の戦没将兵追悼記念日にショッピングセンターとしてオープンした。もちろん米国で最

        • 【建築】重なり合うガラスが独自の空間をつくるトレド美術館ガラス・パビリオン(SANAA)

          妹島和世さんと西沢立衛さんによる建築家ユニット SANAA。このnoteでも何度か記事を書いているように、私のお気に入りの建築家である。今回、久しぶりに海外のSANAA建築を訪れるチャンスがやってきた。しかもアメリカ合衆国のトレドという微妙に不便な場所にある。これは行くしかない! オハイオ州第4の街トレドは1970年代までは全米屈指の工業都市として栄えていた。またThe Glass Cityという別名もあるように、近隣に自動車産業で有名なデトロイトがあることから、特にフロン

        カッコよき哉、高架鉄道 シカゴ・L

        • 【建築】分かっていたのに感動してしまったユニティ教会(フランク・ロイド・ライト)

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          【建築】拝啓、フランク・ゲーリー様

          拝啓、フランク・O・ゲーリー様 私が初めてあなたの建築に出会ってからもう15年が経ちました。 そうです。それは建築専門外の私が"建築"というものに興味を持つきっかけだったのです。 初めて見たゲーリーさんの建築はウォルト・ディズニー・コンサートホール。そのありえないウネウネの造形に衝撃を受けました。それ以来、他の誰にも真似できないその独特の造形に魅せられ、私はゲーリーさんの建築を巡礼してきました。 それらは"ゲーリー建築"としては必ずしも有名なものばかりではないかもしれませ

          【建築】拝啓、フランク・ゲーリー様

          旅行で"ノートラブル"は誇るべきことか?

          海外に住んだことはないが海外旅行は好きなので、通算すれば1年以上は海外に滞在していると思う。 しかし今まで一度として犯罪系のトラブルに遭遇したことはない。殺人、強盗、放火、誘拐は当然として置き引き、スリさえない。交通事故もない。 あるいは旅行にありがちなトラブルとしてオーバーブッキングや食当たりなどもあると思うが、それらもない。1mmもない。何もないのだ。 強いて言えば…、 ニューヨークでパスポートの紛失したことはあった。これはトラブルではなく完全に自分の不注意だ。この

          旅行で"ノートラブル"は誇るべきことか?

          【建築】"天に近づく崇高さ"が表現されたカトリック桂教会(ジョージ・ナカシマ)

          「恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう 列車で 〜」 という歌があるが、その日、僕は西へと向かう列車で、岡山で下車して瀬戸内海を渡り高松に降り立った。カトリック桂教会の訪問記を書くためである。なぜ京都の建築の話のために高松に行くのか? そう、どうしても行かねばならぬ理由があったのだ。 カトリック桂教会は京都市の桂駅から10分程歩いた住宅街にある。西院教会巡回教会として創立され、1958年にカトリック桂教会として独立した教会だ。当初は切妻屋根の小さな平屋の建物だったが、1965年

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          【建築】インドにも国立西洋美術館があった?(ル・コルビュジエ)

          ル・コルビュジエ設計の建築として名高い日本が誇る国立西洋美術館。この国立西洋美術館とほぼ同じ建物がインドにもあるらしい。コルビュジエはインドでも仕事をしているので不思議ではない。 その美術館とはチャンディーガル政府博物館・美術館(Government Museum and Art Gallery, Chandigarh)。 今回はその"ほぼ同じ"という2つの美術館を比較しながら見てみよう。 まずは国立西洋美術館をザックリ紹介。 国立西洋美術館(以下、上野)は、実業家・松方

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          【建築】街中なのに森の中のような台北市立図書館北投分館(九典聯合建築師事務所)

          台湾台北市の北投区。台北という大都市にありながら温泉の湧く街としても知られている。 北投区へは台北中心部から地下鉄MRTに乗ること20分、北投駅で降りる。駅前は郊外らしい庶民的な街並みだ。日本にもありそうな風景に見える。 駅から行き交う車に注意しながら15分程歩いていくと、 集合住宅や商業施設に囲まれた北投公園に突き当たる。公園はこの奥にある日本統治時代に開発された温泉街まで続いており、ホテルや日帰り温泉も充実しているが、目的は温泉ではない。 公園は遊歩道が整備されて

          【建築】街中なのに森の中のような台北市立図書館北投分館(九典聯合建築師事務所)

          【建築】光とコンクリートがつくる神聖な空間は神言神学院(アントニン・レーモンド)

          タイトルから安藤忠雄さんの教会を想像した方もいらっしゃるかと思うが、今回は建築家アントニン・レーモンド。建築好きな方ならご存知だろう。私もお気に入りの建築家の一人だ。 フランク・ロイド・ライトの助手として帝国ホテル建設の際に来日し、後に独立して日本で設計事務所を開設した。日本の近代建築の巨匠と呼ばれる前川國男や吉村順三もレーモンド事務所で学んでいる。東京女子大学や群馬音楽センターなど文化財やDOCOMOMOに指定された建物も多い。大きな建築のみならず小さな教会なども設計してお

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          アルヴァロ・シザの建築を見に行ったらテレサ・テンのお墓参りをしてきた話

          それは建築メディアで紹介されていたアルヴァロ・シザらの設計による霊廟の記事を読んだ時だった。 アルヴァロ・シザといえばポルトガルを代表する偉大な建築家である。彼の建築は実際に訪れた人たちからの評価も高いが、その多くは地元ポルトガルにあり、私もまだシザ建築は見たことがなかった。しかもこの建築メッチャ良さそうじゃん。 ヨシ、コレを見に台湾に建築探訪に行こう! 記事によれば、場所は新北市金山区としか記載されておらず、詳細な住所は分からない。だが金山区は49km2もある。Goo

          アルヴァロ・シザの建築を見に行ったらテレサ・テンのお墓参りをしてきた話

          【建築】飛べ!茶室(藤森照信)

          諏訪大社、神長官守矢史料館を巡る旅の続き。 諏訪大社上社の神長官を代々務めていた守矢家の裏には長閑な畑が広がっている。 畑の中には史料館同様に奇妙な建物が点在している。いや、小屋という表現の方が合っているかもしれない。その外観を一目見れば、建築に詳しくない人でも、設計者は史料館と同じ藤森照信さんだということが分かる。 そう、この建物群こそ常識にとらわれない自由な藤森ワールドの真骨頂、空を飛び、地を這うフジモリ茶室なのだ。 今回は室内に入ることもできたので、順番に見てい

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          【建築】常識破りのデビュー作は神長官守矢史料館(藤森照信)

          諏訪大社の下社秋宮、下社春宮、上社本宮、上社前宮の御柱を巡った旅の続き。 上社前宮と上社本宮との間には鎌倉街道の旧道が通っている。 数kmの短い遊歩道だが、山の中には「峯の湛」という樹齢約200年のイヌザクラの巨木もあって、散歩にはちょうど良い。 ところで諏訪大社では古代から明治時代初期まで御神体は大祝と呼ばれる現人神、つまり"人"だった。その下で実際に祭事を取り仕切っていたのは神長官をトップとする五官祝という神職である。大祝も五官祝も世襲制で、上社では諏訪家が大祝を

          【建築】常識破りのデビュー作は神長官守矢史料館(藤森照信)

          【建築】"スペース"が謎を呼ぶアルス司祭教会(アルド・ファン・アイク)

          心揺さぶられる建築って何だろう? これまでの建築探訪を振り返ると、自分にとっては教会などの宗教施設に印象的な建物が多かったように思う。今風のスタイリッシュな建築も大好きだが、心落ち着く宗教施設らしい空間が自分の好みに合っているのかもしれない。 今回もそんな建築の紹介である。 人口55万人のオランダ第三の都市デン・ハーグ。 中心部にはキラキラの現代建築が集まるが、その郊外に小さな教会がある。 中央駅からトラムに乗ること20分。緑多き住宅街で降りる。 停留所直ぐ近くの堀の

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          【街】自動車が走れない村 ヒートホールン

          「 ◯◯のヴェネツィア 」 日本人が好んで使いそうな表現に思われるが、海外でも使われている。例えば「Venice of the North(北のヴェネツィア)」でググると出るわ出るわ…。 有名な街を挙げるとデンマーク・コペンハーゲンとか、 ベルギー・ブルッヘ(ブルージュ)とか、 オランダ・アムステルダムとか。 いずれもわざわざ「北のヴェネツィア」と呼ばなくても充分に魅力的な街だが、運河が張り巡らされた景観は確かにヴェネツィアを思い起こさせる。 オランダにはさらにもう

          【街】自動車が走れない村 ヒートホールン

          【建築】インドの巨匠建築家 バルクリシュナ・ドーシを知っているか?

          「知らん」 ほとんどの人はそう答えるだろう。私も「名前は聞いたことあるかな?」という程度だった。つい最近までは…。 2023年、インドを訪れた。その目的は友人に会うためとかタージ・マハルなどの観光地を巡るためとか色々あったが、メインはやはり建築探訪である。インドの建築といえばル・コルビュジエ。コルビュジエはスイス/フランスの建築家だが、インドにも多くの建築があり、チャンディーガルでは新しい都市計画づくりにも参画している。 バルクリシュナ・ドーシ(Balkrishna Vi

          【建築】インドの巨匠建築家 バルクリシュナ・ドーシを知っているか?